「弦月の仮宿」八周年記念オリキャラ人気投票
関連文書(ブログ掲載)






●第八回人気投票概要

「レックル!」
「アンド、ローの」
「「第八回! 『弦月の仮宿』キャラクター人気投票概要説明!」」
「うわぁ、すごいすごい! ねぇロー、こんな大事な役目、自分たちが任されちゃって良いのかな?」
「良いも何も、レックル、管理人が完全に僕らを誤魔化そうとしてるって気付いてるかい?」
「え? 何が?」
「いいかい、このタイミングで企画開始。しかも今回は、日記でも何度か人気投票に絡めたプチコントをやるつもり満々らしい」
「うん。それがどうしたの」
「僕らの連載はどうなる?」
「れんさい? ……あ」
「分かったろ。完全に中断するつもりじゃないようだけれど、ただでさえブツ切れの更新頻度がさらに酷くなること請け合いだ。最初の説明に僕らを持ってきたのは、僕らが何度も日記に出ていると錯覚させる為だろうね」
「で、でも! 人気投票には自分もローも関わってるんだし。折角一番大事なところをお願いして貰ったんだから、一生懸命やろうよ!」
「おーい、管理人ー? この健気なレックルが見えてるかーい? せいぜい罪悪感に苛まれれば良いさー」
「ええと、じゃあ気を取り直して。『弦月の仮宿』を訪れてくださる皆さん、いつもお世話になっています!」
「当サイトでは毎年、一月六日の開設記念日に向けて、オリジナルキャラクターの人気投票を行っているよ。企画やイベントの少ないこのサイトにおいては、最も重要かつ盛り上がるイベントと言えるかな。盛り上がるのは主に管理人だけど。投票期間が二ヶ月近くもあるのはいつものことだから気にしないように」
「内容は簡単! 皆さんには全部で三種類ある投票形式を利用して、『弦月の仮宿』のキャラクターに投票をして貰うんだ。三種類の得票数の合計で、最終的な順位を決めるよ。一人何票入れても、何人に入れても大丈夫だから、皆さんにお気に入りのキャラがいたら、是非たくさん入れてあげてね」
「ただし、管理人が考えた以外の『弦月の仮宿』作品登場人物には投票不可。前々回からルール変更があったんだよね。特に『田中君と山川君』に登場する2−4メイツは要注意だ」
「それと、投票やコメントが悪質だったりする場合は、許可なく投票を無効とすることがあるかも。出来ればそんなことしたくないから、常識の範囲で参加して貰えるとありがたいな」
「そうだね、そういう人には出来ることなら魔法の一発も眉間にクリーンヒットさせたくなるからね」
「……このサイトにはこういう困った人もたくさんいるから、皆さん気を付けてください」
「さて、続いて三種類の投票形式の説明だ。一つ目はweb拍手を利用する方法。ほら、このブログの左の方とか、サイトTOPページの下の方にボタンが見えるだろう? まずはあれをポチっと押す。ああ、出てくるお礼イラストは企画とは全く無関係だよ」
「拍手のお礼画面でコメントを書いてもう一度拍手をすると、メッセージが管理人に届くんだよ。そのメッセージで、例えば『ヘルドに一票!』って書いて送ってくれたら、それでヘルドに1票投票されることになるんだ」
「……何でヘルド? 誰か入れるのかい、あの筋肉ハゲ頭に?」
「何となく? あ、注意なんだけど、メッセージは一回につき1票なんだ。だから『ヘルドに10票』って書いても1票だし、『ヘルドとララットに1票ずつ』とかだと無効票になっちゃうから気をつけてね」
「だから何でその二人? 拍手は連続で何回か押すことが出来るから、そのたび投票するのは大丈夫。匿名で大丈夫なので、気軽に拍手したら良いんじゃないかな」
「二つ目。アンケートを利用する方法だよ。TOPページのカウンターの上、もしくは概要説明ページのリンクから『弦月の仮宿アンケート』へと飛んでね」
「必須項目は質問3、『貴方の好きなキャラクターは?』だ。当サイトのメインキャラがずらっと並んでいるから、好きなキャラクター、気になるキャラクター、どんどん押してくれればいい。複数選択可能だし、大勢のキャラクターに一票ずつ入れるならこれが一番手っ取り早いね」
「ただし、解析の関係で回答はお一人様一回のみになるよ。ちょっと注意してね。質問は他にもたくさんあるので、時間がある人は答えてくれたらすごく嬉しいなぁ!」
「最後三つ目。すっかりお馴染になった、いわゆる上位キャラ投票が今年もあるよ。アンケートと同じく、リンクから投票ページに飛ぶだけ。投票したいキャラクター名にチェックを入れて、『投票』を押すだけ。ちなみに、今回からコメントが入れられなくなったから、キャラクターにメッセージを送りたい人はweb拍手を利用してくれるかい?」
「この投票形式はちょっと特殊で、一番最初に名前が載っているのは、前回の投票で上位10位にランクインした人たちなんだ」
「管理人の姉曰く、『富める者がさらに富む形式だな』だそうだ。全くもって、上位と下位の差を広げる飛んでもないシステムだよね、これは」
「でも実は、前回3位以内に入ったうちの2人が、最初このアンケートに名前が入ってなかったんだよね。この投票形式のミソは、お客さんが勝手に項目を追加していいところ。自分がお気に入りのキャラがここにノミネートされていなかったら、『項目の追加』から新しく追加して良いんだ」
「そう。つまりこの人気投票企画、いかにこの上位キャラ投票で贔屓して貰えるかにかかっている。ここでノミネートして貰えなかったら、ハッキリ言って上位は絶対狙えないどころか1,2票どまりだ!」
「ねぇ、ロー。ちなみに自分たちって……」
「『ノンフィクション』キャラは一人もノミネートされてないね。前回、作品全体でも1票も入ってないんだから」
「……父様ごめんなさい、勝てる気がしないよぅ……」
「初日から弱気でどうするんだよレックル。そりゃあ、連載が終わってない作品キャラにはほとんど票が入らないってジンクスはあるけど、そもそも日記連載作品の投票率は恐ろしく低いけれど。前回はあの豆があそこまで届いたんだし、可能性はあるって」
「ロー、そういうこと言ってると、またラジオ企画みたいにトータさんの独壇場になるよ?」
「う、と、兎に角、投票形式は以上の三種類。皆さんがお好みの方法で、勿論全種類でも、どんどん票を増やして貰えるとありがたいな」
「たくさん票が集まると盛り上がるもんね。勝負もどうなるか分からなくなるし」
「それと特別な形式として、例えば普通のメールなどでも投票を受け付ける場合があるよ。何か管理人に連絡するついでがあったら、追伸にでも気軽に書いてみると良いかもね」
「投票〆切は開設記念日当日、一月六日の23:59:59まで。投票推移や状況は、このブログで随時お知らせしていくつもりだよ。楽しみにしててね!」
「それでは、企画終了までのたくさんの御参加を」
「「お待ちしてます!」」



●第八回キャラクター人気投票関連座談会〜歴代積み上げデータ検証〜

「ポルク&ディーの! 『弦月の仮宿キャラクター人気投票・過去の積み上げデータ検証〜あの栄光をもう一度〜』、はっじめるよ〜!」
『長くて語呂悪い上に何て嫌な副題だ……』
「ピンポイントな感じが腹立たしいよね。さて気を取り直して、このコーナーでは、記念すべき第一回から、前回・第七回までのデータを集計・検証していくよ!」
『この人気投票も、もう八回目だもんな。第一回目から登場してるのって、俺達の他は『ウラオトギ』と『修復屋』くらいだよな』
「その当時からここに来てくれている人ってほとんどいないだろうから、昔のデータって新鮮だろうね」
『第一回で太助の母が六位に入ってるとかな(※現在と順位の付け方に違いがあるため正確には七位)』
「昔の結果が気になる人は、企画概要ページの下の方、『過去の人気投票結果』を見てね! それではまず、第一回〜第七回の総得票数で見るベスト10を発表するよ!」

<第1〜7回 総合計得票数(総数546票/票獲得総キャラクター数41名)>

1位:116票 山川健悟
2位: 51票 田中卓也
3位: 48票 ゲン
4位: 43票 ポルク
5位: 39票 スメルト=ピアニー
6位: 28票 田中恭輔
7位: 26票 ディー&キリー
9位: 24票 オイル=ギア
10位:18票 アルト=ロングトーン

