七万HIT記念企画「弦月の仮宿 御食事処メニュー開発会議」
2018.07.08〜10.18実施




●企画結果発表

リュー「それでは定刻となりましたので、これより、第二回『弦月の仮宿』御食事処メニュー開発会議を始めます。進行は毎度お馴染み、おれ、こと、リュー=ウィングフィールドです。どうぞよろしく」
ピアニー「こやつ、しれっと“お馴染み”などという単語を紛れ込ませおったぞ」
トータ「これを機に司会進行役に常任してしまおうという目論見だろうね。図々しいことこの上ないよ」
田中「てぇぇぇい、これ以上の強欲商人の横暴を許すな! 今こそ立ち上がれ群衆共、旗を掲げろ民主主義ぃぃぃ!」
リュー「(スルー)会議時間も限られていますので、早速議事に入ります。なお時間短縮のため、第一回会議の内容については、お手元に配布の議事録(企画概要ページ)をご覧ください」
ポルク「スムーズだね」
レックル「無駄がないね」
アルト「すでに何人か懐柔され始めてる……」
山川「とうとうこんな辺境サイトにまで効率化の波が」
リュー「さて、去る七月に実施された投票においては、全ニ十種のメニュー案に対し、計四十六票を投じていただきました。ご参加いただいた皆様には厚く御礼申し上げます。はい、せーの?」
一同「ありがとうございました〜!」
田中「Σハッ、うううう、巧いこと乗せられた!?」
山川「もう諦めろ、このまま乗っておけ」
リュー「投票結果を受け、オーナー、および、経営戦略部での検討を行ったところ、上位票数を獲得した九つのメニューを正式に採用することとなりました」
ポルク「オーナー」
レックル「経営戦略部」
ピアニー「初耳の単語がぽんぽんと出てきおるな」
トータ「詰まるところが、あのものぐさ管理人のやる気と相談した結果だろう」
リュー「おれ(経営戦略部)としては、メニューは豊富な方が集客が図れるから、ニ十種全部提供することを強く推したんだけどね。現実に料理を作るわけでもなし、オーナーさんさえ頑張って描けばそれで実現可能なんだし」
アルト「鬼かよ、経営戦略部」
レックル「でも、九種類ってことは、メニュー案のうち、半数近くは採用されたってことだよね? すごいすごい、どの料理が選ばれたのか楽しみだなぁ!」
田中「“田中君の元気いっぱいカレーライス”とか“田中君のほっこり卵焼き”とか、“選べる田中君スペシャルランチセット(ドリンク付 +二百円でデザート付)”とかは採用されたよな?」
山川「ありそうでなさそうなメニュー案を捏造するな」
リュー「では、正式採用メニューを発表する前に、残念ながら不採用となったメニュー、及び、そのイメージキャラクターを紹介させていただきます」



●不採用メニュー

得票なし
・お茶漬け

◇イツキの「わびさびワサビ茶漬け」(extra-I'sT)

イツキ「私のメニューは不採用ですか……しかもゼロ票だなんて」
リュー「あらら。全ニ十種のうち、唯一の得票なしメニューになっちゃったね」
ヒュウガ「おーいおいおい、な〜にしてんだよイツキぃ、しっかりしてくれよ〜」
イツキ「うう、無念です。ヒュウガさんでさえ票が入っているらしいのに」
ヒュウガ「ちょい待て、俺で“さえ”ってなんだよ。慰めてやらねぇぞ」
イツキ「ヒュウガさんの慰めなんて間に合ってます」
リュー「まぁまぁ。票が入らなかったのはあくまでメニューであって、イツキの人気がないってわけじゃないんだし。インパクトが足りなかったってことにしておこうよ」
ヒュウガ「緑+白+黒のカラーイメージだったんだよな?」
リュー「落ち着いた雰囲気は確かに似合ってるよね」
イツキ「他のメニューは洋食が多かったから、さっぱりした和風のメニューがあると良いと思ったんですけど」
ヒュウガ(試食中)「うーん、イツキに似てワサビが効き過ぎなんじゃね?」
イツキ「余計なお世話です(ピリッ)」



10位(1票)
・味噌汁定食
・サラダパスタ
・オレンジケーキ
・マロウティー
・クラブハウスサンド
・フレンチトースト
・ホットドッグ
・フルーツポンチ
・クリームソーダ
・しろむすび

リュー「はい、得票数1票でずらっと横並びー。それでは順に、イメージキャラクターの紹介と併せて詳しく見ていきましょう」


◇ゲン兄さん&キリー姐さんの「おかわり自由! 日替わり味噌汁定食」(NAVIGATOR44)