「…………」
『……桁が……』
「さすが、第二回〜第五回まで一位を譲らなかっただけあるよね、山川君は」
『総数の五分の一以上占めてるし、二位が多かった田中に倍以上の差がついてるとか。強過ぎるだろ』
「って、今気付いた! ボク、ゲンに負けてるの!? うわああ、最近負けっぱなしだと思ってたけど、第一回第一位の面子が……」
『そんな面子なんか第二回以降でとっくに崩れ去ってるだろうが。こうしてみると、1〜9位は上位常連キャラって感じがするけど』
「……10位のアルトさんって、前回初登場じゃなかった?」
『……初登場、だな』
「アルトさんどうこうよりも、第一回から出てるのにランクインしてない人たちとかって……」
『言うな! ルートや太助のことは言ってやるな! まして第一回から登場してるメインキャラにも関わらずこれまでの得票数ゼロの栗太郎や五寸法師のことなんか!』
「ディー、名前出しちゃってるよ、思いっきり言っちゃってるよ?」

<ちなみに 第1〜7回 主人公総合計得票数>

ポルク :43
ピアニー:39
田中卓也:51
山川健悟:116
オイル :24
浦島太助:4
仲楯正和:6
蛍夕  :7
トータ :13
レックル:1

『……ちなみに、とかやってやるなよ。こうなるの分かってるんだからさ……』
「大体さ、総合計で競うっていうのがまず平等じゃないよね。第一回から出てる人もいれば、前回初登場の人もいるんだし」
『一理あるな。けど、それ考えちゃっていいのか?』
「え?」

<第1〜7回 平均獲得票数(総得票数÷初登場からの回数)>

1位:19.33票 山川健悟(第2回初登場)
2位:18.00票 アルト=ロングトーン(第7回)
3位: 8.50票 田中卓也(第2回)
4位: 6.86票 ゲン(第1回)
5位: 6.50票 スメルト=ピアニー(第2回)
6位: 6.14票 ポルク(第1回)
7位: 5.60票 田中恭輔(第3回)
8位: 5.20票 キリー(第3回)
9位: 4.33票 トータ=リーグマン(第5回)
10位: 3.71票 ディー(第1回)

「あー! 見たくなかった! 見たくなかったよコレ! 4位から6位に転落!?」
『五人にしか票が入らなかった魔の第二回があるからな。ハッキリ言って、第一回から登場してる方が圧倒的に不利だぞ』
「ここでいきなりアルトさんが2位か。第八回の票数によっては、1位に躍り出るのも十分可能だね」
『っていうかここでも山川の数値が異常なんだよ。19票以上獲得したことあるキャラなんて他の誰一人としていないってのに』
「でも前回第4位だしね」
『そうだよ、人気なんて不動の地位を約束されてるわけじゃないんだ。俺達もガンガンPRしていくぞ、ポルク!』
「OK、ディー! 続きは全然書いて貰えないし、どころかリメイクの話が出てそれっきりだけど、TOP絵にもしてもらえそうにないけど、でも何とか頑張ろうね!」
『…………』
「…………」
『他作品の連中を蹴落とす方向でいくか?』
「うん、そっちの方が早い気がしてきた」



●第八回キャラクター人気投票関連座談会〜結果大予想〜

蛍夕「はいお前らここ集合! 今から『夢追人〜DREAMERS〜』メンバーによる、人気投票結果予想を始めるぞ!」
朱紫「よく俺達にそんな役が回ってきたな」
雪華「そうよね。最早観戦者扱いだと思っていたわ」
連星「『夢追人メンバーによる』って補足が自然に入る辺り、俺達の知名度の低さが身に沁みてるよな、蛍夕」
蛍夕「さっさと、黙って、集・合!」
雪華「それを実現したら蛍夕一人で座談会をする羽目になるわよ」
連星「うっわ、寂しい〜。『劇団ひとりぼっち』襲名だな〜」
朱紫「何でも良いから早く始めろ蛍夕」
蛍夕「久々の出番だと思ったら早速この扱いかよ……畜生、望み通りとっとと始めてやる!」
連星「そんで何だっけ? 結果予測ってことは、人気投票結果を予想しようってわけだよな?」
朱紫「昨年も似たような記事が書かれていた気がするな」
蛍夕「そうそうソレ。今年も競馬の予想紙風で考えてみるかって話になってるんだよ。じゃあ、まずは本命から」

◎本命:アルト=ロングトーン(ものかきギルド・ストーリー)

雪華「ふーん。本命と言うからには、何か理由があるんでしょうね?」
蛍夕「……前回第一位だから?」
朱紫「まんまだな」
蛍夕「あとほら、今年も企画で小説もイラストもいっぱいかいて貰ってるし。有利だろ、やっぱ」
連星「ってかさー、蛍夕〜。俺前から思ってたんだけど、アルトって蛍夕と歳も身長も口調もツッコミも大体一緒だろ。何でこんなに人気に差があんの?」
蛍夕「俺に訊くなよ」
雪華「心配性って設定が苦労人に変わったら、ほぼ同じよね。何故蛍夕はこんなに影が薄いわけ?」
蛍夕「だから俺に訊くなって」
朱紫「向こうは企画キャラだからだろう。あとはまぁ、蛍夕の方が役立たずっぷりは上回ってるが。どう思う、蛍夕?」
蛍夕「この話題から離れろ! けどその前に言わせてもらうぞ、決定的に違うのは仲間の質の高さじゃないのか、こら!?」
三人「「「(シーン)」」」

○対抗:山川健悟(田中君と山川君)

連星「うっ、幾度となく一番上で見た名前っ……」
蛍夕「前回は色々あって四位だったとはいえ、やっぱりこの存在は怖いし」
朱紫「個人から一気に大量の票が入るパターンが多いからな、この男。他がちまちまやっていると一気に突き放される可能性大だ」
雪華「一位を取って迷惑そうな顔する男がトップとか、癪よね」
蛍夕「他作品キャラにまでこの言われよう……下手に人気があるのも考えものな」
雪華「要らない心配」
蛍夕「!」

▲単穴:スメルト=ピアニー(歪みの伝導師)

朱紫「管理人贔屓か」
雪華「管理人贔屓ね」
連星「管理人贔屓だな!」
蛍夕「……当人気投票において、管理人がルールに違反する票を無効にすることはありますが、特定のキャラクターの票を水増しするなどの不正は絶対に行っておりません!」
連星「でも、管理人がアピールしまくったおかげで、前回二位まで上り詰めたのは確かだろ?」
蛍夕「否定……出来ないな……」

△連下:POLK<ポルク>(NAVIGATOR44)

雪華「……てっきりどこぞのおちびさんが入るものだと思ってたけど」
蛍夕「いや、なんつーか……あそこで何か、イイ笑顔で銃を構えてる影が見えるっつーか……照準が俺の眉間にピタリっていうか……」
朱紫「何をあっさり脅しに屈しているんだお前は」
連星「えー、でもさー、ずっと話止まったまんまだろ? 正直、五位に入れるかも怪し」
(バキューン!)
連星「怪しくないです!」

×問題外:蛍夕(夢追人〜DREAMERS〜)

蛍夕「オチかよ!?」
朱紫「お前と『ウラオトギ』の太助、『善悪陣取』の正和は、絶対に人気が出ない主人公トリオとしてすでに地位を固めているからな」
蛍夕「結成した覚えねぇぇぇ!」



●第八回キャラクター人気投票企画内企画〜今日は誰の日?〜

恭輔「恭輔!」
翔悟「翔悟の!」
二人「「キャラクター人気投票企画内企画! 『今日は誰の日?』企画概要説明〜!」」
恭輔「で、始めてみたはいいけど、タイトルを聞いてもさっぱり分からないよな、これ」
翔悟「思い付きの企画説明を突然振られた俺たちの身にもなって欲しいよね。でもまあ、やるっきゃないか! タク兄さんに一位を取らせるためにも!」
恭輔「いや、それは無理だけど」