リュー「おれ、これは上位に食い込んでくると思ってたんだけどな。どのキャラか一発で分かる数少ないメニューの一つだし」
ゲン「っつーかコレ、オレとキリーのコンビでのメニューになるのかよ? そんなのアリ?」
リュー「一品につき一キャラだなんて誰も言ってません。二人揃ってこそのmiso-soupでしょ」
キリー(試食中)「この男と当然のようにセットにされるのは甚だ不愉快だ。メニューの再考を要求する」
ゲン「食いながら言うな」
リュー「キリー単独イメージのメニューなんて提供したら、食中毒必至でしょ。営業停止処分にでもなったら堪らないじゃない」
キリー「ぐ、否定できん……」
ゲン「それはともかく、不採用か〜。他のメニューは腹持ちしなさそうなものばっかりだし、おかわり自由ってのがミソだったんだけどなぁ。メニューが味噌汁なだけに」
キリー「くだらん。寒い。熱い味噌汁のおかわりを寄越せ」
ゲン「へーいへい。火傷すんなよ」
リュー「仲がよろしいことで」


◇ビクスの「野菜と薬草たっぷりのサラダパスタ」(歪みの伝導師)

リュー「サラダは何となく分かるけど、何であえてサラダパスタ?」
ビクス「金髪からの連想でしょうね。野菜だけでは味気がないですし、少し変化球を狙ったのでは?」
ピアニー「野菜だけだと? ビクスお主、これは本当〜に野菜と麺だけか? 他に何か入っておらぬか?」
ビクス「気の所為じゃないですか?(にこっ)」
ピアニー「しれっと誤魔化すでない、あの品書きは何だ!」
トット(試食中)「ししょぉぉぉ、これなんか、苦い草がいっぱい入ってるよぉぉぉ」
ピアニー「吐き出せトット、“毒と薬は紙一重”だとか言って、毒草が紛れ込んでおってもおかしくないぞ!」
ビクス「やだなぁピアニーさん、毒なんて入ってないですよ……致死量までは(ぼそっ)」
ピアニー「お主、もう一度言ってみろ!」
トット(試食中)「変な味の野菜もいっぱい入ってるよぉぉぉ」
ピアニー「ならば食べるのを止めぬかーっ!」
リュー「二件連続で営業停止処分懸念事案はやめてくださーい」


◇田中君の「おひさまいっぱい☆オレンジケーキ」(田中君と山川君)

山川「敗因はネーミングセンスだな」
田中「ほがあああぁぁぁ、不採用ぉぉぉ!? っていうか、投票時にはネーミングは関係なかっただろぉぉぉ!」
リュー「これたぶん、卓也のメニューだって予想できたお客さん、ほとんどいないと思うな。カレーだったら確信持てたんだろうけど」
田中「だってさぁぁぁ、オーナーがさぁぁぁ、カレーじゃあまりに分かりやす過ぎてつまんないって言うからさぁぁぁ!」
リュー「ちなみに晴れて商品化が実現した場合、ケーキを卓也の髪形を模した形にカットして、絆創膏をイメージしたカードを飾るつもりだったらしいよ」
山川(試作中)「こんな感じか?」
田中「うわぁぁぁん、不採用になったメニューの試作品なんか作るなよ山川ぁぁぁ! どうせ採用して貰えないんだから、こんなケーキ、こんなケーキなんか、俺一人で丸ごと食べてやるぅぅぅぅぅウンマァァァァァイ!」
山川「よし、こいつの口がケーキで塞がっているうちに会議を続けるぞ」
リュー「スムーズな議事進行に感謝です」


◇ハナダの「静かな青のマロウティー」(願望交換局)

リュー「お客さんからすれば恐らく、“マロウティーって何ぞ?”ってところからだよね」
トータ「ブルーマロウの花で淹れる、青、紫、桃色の三色に変化するハーブティーだね。その色から、“夜明けのハーブティー”とも呼ばれるそうだよ」
ハナダ(試作中)「このお茶のことね」
リュー「おお、きれい」
トータ「綺麗なことは確かだし、ハナダに似合いだとも思うけれど、何故このメニューが提案されたのかに興味が湧くところだね。色が変化するミステリアスさが、ポーカーフェイスなハナダのイメージ、だとかいう理由かな」
リュー「ハナダと言えばお茶。ハナダのイメージカラーと言えば青。“お茶 青い”でキーワード検索した結果だそうで」
トータ「安直過ぎる」