〜企画説明〜

恭輔「それでは、どんな企画か説明します! 企画の期間は明日、11月23日から来月12月22日までのちょうど30日間。その1日1日が、『弦月の仮宿』のキャラクター30名のうち、『誰の日』と割り振られています」
翔悟「分かりにくいから具体例を出すと、〇月×日は『ポルクの日』だとか、□月△日は『ピアニーの日』だとか。キャラクター30名は『弦月の仮宿』の厳選メインキャラクターです」
恭輔「どの日付が『誰の日』に当たるかは、お客さんには内緒。管理人がすでにランダムに割り振ってあって、変えることはありません」
翔悟「ここからが重要! 『誰の日』に該当するキャラクターに、当日、人気投票で票が入ったら、管理人が近日中にそのキャラクター絡みのSSをブログにて執筆します! 例えば『ポルクの日』と管理人がこっそり指定した日に、誰かがポルクさんに1票でも入れたら、ポルクさんがメインのSSを書くってことだね」
恭輔「趣旨が分かって貰えたかなぁ? つまり、『SSが読みたい!』って思う特定のキャラクターの該当日を狙って投票して、見事的中させればSSを読むことが出来るんだね」
翔悟「ちなみに、当日が過ぎたら、『昨日はだれだれの日でした』って発表はあるの?」
恭輔「いや、それを発表するのは、SSを書くことになった、つまり該当日に投票して貰えたキャラクターだけ。該当キャラに票が入らなかった日は『誰の日』とは公表されないから、あいつの日はもう終わったとか、まだあのキャラの日が来ていない、とかは分からない仕組みだよ」
翔悟「え、それじゃあ、狙って票を入れるなんてできないんじゃない? 完全に運任せってこと?」
恭輔「さすがにそれだと推理の余地もないから、前日あたりに、該当キャラの名前の文字数くらいは発表するんだって。ブログが書けなかった日はそれもないかもしれないけど」
翔悟「ってことは、ポルクさん狙いなら、『今日は3文字の名前のキャラの日です』って日なら確率が上がるんだね?」
恭輔「ただし、厳選キャラクターの名前は全員2〜4文字だけど。文字数だけで特定出来るキャラはいないと思う(漢字キャラはフルネーム、カタカナキャラは名前のみ)」
翔悟「わー、当てられる気しなーい……」
恭輔「だよな。管理人も当てられる気ないみたいだよ」
翔悟「でもさきょん、それってハメ技あるよね? 贔屓キャラのSSを確実に読める方法。そのキャラに毎日一票ずつ入れれば、確実に当たるじゃん」
恭輔「すごい根性だなそれ。……ん? 待てよ。ってことは、万が一その手段に出る人がいたとして、その贔屓キャラの該当日が企画終盤だとしたら……」
翔悟「30票近く稼げるよね」
恭輔「……(ゴクリ)」
翔悟「まぁそんなこんなで。基本的に、皆さんの参加方法はこれまで通り、好きなキャラにどんどん入れちゃって下さい、ってだけ! もしかしたらこの票がアタリで、SSが読めるかも、って、ちょっと期待しながら投票してもらえたら嬉しいな!」
恭輔「それでは引き続き、皆さんのご参加をお待ちしてます!」



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」

【11月29日は『アトラスの日』でした】
 該当日得票につき企画発動。「ノンフィクション」よりアトラス=ガレットのSSです。


 Another tale, Another hero


 本物の「人垣」というものを、生まれて初めて目の当たりにした。
 故郷で出来る人垣など、これに比べれば狸の一家に食い荒らされた大根畑のようなものだ。そんな人だかりならばスカスカに空いた隙間をヒョイとくぐり抜けられてしまうのに、ここときたらどうだ。
 四重にも五重にもなった人、人、人の波。かなりの面積があるだろう、広場の地面という地面を人々は占拠し、密着し、通り抜けるどころか足を突っ込む隙間すらない。興奮しきった街の人の視線は全て自分とは逆方向に集中しており、ここから見えるのは彼らの後頭部と背と尻だけだ。
 アメトュトス王国・王都トゥルス。丘の上には荘厳な城を望む、活気溢れる城下街の一角。
「なんだぁ?」 
 大剣と大荷物を背負った黒髪の青年、アトラス=ガレットは、ぽかんと口を開け、ただただその光景と喧騒に圧倒されていた。
 この街に入ったのがつい数時間前。右も左も分からず、いかにも田舎者丸出し大安売りという風体のアトラスに注意を向けるものなど誰一人としておらず、その場の人々は拳を空に突き出しては、やんやとしきりに囃し立てている。耳を澄ませば、喝采の中に聞こえる派手な金属音、そして野獣のような咆哮。
 なおも騒ぎを聞きつけて続々と集ってくる人々に巻き込まれそうになりながら、アトラスは「おっとっと」とその場をウロつき、手近なところで首を伸ばしている男の袖をぐいと引いた。
「なぁおっちゃん、これ一体何の騒ぎ? 随分楽しそうだなぁ」
 興味津津のアトラスを迷惑そうに振りほどき、シッシと追い散らす仕草をしながらも、男は答えを寄越してくれる。
「武闘大会だよ、毎月恒例のな。こいつを知らないなんざ、てめぇどこの田舎モンだよ」
「どこだっていいだろー。それより武闘大会って? 誰でも参加出来るの?」
 しぶとく言い募る横で、一際大きな歓声。叫ぶのは司会者だろうか。勝負がついたのか、割れるような拍手が湧きあがる。アトラスと男は揃って爪先立ちになり、あっちへこっちへと歩いては見るものの、分厚い人の壁に阻まれて騒ぎの中心は全く見えない。中年男はアトラスを睨みつけ、苦々しげに舌打ちする。
「兄ちゃんの所為で大事なところを見逃したじゃねぇか。もう、さっさと何処かに行っちまえよ」
「俺が話しかけなくたって、この場所じゃどうせ見えなかったって。ねえ、大会って言うくらいなんだから、出場するやつはやっぱり強いんだろ?」
「当たり前だろ、馬鹿にしてんのか。そりゃもう、大会十九連覇の“大斧のヘルド”を始め、トゥルス城下街が誇る腕自慢たちがわんさか出てきてるぜ」
 訳知り顔で自慢げに語る男。またも周囲で湧き上がる熱狂に、アトラスまでが浮かされてしまう。居ても立ってもいられず、背伸びをしても試合は見えず、観衆の反応が羨ましくて仕方がない。またも男に顔をぐいと近付け、こんなことを言い出した。
「俺も参加したい! おっちゃん、まだ飛び入り参加って出来る?」
 両拳を握りしめて顔を輝かせるアトラスに、男は一気に肩を落として「ハァ?」と尻上がりな声を出す。
「出来るわけねぇだろ、今準決勝だぞ。大体、てめぇみたいなのが出たところでタンコブこしらえるだけだぜ、止めとけ止めとけ」
「なら次は決勝戦か。優勝者は俺と戦う権利が与えられるってことでどうかな?」
「どうかも金貨もあるか、ケチつけるような戯言吐くんじゃねぇよボケ!」
 男は怒り心頭、噛みつかんばかりの勢いで怒鳴りつけられて、アトラスは押され気味に民家の壁際まで後退する。フン、と鼻を鳴らし、男はさっさと場所を変えてしまった。ちぇ、と詰まらなそうに口を尖らせ、アトラスは煉瓦造りの壁にもたれ掛った。そして目を閉じる。
 歓声。また司会の声。拍手に罵声。そしてまた歓声。男の吼え声が通る。地響きのような足音。そして幽かな、本当に小さな、軽い足音。を、掻き消す群衆の湧き立ち。
 もう一度あの軽い足音。剣が風を切る音。
 あ、とアトラスは思う。
「(良い音だ)」 
 心地良かった。勢いがある。迷いはない。よほど良い使い手でなければこの音は出ない。それだけで勝敗が見えた。
 鈍い金属音。何か大きな重い物が、地面に倒れる音。壁から体を離し、アトラスはくるりと広場の中心に背を向けた。次の瞬間、司会の絶叫と共に、背後で爆発する大歓声。
 路地裏に入りがてら、ちらりと振り返った先には人垣。隔たれた向こうの世界は、アトラスには見えない。今はまだ、遠い世界の物語。
 あの中心に自分がいられなかったのは残念だけれど。
 もしも“物語”の主人公になれたら、優勝者との対決だって簡単に認めて貰えるのだろうか。
 頭の後ろで手を組み、鼻歌交じりに坂を上りながら、彼はそんなことを考える。
 歩調が早くなる。夢の近くまでやってきた、そんな気がする。この街にはそんな匂いが充満している。
「さて。俺も創りに行くとするかな、俺の“物語”を」
 歓声響く王都の青空を見上げて、彼は楽しそうに笑った。

 物語はもう、始まっている。


 Fin.



●第八回キャラクター人気投票関連座談会〜祝☆200票獲得!〜

「たっなかく〜んとぉぉぉ!?」
「山川君の(棒読み)」
「第8回『弦月の仮宿』キャラクター人気投票・200票達成ありがとうおめでとう記念コントぉぉぉ……ぉぉぉ……って、山川コラぁ! ここは二人、拳突き出し声を揃えて叫ぶところでしょーがっ! 何をそこで『俺がすべきことはもう終わった』みたいな澄まし顔してやがんだ、お内裏様とお雛様か!」
「俺の台本で指定されてるのは『山川君の』って一言だけだからな、それ以降については俺には何の責任もないってことだろ」
「流れ汲め! 雰囲気作れ! ここは一致団結してエイサヨイサと盛り上げるところだ! 船頭多くしてお山のてっぺんまで上っちゃう勢いになるところだぁぁ!」
「上っちゃ駄目だろう。しかし、12月3日19時時点で200票か。こんなことになるとは予想してなかったな」
「ぶっちゃけキショイよな!」
「客に対して笑顔で何つう言い草だ」
「いや、だってこれまでの最高得票数って112票だぞ? この調子だとラクラク倍数稼げそうなんだけど。今年なんかあんの? ここの人気投票に参加すると良いことあったりすんの?」
「ないだろ」
「即答だな山川。でもまぁ、色んな人がいっぱい参加してくれるっていうのは嬉しいよな〜。俺にもいっぱい入ってんだろうな〜、山川にはいっぱい入ってないんだろうな〜、入ってないよな〜、入ってるはずないよな〜、入ってませんようにぃぃぃぃぃぃ!」
「最後願掛けになってんじゃねぇか。俺達に入ってるかどうかは分からないけど、管理人の方から途中経過について少し情報開示があるらしいぞ」
「じょーほーかいじ……『本当は田中君が好きなんだけど山川君に負けて悔しがる田中君が好きだからあえて山川君に投票します』って根性ねじくれた人が現在時点で何人いるかとか?」
「分かる訳ないだろそんな投票意図!」
「絶対いる……絶対いるんだよそういう人……素直に俺にデレてくれない、とんだツンデレちゃんが絶対……!」
「無視するぞ? ええと、現在までに得票があったキャラクターは17人。ってことは平均得票数は約12票か」
「12票って、前回第三位のトータが13票だったろ? おーいおいおい、それに迫る勢いだぞ!?」
「繰り返すが、12票ってのは平均だ。今総得票数1票のキャラクターが3人らしいし、上位は12票を遥かに上回ってることは確実だな」
「ヒエエエエ!? なぁなぁ、他には何か教えてくれねぇの? 1位が現在何票とか、1位と2位の票差とか、田中君が山川君を上回ってますとかさ〜。そんくらいなら問題ないだろ?」
「管理人曰く、『ノーコメント』」
「何が起こってるんだよ一体ぃ? もー、開示するって宣言してんんだから、もっと何かオイシイ情報寄越せよぉ!」
「『ペズとバイスとレイモンドには票が入ってない』」
「分かってるよそんなもん! セコイ悪役だらけじゃねぇか!」
「『アルフとマンガムと琉亜にも入ってない』」
「もはや誰だよ!」
「『弥富にも入ってない』」
「知ってるよ!!!」
「弥富が泣くぞ。大体、17人しか票が入ってないんだろ。このサイトで名前があるキャラは70人以上いるんだから、50人以上は得票ないんだよ。それをさも、他のキャラには票が入ってるかのような……」
「くっそう、要するにネタバレする気はほとんどねぇんだな?」
「まあとにかく、人気投票はあと一か月以上あるしな。折角参加してくれてる人がいるんだから、管理人にはせいぜい読者サービスを頑張って貰いたいもんだ」
「俺脱ごうか?」
「冗談にしてもタチが悪過ぎる」
「じゃあ山川脱ぐ?」
「アンケート投票のお前の名前を『田中卓也(故)』にしてやろうか」
「そ、そそそんなこんなで! よいこのみんな〜、よいおとなのみんな〜!? 企画はまだまだ続きます!」
「この先も皆さんの御参加を」
「せーのっ! お待ちしてまぁぁぁす……ってコラまた山川ぁぁぁぁぁ!」



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」

【12月3日は『ハナダの日』でした】
 該当日得票につき企画発動。「願望交換局」よりハナダ=アルエットのSSです。

※本編ネタバレ含みます。最終話まで読了されていない方はご遠慮くださいますように。


 I want.


「ハナダ、何か欲しいものはあるかい?」
 度々、トータは私にそう尋ねる。私は度々、それを不思議に思う。
 どうして、答えが分かりきった質問を、彼は幾度も重ねるのだろう。
 同じ答えしか返ってこない事実を、その理由を。彼は私よりもよほどよく知っているはずなのに。
 十二月の木枯らしが街頭を吹き抜けていく。からからに乾いた風が、無造作に捨てられた新聞紙を空へと舞い上げた。
 街を行く人々はそんな光景に目をくれることもなく、暗色のコートの襟を合わせ、片手で帽子を抑えて、まるで見えない何かにでも追われているように足早に立ち去って行く。
 霧のない昼過ぎの街はどこか色がくすんで見えて、これだけの人が溢れているにも関わらず、寂寥としているように思えてならない。
 そんなことを考えてぼんやりとしていた私の意識を呼び戻したのが、先のトータの質問だった。首を回せば、視線を落とせば、傍らには私を見上げるトータの緑色の目。昨年買ったピーコートはだいぶ袖が余るのだが、裁断しようとしたら酷く嫌がられたのでそのままだ。
 店の看板を「closed」にして、買い出しに出たのが昼過ぎのこと。トータは店を捨ててこの街を離れることは不思議と出来ないけれど、帰ってくる心づもりがあるならば、外出し、目的地を訪れる程度のことは可能だ。
 古書店でトータ好みの本を数冊と、文具店でインク瓶を一つ、雑貨屋で歯ブラシと石鹸を一箱買った。あとは食料品を買って帰るだけだと市場を目指す途中で、トータがふと足を止めたのが小物店の前。煉瓦塀に埋め込まれたショウウィンドウの中をまじまじと眺める彼を待つ間、私は大通りに目をやって、新聞が飛翔する様や人々が通る過ぎていく様子を見ていたのだった。
 幼い声が発した質問が、私に対してのものだと理解するのに時間を要した。度々訊かれているのに、度々訊かれているからこそ、私はいつも戸惑ってしまう。白く汚れた硝子板の向こうには、白い小鳥をあしらった陶製のブローチや、木目に浮き彫りの五輪花が咲く髪飾りなど、巷の女の子たちが喜びそうな装飾品が並んでいる。一通り眺める。
 戸惑いと逡巡の後、返す言葉はいつも同じ。
「特には」
 私の唇から零れた返事は随分と味気がないものだった。それはトータの表情からしても予想通りの返答だったのだろうけれど、彼は同時に、期待が外れた様な表情も浮かべた。「そう」と小さく苦笑いをして、彼は視線を私からショウウィンドウへと戻した。
 欲しいものは、特にはない。必要なものならばある。食料や洗剤や、そういった生活必需品。けれどそれらが揃ってしまえば、思い当るものはない。それらですら、トータと共に生活し、店を運営していくという義務がなければ、私は必要と思わないだろう。
 喉の渇きは覚えるし、空腹の感覚はある。けれど、だからどうということもない。義務的に食事を摂るということを止めてしまえば、私はそのまま何の疑問も持つことなく、乾いて死んでいくのだろう。
 何が欲しいと、特には思わない。
 それは私の願いが叶ったあの時から、絶対に変わることがない私の中の真理。
 トータはそれを知っているのに、他ならぬトータがその願いを叶えたと言うのに。どうして彼は、懲りることなく、幾度でもこの質問を重ねるのだろう。
 小さな掌を硝子に当てて、不貞腐れた様な表情で、何事か思案しながらトータは小物を見つめている。彼が持つ、どうしても渡そうとしなかった買い物の紙袋が重そうに見えて、私はこの隙に彼の片腕から取り上げた。
 驚愕に続けてトータの顔が不満げに歪むが、取り返そうと爪先立つ姿がショウウインドウに映っているのを目にし、彼はすぐに諦めた。やがて先行して歩き始める。
 前を行く小さな後ろ姿。茶色い小さな尻尾髪が揺れている。
 どうして、分かりきった答えが返ってきたというのに、彼はあんなに悲しそうな顔をするのだろう。
 私がどんな答えを返したら、彼は満足するのだろう。
 私が欲しいもの。思いつかない。分からない。特にはない。ない。ないけれど。
「トータ、夕飯に食べたいものはある?」
 枯葉が踊る、割れたタイルの舗装道の上、背中に向かって問いかけた。彼はふと足を止め、振り返って私を見る。私も足を止める。トータはしばらく口を閉じて考えてから、肩をすくめて苦笑する。
「『特には』って言おうかと思ったけれど、そう返されても困るんだろうね。そうだな、今日も寒いから温まるようなもので、グラタンとか……」
「あえて言うなら、トータの喜ぶ顔」
 唐突だったとは思う。虚を突かれたトータが目を瞬かせた。補足説明する。
「私が欲しいもの」
 陶器人形のように固まってしまったトータを追い越して、私はさっさと市場の方角へ向かって歩き始めた。後ろから慌てた様なトータの足音が追ってくる。
 本当に、私がそれを欲しいのかは、実際のところよく分からなかったけれど。
 その顔を想像したら、少しだけ、十二月の風の冷たさが和らいだ気がしたから。 
 それは、私が欲しいものと思っても良いんじゃないだろうか?