◇レックルの「具だくさんクラブハウスサンド」(ノンフィクション)
◇ローの「フレンチトースト キラキラフルーツ添え」(ノンフィクション)
◇アトラスの「何かの肉のチリソースホットドッグ」(ノンフィクション)

リュー「『ノンフィクション』トリオがずらっと揃ったね。パンを使った食事メニューばかりなのは、同作品で統一したんだろうね」
ロー「な、全員不採用だって? ああもう、だから言っただろう、もっと華やかで洒落たメニューでないと駄目だって」
レックル「自分は逆に、もっとお腹が膨れそうなメニューの方が良いって言ったのに」
アトラス「そーそー。なのにローが、こんな見た目ばっかりの、フワッフワで腹に堪らなそうなメニューをゴリ押しするからさ〜」
ロー「ゴリ押しとは何だ! 大体君ら二人の考えるメニューと来たら、見るからにゴツくてテカテカと味の濃そうな、肉々しい料理ばかりだったじゃないか!」
レックル「じ、自分は野菜もちゃんと入れたよ! 緑と白と茶色が自分のイメージカラーだって言うし」
ロー「明らかに茶色の割合が多いだろう。肉がパンに収まりきらずにはみ出してるじゃないか」
アトラス「俺は赤と茶色がイメージだから、これで合ってるだろ?」
ロー「君はそもそも、その不審な肉の正体を明らかにしろ!」
リュー「はいはーい、内輪揉めは議場外にてお願いしまーす」


◇裏葉の「二色のメロンとサイダーの弾けるフルーツポンチ」(異世界管理局第150支部)

裏葉「あれれ、俺も不採用? ちぇー、自信あったんだけどな〜」
リュー「二色のメロンというと、橙色と黄緑色? なるほど、それっぽいね」
裏葉「えへへー、パインや丸くくり抜いたスイカも入ってるんです、美味しそうでしょ? サイダーとガラスの器は雨合羽のイメージで、オマケにモーさん型のマドラーと、器のフチにはキャメルさん型のフィギュアがぶら下がってるんですよ!」
リュー「ほー、随分しっかりした企画書だね。裏葉が考案したにしては」
裏葉「会議でプレゼンするって言ったら、紅さんやミントさんがばっちり手直ししてくれましたから! むしろ九十九パーセント二人の仕事です!」
リュー「まさかの本人申告による不正発覚」
裏葉「ちなみに俺の最初の提案は、モーさんをイメージした“プニプニもったりBIGグレープグミ”だったんですけどね。どうですかこの試作品、なかなか良い再現度じゃないですか?」
リュー「当店をモンスターカフェにする方針はありません」


◇ソースケの「スッキリまったりクリームソーダ」(extra-I'sT)
◇ヒュウガの「しろむすびシンプルイズベスト」 (extra-I'sT)

ソースケ「俺たちのメニューも却下か、残念だったねぇ(ソーダずずー)」
ヒュウガ「くっそ、たったの一票じゃ、イツキのこと言えやしねぇ(しろむすびモグモグ)」
リュー「こちらの二人は色のイメージかな。ソースケのクリームソーダは分かりやすいけど、ヒュウガはパッと結びつかないね」
ヒュウガ「俺はイツキと揃えて和食になったらしい。あと、日本男児〜って感じの潔いイメージな!」
ソースケ「へえ、そうだったんだ? 俺はてっきり、“やる気なさ過ぎて具を入れるのすら面倒くさい”ってイメージだと思ってたなぁ」
ヒュウガ「……いやいやいや、俺に限ってまさかそんな」
リュー「全てを物語る、“シンプルイズベスト”」
ヒュウガ「いやいやいやいや!?」



リュー「さて。得票1票以下のメニューだけで半数以上を占めたので、これ以降の得票2票超えメニューについては、めでたく全てが正式採用となりました。はい拍手ー」
一同「おお〜!(パチパチパチパチ!)」
ポルク「残ったメニューは九つだよね?」
ピアニー「ふむ、まだ登場しておらぬ主人公が相当数いるようだが」
山川「人気投票上位常連の面々もいそうだな」
トータ「そもそも、今回のメニューのイメージになっているキャラクターが誰かは公表されていないからね。予想外のキャラがいてもおかしくはないよ」
アルト「え……ここまで出張って来て、まさか自分のメニューがないなんてこと、ねぇだろうな……?」
リュー「それでは皆様お待ちかね。得票数下位から順に、正式採用メニューの実物を、イメージキャラクター本人に運んできて貰いましょーう」
一同「運んできてもらう?」



●採用メニュー


※以下、ブログ掲載では画像付でしたが、2018.10.20より、web拍手のお礼画像として掲載しています。


9位(2票)
・トロピカルジュース

◇トットの「真夏の空のトロピカルジュース」(歪みの伝導師)

リュー「採用メニュー一品目は、青・白・黄のカラーリングと、元気溌剌さをイメージした、こちらのドリンク」
トット「はーい、お待たせしました! やったよししょー、僕、採用されたよ!」
ピアニー「おお、良かったではないかトット! しかしお主、その格好は一体何だ?」
トット「えへへ、どう、似合ってる?」
リュー「今回正式に採用されたメニューについては、そのイメージキャラがウエイターとして料理を運んでいる図が描かれたコースター(風イラスト)を用意いたしました。ここがオーナーの頑張りどころだったね」
ピアニー「ほほう。なかなかどうして、様になっておるではないか。だが頭に載せて運ぶのは止めぬか、見ていてひやひやするではないか」
トット「僕が見えるように持ったら、お客さんに届く前に自分で飲み干しちゃうじゃない」
ピアニー「……賢明な対処であったか」



7位(3票)
・ライムミントソーダ
・パンケーキ

◇リューの「光風薫るライムミントソーダ」(Good Day Good Departure)

リュー「ちゃっかりと採用メニュー二品目。清々しい初夏の空気をイメージした炭酸の爽やかな喉越しを、どうぞお楽しみください」
アルト「自分で“ちゃっかり”とか言うなよ。まぁ、お前がこの手の企画で選外になるとは思えなかったけどな」
リュー「投票期間がちょうど猛暑に重なってたから、清涼感だけでも十分に票が集まったっぽいね。してやったり」
アルト(試飲中)「お、美味い美味い。見た目は無色透明だけど、飲んでみるとしっかり刺激があるってあたり、リューらしいっちゃらしいのかなぁ」
リュー「炭酸水製造機はポルクたちの協力を得て自力制作済み、二酸化炭素ボンベとライムとシロップは安く大量に仕入れるルートを確保済み、ミントは宿の裏の畑で爆発的に増殖したものが採り放題。コスパに関しては他のメニューの追随を許さない自信アリだよ」
アルト「前言撤回、リューらしすぎるメニューだった」
リュー「お褒めにあずかり光栄です」


◇リンカの「花咲くキャラメルパンケーキ」(extra-I'sT)

リュー「採用メニュー三品目は、女性メインキャラが尽く選外になる中で見事にランクインし、“女の子のイラストが描ける……!”とオーナーを歓喜させたこちらのデザート」
リンカ「はーい! パンケーキをご注文のお客様、お待たせいたしました!」
ソースケ「わぁ、良かったねぇリンカ」
リンカ「えっへへへ〜! 頑張って“いんすたばえ”なデコレーションにした甲斐があったかな?」
ソースケ「うんうん、パンケーキもリンカも可愛い可愛い。ところでリンカ、“いんすたばえ”って、何のことか分かってる?」
リンカ「もちろん! “即席で蠅が寄ってくるくらい美味しそう”ってことでしょ?」
リュー「……いんすた(んと)ばえ」
ソースケ「わぁ、俺の予想通りの答えが返ってきたなぁ」
リュー「何度でも言いますが、風評被害が出そうなコンセプトでのメニュー提案はやめてくださーい」



4位(4票)
・巨峰とマスカットのゼリー
・ノンアルコールサングリア
・グリーンティー

リュー「それではここで特別ゲストのご来店です。相互サイト『西色綺譚』様より、白銀さんにお越しいただきました。ようこそいらっしゃいませー」
白銀「お邪魔するよ。ふふ、随分と賑やかで楽しそうな宿だね」
ピアニー「……白銀? 白銀ではないか! なんと驚いた、まさかお主とここで相まみえようとは」
白銀「やあ、ピアニー。久しぶりだね、元気にしていたかい?」
ピアニー「ああ、私もトットも変わりないよ。お主こそ息災であったか?」
リュー「銀髪コンビの話が弾んでいる間に補足を少し。今企画ではおまけイベントとして、メニューを試食していただく他所サイトからのお客様を募集しました。また、白銀さんとピアニーの関係については、サイト四万打キリ番リクエスト小説・『黄昏白銀−タソガレシロガネ−』をご覧ください。以上、補足と番宣おわり」
ピアニー「そういうことだ、白銀。積もる話はあるが、まずはこの品書きから、どれでも好きなものを注文するといい」
白銀「ありがとう、それでは遠慮なく。うーん、どれも魅力的だけれど、そうだな、このゼリーをいただくとしようか」
リュー「ご注文は『巨峰とマスカットのゼリー』をお一つですね?」
ピアニー「ほう、甘味を選ぶか」
白銀「うん、甘いものは好きだし、何より果物のデザートで、一工夫してあるものは良いね! 夜食とかにあると元気がでそうだ
リュー「採用メニュー四品目、オーダー入りましたー」