 Fin.


 おまけ

「で、どうしてこの流れでブロッコリーを買い物籠に入れているんだい、ハナダ?」
「食べたいものの中に食べたくものを入れないとは言っていないもの」
「その時点で食べたいものが食べたくないものに変貌を遂げると思うんだけれどね」
「じゃあ、トータは食べないのね? 苦くて食べたくないから」
「……食べるよ、食べるともさ、ああ」 



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」

【12月6日は『ポルクの日』でした】
 該当日得票につき企画発動。「NAVIGATOR44」よりPOLK<ポルク>のSSです。


 ポンコツのココロ 

 
 モーターという名の無機質な心臓が、ウイイン、ウイインと、低く長い鼓動を刻んでいる。窓側全面ガラス張りの通路には外界からの光が差し込み、春の日差しが当たっているかのようにほんわりと明るい。
 大きく蛇行したツルツルの白く長い通路を、落し物でも探すかのようにゆっくりとうろついている。床から僅か数センチ、浮き上がった機体は滑らかな動きで床を滑っていく。そして、ある場所でピタリとその動きを止めた。ウイインをBGMに、どこからか生みだされたのはノイズ混じりの合成音。
『ナニカ ゴヨウハ ゴザイマスカ』
 横から不意に声を掛けられ、深緑色の制服に身を包んだ若い男は、怪訝そうに顔をしかめて「あ?」と返した。ちらりと声の主へ視線を送り、面倒くさそうにすぐに背ける。
「ないない、あっち行ってろ」
 片手で携帯端末の画面を操作し、目は画像データに釘付けのまま、彼はもう一方の手を蠅でも払うように振る。「行け」と命じておきながら、彼は自ら足早にその場を離れて行った。
『シツレイ イタシ マシタ』
 ぽつりと取り残され、ぽつりと落した。そしてまた、日の当たる廊下を彷徨い始める。
 くすんだ白で塗り潰されたドラム缶のような、円筒形の姿のそれ。背丈は人の肩ほどで、円周は人の腕がちょうど回る程度の太さ。
 オフィスサポーターと単純な名称がつけられたそのロボットは、寸胴な本体表面の随所が開閉可能であり、開いた隙間からアームを伸ばすことが出来る仕組みになっている。オフィスの中を常に巡回しては何かに困っている人間を見つけ、幾本ものアームで様々な作業を手伝ったり、頭部に映し出される立体映像で施設案内や作業説明を行ったりというのがこのロボットの仕事。
 時は西暦三千年間近。国家警察『ナビゲーター』総本部は天にも届く塔のような巨大な建造物である。迷うほど広い施設内を日々忙しく行きかうのは、勿論ナビゲーターの面々だけではない。彼らを助ける実に多種多様なロボットが、まるで本部を守る衛兵のように至るところに配置されているのだ。
 白い円筒形のロボットもその一つ。この施設が建設された時には最先端モデルと謳われていたこのロボットを、施設のお披露目と共に百体余り納入し、ロボットはその期待に答えナビゲーターを影から支え続けた。
 しかしそれももう、今は昔。
「良いから下がってて。他のタイプにやらせるわ、その方が早いもの」
 データ呼び出しに苦戦する、青い制服の女性に苛立たしく首を振られて、ロボットはしばらくじっとその場に待機していた。やがて女性が他のロボットに声を掛けたのを見届けて、ようやくその身体をそこからどける。
 通信機に向かって早口に指示を出しながら廊下を賭けていた赤茶の制服の男は、擦れ違いざま、ロボットを一瞥しただけで走り抜けていった。その背中に、やっと呼びかける声。
『ナニカ ゴヨウハ ゴザイマスカ』
 何千回、何万回と繰り返されただろうその言葉は、男が走り去った清潔な廊下をただ滑っていくだけ。
 窓際の手すりに寄りかかって、そんな様子を眺めている中年の男が二人いた。青と茶の制服を纏った男たちは、ロボットにも聞こえるだろう、何の配慮もしない声量で苦笑し合っている。
「あの旧式、まだ残ってたんだな。もう全部ぶっ壊れたと思ってたよ」
「何か御用は〜、は、ないよなァ。最新型でなくたって、今時、大概のロボットは人間の仕草だとか表情を自動感知して手伝いに来るってのに」
「無駄にデカイし、フォルムもダサイし、音も悪いし。あんな仕様じゃ、平坦な場所しか移動出来ないだろ? 通行の邪魔だってのに、いつまで置いとくんだかな」
「時間の問題だろ、あんなポンコツ」
 朗笑しながら窓際を離れ、男たちはあえてロボットの両側を挟むように抜き去っていく。ロボットが彼らについていこうとする前に、「用事はねぇぞ」とからかっていった。
『シツレイ イタシ マシタ』
 白い通路の真ん中に取り残されたロボットを。
 壁際の長椅子に腰かけて、膝に肘をつき、その上に頬を乗せ。ポルクはずっと見つめていた。
 紫の瞳は瞬きもしないで、口をすぼめて、明るい光の中に佇むロボットを観察する。その視線に気付いたわけではないだろうが、ロボットはやがて、ポルクの元へと近寄ってきた。ウィインと、ロボットの中で静かに優しい音がする。
『ナニカ ゴヨウハ ゴザイマスカ』
 声に合わせて、ロボット頭部の小さなランプが緑色に点灯する。口元を微笑ませて、ポルクはそのランプを覗き込むようにして言った。
「ディー……ボクの相棒がね。中で上官たちと話をしているんだけど、なかなか終わらないんだ。すっごく退屈」
 伸ばされたポルクの指先は、すぐ傍らにある扉を示していた。ピタリと閉じられた白い自動扉の中の音は、聞こえない。ロボットはポルクの指に合わせて頭部のカメラ部分をキュルリと回転させたが、すぐに戻した。命令ではなかったからだろう、何のアクションも開始する様子はなさそうだ。
 会話が始まるはずもない。じっとロボットを見つめていたポルクは、やがて背筋を伸ばし、両手を腿の脇に下ろして、まっすぐにロボットを見上げた。
「怒らないの?」
 ピカピカと。緑のランプがポルクの言葉を読み取るように点滅したが、返事はない。
「あんな風に言わなくても良いのにね。確かに、君より高性能のロボットはたくさんあるけど、それは君がいたからこそ生まれたロボットだよ。君が、君たちが頑張っていたから、役に立ってくれるって証明してくれたから。だからこそ君たちみたいなロボットが、もっとたくさん生み出されたんだよ」
 白い機体に、ポルクの顔が映り込んでいる。ピカピカ。ピカピカ。ロボットは何も言わない。構わず、ポルクは続けた。
「ボクはよく失敗するんだよ。いつでも物を壊しちゃうし、やりすぎちゃうし。でもね、ボクはボクをポンコツだなんて思わない。ボクが生まれたこと自体を誇りに思ってるから。ボクにも出来ることはたくさんあるんだって知ってるから」
 立ち上がった。場所を空けるように後退したロボットに正面から向き合って、言い含める様に。
「君はポンコツなんかじゃないよ」
 ウイイン、ウイイン、ウイイン。モーター音が響き続ける。顔のないロボットから流れ続ける鼓動。
 ポルクは小さく肩をすくめ、ロボットから視線を外して背中を向けた。窓際へと歩を進めようとした、その時。
『アリガトウ ゴザイ マシタ』
 そんな声が背中の向こうで聞こえた。一つ、目を瞬かせてポルクが振り返れば、白いロボットはゆっくりと、廊下の向こう側へと滑って行くところだった。
 振り返った姿勢のままで、ロボットがカーブの向こうへ消えるまで見送っていたポルクは、やがてその身体を元に戻す。小さく微笑む。
 何の音もしなくなった静かな廊下に、自分の身体が刻む幽かな鼓動が聴こえ続けていた。


 Fin.