◇ポルク&ディーの「近未来都市のグラスゼリー」(NAVIGATOR44)

ポルク「はーい! ブドウのゼリーをご注文のお客様、お待たせしまし……?」
ディー『余所からのゲストで俺たちを指名するっていったら、嫌な予感しか……?』
一同「…………」
ポルク「……ディー、ボクのメモリにはデータがない人だよ?」
ディー『……これはどうも、俺たち、お呼びでなかったんじゃないか?』
ピアニー「お主ら、二人で一皿の扱いであったか。色やら葡萄やらで、私と勘違いした者が出ておるようだぞ」
ポルク「え、そうだったの? 巨峰の紫がボクの瞳、マスカットがディー本体のイメージだったんだけど」
ディー『もう一つの候補はゴッツいシリンダーに封入された蛍光黄緑色のメロンジュースだったから、それは全力で却下したんだが』
ポルク「Σ何それ、ディー、ボクそっちの方が良かった!」
ディー『良いわけないだろ、客の食欲が失せる』
ピアニー「お呼びでないなどと言っておらぬであろうに。誰の料理であろうと、気にするような狭量な客ではないよ。そうであろう、白銀?」
白銀「ああ、もちろんだよ……うん、爽やかな甘さで、とても美味しいね。このメニューで間違いなかったよ」
ポルク「よ、良かった、良いお客さんだった! 改造されそうになったりしなくて良かった!」
ピアニー「お主ら、普段一体、客人とどんなやり取りをしておるのだ」
ディー『想像に任せる』
白銀「ところで、ピアニー、君をイメージしたメニューがどれなのかも気になるな」
ピアニー「む、私か?」

◇ピアニー師匠の「宵闇空のノンアルコールサングリア」 (歪みの伝導師)

リュー「採用メニュー五品目、ポルク&ディー以上に、自らお客様を惑わした罪深い一品がこちら」
ポルク「ノンアルコール」
ディー『ノンアルコール』
白銀「ピアニーのメニューなのに」
トット「ししょー、どうしたの? 再三の二日酔いで流石に懲りた? それとも肝臓でも壊したの?」
ピアニー「ええい、皆して疑念の眼差しを向けるでない! 私が一番尋ねたいわ、何故あえて酒を回避したのだ!」
リュー「全年齢対象サイトだから」
ピアニー「一文で片付けおった……」
リュー「この一文が全てだからね。ちなみにサングリアは、フルーツを漬け込んだワインカクテルのことだけど、こちらで提供するものは赤ワインを葡萄ジュースで代替しております」
ピアニー「物足りぬ」
トット「飲むのはししょーじゃないんだから良いじゃない」
ピアニー「ぐっ……ならば、折角だ、白銀。こちらも賞味してはもらえぬか?」
白銀「おや、良いのかい?」
ピアニー「無論だ。その代わり、今度はお主の国の、あの居心地の良い店で、しっかり酒を奢って貰うからな。心しておくが良い」
白銀「おや、それは大変だ。楽しみに覚悟しておこう」

(『西色綺譚』/「Crest Red−紅い翼−」より、白銀さんをお借りしました。太字の台詞は送っていただいたメッセージです)

リュー「さて、特別ゲストにがお帰りになったところで、採用メニュー六品目のご紹介」


◇トータの「緑雨の窓辺のグリーンティー」(願望交換局)