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」

【12月8日は『アルトの日』でした】
 該当日得票につき企画発動。コラボ企画「ものかきギルド・ストーリー」よりアルト=ロングトーンのSSです。


 青髪の僧侶と床屋の話


 この手の中の体温が失われるまでの時間を知ってしまった。
 冬の午後の日差しが十字枠の窓から差し込んで、窓際の寝台を柔らかに照らしている。閑散とした小さな部屋は静かで、細い細い幽かな呼吸の音が、途切れ途切れにじわりと空気に溶け込んでいく。
 シーツの白が眩しい。寝台の上でほとんど判別できぬほど微弱に胸を上下させるのは、白鬢の年老いた女性。やせ細り、皺の目立つ首や落ちくぼんだ頬の色は陶器のように白く、薄く開いた唇はカサカサに乾燥している。深く閉じた瞼。もう彼女には、ほとんど何も見えていないだろう。
 骸骨のようになってしまった節だらけの右手を、両手でしっかり包み込む。まだ仄かに暖かい。けれど冷たい。
 冷え冷えとした木の床の上に両膝をつき、寝台の傍らに寄り添って老婆の顔を覗き込みながら、アルトはじっとただ、唇を噛んでいた。
 一年前に彼女の肺に現れた黒い影は、治療の甲斐もなく、老婆の身体を容赦なく蝕んで広がってしまった。アルトの魔法を持ってしても、彼女の身体を治すことはもう叶わない。痛みを和らげる努力すら、何の感覚もほとんど失われてしまった彼女には最早無意味だ。
 だから、両掌でその痩せ細った手を包み込んだ。せめて、彼女のこの手の暖かさが、少しでも長くここに留まり続ける様に。
 世話になった人たちを呼んでこようかと言ったけれど、老婆は皆にいらぬ想いをさせたくないと頑なに拒んだ。
 遥か昔に夫と別れ、女手一つで必死に育て上げた一人息子は、数十年前に家を飛び出してそれきり音信不通だ。
 今、この静謐な空間にいるのは、彼女とアルトの二人だけ。あまりに静かな、長い長い時間。
 アルトの背中の向こうには、綺麗に片付けられた彼女の作業場が、彼女の最期を見守っているかのように固唾を飲んでいる。しっかり者の彼女は、己の死期を悟り身の回りの物をきちんと整理していたが、あの作業場だけは、何も捨てられず残していたようだった。
 大きな鏡と、肘置きがついた回転椅子が二脚、背丈のある流し台、人一人をちょうど覆えるだけの白い大きな布、そして大小様々な櫛と剃刀、鋏。そう、彼女は床屋だ。人の髪を切るのが仕事だった。
 他に従業員を雇うこともなく、細々と、しかし確かな腕と長年の信頼で、この街に集う人々の髪を何十年にも渡って切り続けた。いつだってハキハキと元気で、威勢がよく、ついでに恰幅もよく、訪れる客の髪を切るついでに悩み相談に乗る。そしてあの、弾けるような笑顔で、髪と一緒に心のわだかまりも切り落としてくれるのだ。
 アルトがこの街を訪れてから、もう九年近くになるだろうか。来たばかりの頃、伸びた前髪を自分で切ろうとして見事に失敗した幼いアルトを、見かねたマスターがこの店に連れて来てくれた。以来アルトは、この店の常連になった。
 母を亡くしたばかりのアルトにとって、強く優しいこの床屋の主は第二の母のようだった。何度だって甘やかして貰った。励まして貰った。時に叱りつけて貰った。
 じわりじわりと、手の力が失われていく。彼女の呼吸が弱くなっていく。あの太った面影は、笑顔は、一体どこに行ってしまった?
 鼻の奥がツンと痛くなってきたのは、きっと寒さの所為なんだ。だから泣くな。彼女をしっかり送ってやるのが、自分が最期にしてやれる唯一のことなのだから。
 ぎゅっと握るその手に力が入る。身を乗り出したはずみで、背にかかっていた彼の青い髪が揺れた。首の後ろで一つに束ねた、腰近くまで伸びる長い髪。
 随分と前、街の若者の間で髪を伸ばすことが流行した。十代半ばだったアルトも背伸びをしてその真似をして、青い髪を無闇と伸ばし始めた。
 彼女は良い顔をしなかった。スッキリ切った方が良い男だよと、だらしなく伸びた長い髪をやたらと切りたがった。年頃のアルトには少しの反発心もあって、これが流行りなんだ、と撥ねつけた。顔をしかめて呆れながら、それでも彼女は、アルトの長い髪をばさりと切ることはなく、綺麗に整えるだけに留めてくれた。
 切らせろ、切らせない、という冗談混じりのやりとりが挨拶のようになって幾年かが経った。彼女に病気が見つかって、しかし仕事は止めなかった彼女の口癖は、「その髪を切るまでは死ぬに死ねない」に変わった。だからアルトは言い続けた。「切らせてなんてやるもんか」。
 彼女が鋏を握れなくなり、そして今日に至るまで、とうとう、髪を短くして貰うことはなかった。このやり取りを続けている間は、彼女は死なないのではないかと。そんな馬鹿げた希望を薄らと抱いて。
 髪が擦れる音が耳に届いたのだろうか。シーツの上に落ちる長い影が分かったのだろうか。
 ゆっくりと、細く目を開けた彼女。その瞳に映る青く長い髪。乾いた唇から声が漏れる。
「その髪を切るまでは、死ぬに死ねないよ」
 もう力も入らない顔の筋肉が、精いっぱいを出し切って笑った。真っ直ぐにアルトの目を見て、嬉しそうに、柔らかに微笑んだ。
 声が、息が詰まって、アルトは歯を噛みしめて老婆の手を握る。泣くな。泣くな。待ってくれ涙。この視界が滲んだら、もう、二度と彼女の笑顔なんて、だから。
 眠るようにその目を閉じて、彼女の時は止まった。
 残るわずかな暖かさも、アルトの手の中でやがて消えていった。


 彼女のいなくなった寝台の上に、夜の街の光が落ちる。
 何度も覗きこんでいた鏡の前に立って、無造作に青く長い髪をわし掴み、手にした鋏でぶつりと切った。左手に長い毛束を掴み、アルトは鏡に映る自分を見た。不揃いの汚い毛先と、泣きはらした不細工面。
「へたくそ」
 小さく口角を上げた。「だから切らせろって言ったんだ」と、彼女が呆れている気がした。
 何千、何万人もの髪を、悩みを、手際良く切っていた彼女の手だとしても。これだけは。貴女とのつながりだけは。
「切らせてなんてやるもんか」
 いつものように笑ったつもりでも、彼女の最期の笑顔に敵わない。


 Fin. 



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」

【12月17日は『トータの日』でした】
 該当日得票につき企画発動。「願望交換局」よりトータ=リーグマンのSSです。

※本編ネタバレ含みます。最終話まで読了されていない方はご遠慮くださいますように。


 I want !


「もう一度お聞かせ願っても?」
 気が付いたらそう頼んでいた。目の前で身体を縮みこませている女性は戸惑っている。それも致し方あるまい。これだけ単純な願いを、言い直せと要求されているのだから。
 何度も口にしたい文言ではないだろう。それでも彼女は少しの逡巡の後、声量をやや上げ、かつゆっくりと丁寧に願いを繰り返してくれた。
「もっと小さくなりたいんです。私、≪今より低い身長が欲しい≫んです」
 改めて聞かされ、トータは礼を失していると理解していながら、机を挟んだ向かいのソファに腰掛ける女性をまじまじと観察してしまった。
 おどおどと自信が薄そうな、その女性の年齢は二十代後半。鼻筋の通った綺麗な顔立ちとほっそりとした体形で、遠目に見て「お」と思う男も多いことだろう。
 しかし近くまで寄ってみると、大半の男性は声をかける気が失せるだろうことも予想がついた。大きいのだ。
 この店を訪れた時には扉で頭を打ちそうになったし、ハナダと並んでも頭一つ分以上の差がある。いくら細身だと言っても、上から見下ろされれば威圧感を拭い去ることは難しい。
「失礼ですが、貴女の身長は」
 恥いる様に俯いた彼女の答えは、センチ換算で百九十弱。成程確かに、女性としてはかなり高身長だ。少しでも小さく見せるためか、背中を丸めて縮こまる彼女はぽつぽつと零し始める。
「幼い頃から同い年の友達よりうんと大きくて、からかわれてばかりでした。大きくなっても、男性は私を見ただけで避けてしまいます。服や靴を探すのにも一苦労だし、高いところの荷物を下ろすのはいつも私の仕事。こんな身長、もう嫌なんです」
 話を聞きながらも、トータは上の空だった。座っていながらも己より遥かに高いところに存在する彼女の頭頂部を見上げ、女性の愚痴が途切れたタイミングで尋ねた。
「ちなみに、どれくらいの高さが貴女の理想なのかな」
 どこか不自然な抑揚に気付くことなく、顔を上げた女性は、はっとしたように羨望の眼差しをトータに送った。
「貴方くらいの身長になりたいわ」
 ぐらりと視界が揺らいだ。顔はいつも通りの薄笑みを浮かべたまま、トータの頭の中で言葉の洪水が発生する。
 落ち着け、冷静になれトータ=リーグマン。ハナダを元に戻すまでは、自分の時を取り戻すことは後回しだと誓っただろう。
 しかしこれは場合が違う。交換するのはあくまで身長であって、時の流れはそのままだ。つまり店の所有権とは何ら関係がなく、従って誓った内容とも無関係とは言えないか。
 慌てるのは禁物だ。彼女の願いでそうそう都合よく、己の身長が伸びてくれるものだろうか。
 だが考えてみろ。彼女の願いは低い身長であり、その交換相手を自分に指定するだけなのだから、間違いなど起きようはずがない。
 待て、これまでこの店で何を見てきた。考えなしに願いを交換した客がどうなったか知っているだろう。踵の裏からさらに足が生えてくるなんて目も当てられない事態になったらどうする。
 けれどそれだけではないだろう。成功例もあっただろう。願いと願いが巧く噛みあい、幸せそうに店を後にした客とて何人も見てきただろう。
 何か引っ掛かる。そうだ、彼女が相手に身長を「差し出す」と考えるならば、当然相手側も彼女に何かを「差し出す」ことになるはずだ。それは一体何だ。厄介なものを奪われる可能性もあり得はしないか。
 違う、考え過ぎだ。そもそも彼女が「高身長を捨てたい」と考え、相手が「低身長を捨てたい」と考えるならば、交換は見事に成立するではないか。何ら問題ないではないか。
 本当にそうなのか? 下手なことをしたら後戻りは出来ない。交換したものは二度と元には戻せない。自分が一番よく知っている。
 だがやってみなければ分からない。うまくいけば己のコンプレックスを一時に解消できる。こんな機会は二度と訪れないかもしれない。
 信じろ。だが騙されるな。何を? 何に? この店か、それとも自分自身か?
 ……長い長い思考の海を漂ったのは、時間にしてわずか数秒。
「そういうことならば」


 百五十センチに満たない、可愛らしい姿となった女性が、幸せそうな顔で繰り返し繰り返し頭を下げて店を出て行った。
 開け放たれた扉の向こうへ消えていく彼女の姿を、百五十センチに満たないトータが、魂の抜けた様な半端な笑顔で見送っていた。
 頭に浮かぶのは、交換を終える直前、トータの脳内へと流れ込んできた映像。
 どこの誰とも知らない元・低身長の青年は、百九十センチの長身を手に入れ、随分な男前へと変貌を遂げていた。


 事務所のソファにうつ伏せに身体を投げ出してクッションに顔を埋め、死体のようになったトータを、背もたれの向こう側からひょこりとハナダが覗きこむ。
「一体何を落ち込んでいるの?」
 怪訝そうに尋ねた彼女に、クッションの隙間からくぐもった返答が寄越された。
「ちょっと、自分の疑い深さと捻くれた性格に嫌気が差したところだよ」
 起き上る気力もないトータの鬱々とした気分に、ハナダのごく淡々とした短い一言が、駄目押しとなって圧し掛かる。
「今更?」


 Fin.



●第八回人気投票企画内企画「今日は誰の日?」 結果

×11.23 オイル
×11.24 ワカ
×11.25 山川健悟
×11.26 蛍夕
×11.27 ダンプ
×11.28 田中恭輔
○11.29 アトラス
×11.30 ラブ
×12.01 ピアニー
×12.02 連星
○12.03 ハナダ
×12.04 山川翔悟
×12.05 仲楯正和
○12.06 ポルク
×12.07 ロー
○12.08 アルト
×12.09 ゲン
×12.10 雪華
×12.11 キリー
×12.12 浦島太助
×12.13 ディー
×12.14 氷魚
×12.15 ハーブ
×12.16 マイク
○12.17 トータ
×12.18 レックル
×12.19 朱紫
×12.20 トット
×12.21 ルート
×12月22日 田中卓也



●第八回キャラクター人気投票関連座談会〜祝☆(もうすぐ)300票!〜

田中「田中君とぉ!」
アルト「『アルト君と』?」
ピアニー「……『ピアニー師匠の』」
田中「第8回『弦月の仮宿』キャラクター人気投票・300票達成間近記念コントぉぉぉぉ……もうヤダ、なんで皆こんなノリ悪いの!? 俺の叫びが虚しく木霊するこの感じ、もう卒業しよう!?」
アルト「いや、悪い、なんかいまいちノリが分かんなくて?」
ピアニー「これ卓也、己のやり方を他人に押し付けるでない。それぞれには各々心象というものがあるだろうに」
田中「うわーお、普通に謝られたり普通に叱られたりするのが新鮮だ……山川だったら『知るか』って一蹴されてるところだぞ」
ピアニー「それより卓也、三百票達成間近、と言ったかお主?」
田中「あ、うん、そう。現時点での総得票数が296票だからな、あと4票で300票達成だぞ! すげえよな、300っていったら100万のペルシア軍に勝てちゃう兵力だぞ!」
アルト「達成してからやれよこの座談会! もしこれでプッツリ投票がなくなったらどうするつもりだよ! ……ペルシア軍?」
ピアニー「残り十日を切っておるからな……今の調子ならば容易いようには思うが。何にせよ、三百というのは大した数字だな。ありがたいことだ」
アルト「そうだよな、前回の三倍も夢じゃないところまで来てるもんなぁ。ってことは、卓也、今日はその礼か何かだろ?」
田中「おうともさー! 今日は親愛なるお客さま方へきっちりお土産も用意してあるからな、皆様最後まで席を立たずにそのままお付き合いくださ〜い、さもなきゃ俺の熱視線ビームが火を噴くぜ☆」
ピアニー「土産とは用意周到なことだな。しかし、先から気になっておるのだが、この面子は一体どういう選定だ?」
アルト「あ、それ俺も気になってた! 卓也の代わりにトータだったら何回か集まってるけど、この三人って覚えがないよな」
ピアニー「作品部門も違えば歳も違うし、ふむ、共通点が見当たらぬな」
田中「うんまぁ、俺もね? 正直このメンバー、どこまでボケて良いのかどこまでつっこんでくれるのかイマイチ掴めなくて困ってるんだけどね?」
ピアニー「お主そこまで気を使ってぼけておったのか」
田中「あと、これ以上誰かさんと一緒にいるとモテ男撲滅委員会の仕事をしなくちゃいけない気にもなるんだけどね? 具体的には綺麗なおねーさんに『はい、あーん』して貰ったり、やっぱり綺麗なおねーさんに膝枕して貰ったり(未遂)、それに飽き足らず可愛い女の子とダンスパーチーとか、この野郎その青い髪一本残らずパゲっちまえとか思ったりするけどね?」
アルト「ピンポイント攻撃かよ!? 何なんだ、何で一日に二度も髪の毛について触れられてるんだ俺は!(※『白虹太陰』様カウントダウン企画参照) ……え、嘘、俺どっか薄くなってんの、後頭部ヤバイの!?」
ピアニー「ええい、落ち着かぬかアルト、どうもなっておらぬから安心しろ! このままでは話が進まぬ、さっさと疑問を解消せぬか、卓也」
田中「えー、分っかんねぇかな? じゃあヒントな。俺達は三人とも、作中で共通して『あること』をしています!」
二人「『あること』?」
田中「まぁ、作者もちゃんと調べたわけじゃないんだけど、二回以上『それ』をしてるのはたぶんこの三人だけだぞ? あともういっこヒントな。管理人が今日の企画にこの三人を選んだのは、『白虹太陰』さんの昨晩の企画を読んだからです!」
ピアニー「昨日、というと、あの小話か?」
アルト「……『三人共、作中で歌を歌う』?」
田中「ピーンポーン♪ アルトに金のヒ○シ君贈呈! ピアニー師匠ボッシュートです!」
アルト「いやいらねぇ」
ピアニー「ぼっしゅー……何の話だ? しかし、成程そうか。確かに作中で歌う場面が幾度も出てくるのは、この三人くらいのものだな」
アルト「ピアニーは大事なシーンによく歌が出てくるし、卓也は替え歌が得意だもんな。俺は、まぁ歌は好きだけど、そんなに歌ってたっけ?」
田中「証拠見せようか? キャワイイ女の子の隣で陶酔気味に歌唱してくださってるアルト君秘蔵映像とか……ギリギリギリギリギリ!(歯軋り)」
アルト「わわわわ、分ーかった、歌ってる! 確かに歌ってるから見せんなそんなもん!」
ピアニー「話を戻してよいか? ということは何だ、この三人で歌でも歌おうというのか?」
田中「そのとーり! 折角の作品ごっちゃまぜ企画なんで、今回は三人がそれぞれ、他の作品の歌をこの場で歌ってみよう! って企画なんだなこれが!」
アルト「ええええええ? 何だよそれ、聞いてねぇよ!」
田中「事後承諾です(※『白虹太陰』様 以下略)」
アルト「出た魔法の呪文!」
ピアニー「待て待て卓也、待たぬか。私とアルトの歌っておるものは創作故問題ないが、お主の歌は替え歌であろう。それを『卓也の歌』と称して我々が歌うのはおかしくはないか?」
田中「えー、駄目〜?」
アルト「……っていうか、その前に一つ言わせてもらいたいんだけど」
二人「?」
アルト「文字媒体でそれやって、一体誰が楽しんでくれるんだよ?」
田中「……」
ピアニー「……卓也、もう良いから、土産とやらだけでも出してくれ。いい加減文も長くなってきた」
田中「ここまで盛り上げたのに……仕方ねぇ、ハイこれ、おみや。手分けしてお客さんたちに配ってくれ、二人とも」
アルト「? 何だこれ、ディスク?」
田中「『弦月の仮宿』名曲集CD」
二人「……は?」
田中「いやぁ、苦労したんだぞこれ編集するの〜? 俺はその場で歌えば良いとして、二人のはあちこちの作品を飛び回って録音したりとかさ〜!」
ピアニー「……『(歌)スメルト=ピアニー 収録曲:ティリストの酒/旅立つ者へ/有りの実の歌/石工街歌/何処かの貴方へ/特別収録:蒼穹旅人』……」
アルト「『(歌)アルト=ロングトーン 収録曲:ソラウミ/サンタクロースのキミ/終わりと始まりを祝う歌(デュエット・ピアノ伴奏入)/特別収録:Our Happy Home!!(15名コーラス)』……!?」
田中「ちなみに、俺は大反響にお応えして! 『(歌)田中卓也 収録曲:血祭り運動会/化学記号の覚え方/夏の嫌な思い出/冬の嫌な思い出/いざサラダせんべい/腹黒山川ベイダー/あの素晴らしい田中をもう一度』となっております☆」
二人「いやいやいやいやいや!?」



●祝・「弦月の仮宿」八周年(目前)!

ポルク「ポルク&ピアニー&田中君と山川君の!」
田中「祝☆『弦月の仮宿』八周年(目前)記念座談会〜!」
ピアニー「って、またこの四人と炬燵か! 正月に同じ顔触れで揃ったばかりであろうに!」
山川「そしてまた目前か! なんでこう中途半端なんだよ、当日にやれよ!」
ポルク「『今度は連載小説主人公陣にやらせようかとも思ったんだけど、トータとレックルはともかく、あの黒髪地味3トリオを同時に登場させたら完全に混ざるし、ボケらしいボケもいないし面白くないから、もう同じメンバーで良いか』って管理人が言ってたよ」
ピアニー「そう言ってやるでない、あの三人もいい加減気の毒だ」
田中「『本当は明日の夜にパーっと盛り上げたかったんだけど、仕事関係の集まりの新年会に行かなきゃいけないし、今日もあんまり遅く起きてられないし』とも言ってたな」
山川「言い訳多いよな、ここの管理人」
ポルク「サイトのTOPもフライングで変える気満々みたいだしね。更新履歴は思いっきり6日にして」
ピアニー「少しは頑張らぬか、たかだか一時間くらい」
田中「『行く気全くなかったのに、うちの所属からの参加者が少なくてメンツに関わるとかメールが回ってきやがって、メンツなんか潰れりゃいいじゃんと思いつつ断りきれなくて渋々行くもんだから、なんかもう今から憂鬱だしサボリたいしあーちくしょー』とも言ってた」
山川「そんな露骨な心情語られてもこっちが困る」
ポルク「ねえ、そろそろ本題に入っても良い?」

 祝・「弦月の仮宿」八周年!

田中「ってなわけで! 2012年1月6日を持ちまして、当サイト『弦月の仮宿』は八周年を迎えました!」
ピアニー「これも偏に、普段より当宿を訪れ、御贔屓にして下さる皆様のご協力のお陰です」
山川「当サイトはこれからも、皆様に楽しんでもらえるよう誠心誠意、出来る限りの運営をしていきます」
ポルク「どうぞこれからも『弦月の仮宿』、そして管理人・秋待諷月を!」
全員「宜しくお願い致します!」
山川「……何のボケも挟まず挨拶が終わった、だと?」
ピアニー「ふむ、順調過ぎて不安になる型だなこれは。どうせこれからぐだぐだになるのであろう?」
ポルク「うわぁ、信用ないねボクら。っていうか管理人」
田中「だってもう八年もグダグダロード驀進中なんだぞ? 八年って長いぞ? 桃栗どころか猿蟹合戦ができちまうぞ?」
山川「柿が実を結ぶって例えか? まぁ、グダグダなのは否定しないが。こんな調子でよく八年も続けてるもんだよな」
ポルク「最初の二年くらいは版権が主だったけどね。でもグダグダ調子は八年間変わってないかも」
山川「今日の登場人物全員が洩れなく『グダグダ』と表現するくらいだからな、よっぽどだ。歴史だけは長いが、サイト内容も管理人も全く進化してないのが悲しいところだな」
田中「えー、でも八年だぞ? 管理人だって少しくらいは進歩してんじゃないのか? 確実に衰える若々しさと記憶力と体力と根性を犠牲にして」
山川「さりげなく酷いなお前」
ピアニー「ふむ、ではこの機会に、管理人が少しは成長しておるか確かめてみるとしようではないか」
ポルク「そんなこと出来るの?」
ピアニー「ほれ、ここに三枚の挿絵がある。それぞれ『NAVIGATOR44』『歪みの伝導師』『田中君と山川君』の記念すべきまとめ第一頁に添付された、現在は削除されておるものだ」
山川「え……ってことは、少なくとも六年以上昔に描いたイラストか?」
田中「挿絵を全消去したのって結構最近だけど、今来てるお客さんだと見てない人も多いかもな〜」
ポルク「懐かしいけど、そんなの出しちゃって平気なのかな。管理人が悶絶しない?」
ピアニー「構わぬ構わぬ、この機会に晒してやれ!」
田中「うわぁ、六年以上って、どんだけヘタクソ……」

<NAVIGATOR44 Act.1 挿絵>

全員「………………」
山川「……今とそんなに変わらな」
三人「わあああああああぁぁぁぁぁっ!?」
田中「山川ぁぁぁ、それ言っちゃ駄目ぇぇぇ! 八年もやっててほとんど進歩してないとかぁぁぁ!」
ピアニー「言っておる言っておる卓也!」
ポルク「うーん、線がやたらカクカクしてるし、今の方がマシとは思うけど……予想してたほどは変わらないね」
田中「あ、でも、ディーの線が大分歪だよな! 成長した、うん、成長したって!」
山川「いまいちフォローになってないぞ、田中」

<歪みの伝導師 第一章(上) 挿絵>

ピアニー「……今より頑張っておらぬか?」
三人「うわ言っちゃった」
ピアニー「いやだが、ほれ、素描こそ狂っておるが細かいところまで斜線を入れておるし、描けぬ割に頑張っておった感が」
ポルク「ピアニーさん、この頃から不思議髪形なんだね」
ピアニー「お主が言えた口か」

<田中君と山川君「予習をしよう!」挿絵>

ポルク「……あれ?」
ピアニー「……何やら違和感が……」
山川「そう言えば俺達、この挿絵で初めてビジュアルデザインが決まったんだよな。それまで一切外見設定なかったんだよ」
田中「そうそう! ちょっと違う雰囲気にしょうと試みて、だから山川の目がちょっと他のキャラと違うんだよな! 俺達の髪形がヘンテコリンなのもこの絵から始まったのか〜」
ポルク「あ、気付いた! 田中君の絆創膏が右頬!」
ピアニー「む、本当だ。絆創膏の形も今と違うな」
山川「この頃の挿絵を見直してみると、絆創膏の場所って特には決まってなくて、絆創膏の種類も毎回違ってるんだよな。いつから左頬固定になったんだ?」
田中「俺のこの左頬に選ばれし勇者の刻印が浮かび上がってからです」
山川「真顔で言うな」
ピアニー「盛り上がっているところ水を指すが、主旨が変わってきておらぬかお主ら?」
ポルク「……デッサンはマシになったんじゃない?」
田中「あー、うん。ちょっとは」
山川「ああ、多少は成長した、ってことで?」
ピアニー「引っ張り出しておいてなんだが、ここまで半端な状況になるとは思わなんだ……」
ポルク「はい気を取り直して! 管理人はほとんど成長してないけれど、それでもちょっとずつ良いものが出来る様になってきたと思いたいな」
田中「もっとお客さんたちに楽しんでもらえるよう! 喜んでもらえるよう! 俺たちみんなでサポートして頑張っていくからな!」
ピアニー「なお、人気投票〆切まではとうとうのこり二十五時間を切っておる! 現在の総得票数は三百六十七票、最後の一瞬まで皆の参加を待っておるぞ!」
山川「それじゃあ、最後の締めくくりといくか」
全員「いつも応援ありがとうございます、この先もどうぞ『弦月の仮宿』をよろしくお願いします!」













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