トータ「お待たせいたしました、ご注文のグリーンティーです」
リュー「へー。それ、トータのメニューだったんだ。強いて確認するけど、それ、グリーンティーなんだよね?」
トータ「何やら含みがあるようだね。これが僕をイメージしたメニューだとして、何か問題でもあると」
ハナダ「グリーンティーと言っても、ちゃんと砂糖が入れてあるし、クリームもシロップも甘いから大丈夫よ。トータでもちゃんと飲めるようにしてあるわ」
トータ「……ハナダ?」
ハナダ「なあに」
トータ「僕は確か、僕のイメージで作るのならば、砂糖抜きのほろ苦い味にすべきだと企画書に」
リュー「オーケー、なら問題なし。ちゃんとトータのイメージ」
トータ「異議を申し立てる」
リュー「ちなみにトータは最後の最後までメニューが決まらず散々悩まされた上、最初に着せたソムリエエプロンが死ぬほどしっくりこなくて、別の衣装を急遽発注する羽目になったので、オーナーは大変に恨んでおり、『ぶっちゃけメニューをお子様ランチにしてやりたかった』と申しております」
トータ「そんなオーナーなど辞めさせてしまえ」



2位(5票)
・ブルーベリーチーズケーキ
・ホワイトシチュー

◇山川君の「読書の秋のブルーベリーチーズケーキ」(田中君と山川君)

リュー「採用メニュー七品目は、甘さ控えめのこちらのデザート」
山川「お待たせしました、ブルーベリーチーズケーキです」
田中「ハイ来ましたよ山川が! シャレオツ気取ってウエイトしてきましたよ! 俺を差し置いて一人だけちゃっかり採用されやがりましたよぉぉぉ!」
山川「俺がお前を差し置いたんじゃない、お前が勝手に取り残されたんだ。味見するか?」
田中「うわあああぁぁぁ! こんなケーキ、こんなケーキなんか、俺一人で丸ごと食べてやるぅぅぅぅぅウンマァァァァァイ!」
山川「この手が使えるのもこれが最後だからな、今のうちに議事を進めてくれ」
リュー「毎度ご協力感謝です。あと健悟、ギャルソン服似合うね。店の売り上げに貢献してくれそうで頼もしい限り」
山川「いや、俺はキッチンで調理係に徹する」
リュー「そう言わず、是非とも二足の草鞋でお願いします。ちなみに卓也と健悟は、二人ともケーキメニューで揃えたってことなんだよね?」
山川「まあな。結果的に、田中も俺も、キャラといまいち結びつかないメニューになったわけだが」
リュー「メニュー名の当初案は『中までベリーぎっしり☆腹黒ブルーベリーチーズケーキ』だったから、それなら一発でキャラが確定出来たんだけどね」
山川「誰だ、そんな名前考案しやがったのは」


リュー「それではここで、二人目の特別ゲストのご来店です。相互サイト『白虹太陰』様より、現在ブログ連載にて絶賛悪役好演中、口も態度も軽薄な捻くれ剣士ヤマトさんにお越しいただきました」
ヤマト「よ、邪魔するぜ。いきなり結構なご紹介に預かり光栄だな、ここの接客どうなってんだ」
リュー「ご愛敬ご愛敬。そんな時間潰しの間に、ほら、お待ちかねの店員の到着だよ」
アルト「ヤマト! わざわざ来てくれたのか、ありがとな!」
ヤマト「よぉアルト。わざわざ来てやったぜ、感謝してサービスして崇め奉れよ」
アルト「いや、感謝とサービスはしても崇め奉りはしねぇ。で、どのメニューでも頼んで良いらしいけど、どうする? 何が食いたい?」
ヤマト「そーだなー。そういや風の噂じゃ、お前ついに『鼻からプリンを食べて耳から牛乳を飲む』らしいな。オーダーそれで」
アルト「どこから吹いた風だ!? あってたまるか、そんなメニュー! そんでオーダーしてんじゃねぇよ!」
ヤマト「またまたぁ、冗談キッツイぜ。お前のコラボメニューなんてそれ一択なのに
アルト「お前の方が冗談キッツイだろ! なんだその最悪な絵面のコラボメニューは、ここはいつから店員の拷問ショーを提供する宿になったんだ!」
ヤマト「今この瞬間から」
アルト「帰れ、モンスタークレーマー!」
ヤマト「え、マジでないの? 仕方ねぇ、じゃあホワイトシチュー食おうぜ。お前好きだろ
アルト「マジでねぇよ! ……って、え?」
リュー「ご注文は、採用メニュー八品目の『ホワイトシチュー』を……お二つですね?」

◇アルトの「雪の降る日のホワイトシチュー」(ものかきギルド・ストーリー)

アルト「……お待たせしました」
ヤマト「お、来た来た。って、何だよアルト、いつにも増して変な顔して。どれでも頼んで良いんだろ?」
アルト「いや、そうなんだけど……誰がいつも変な顔だ。っつーか、俺、お前に言ったことあったっけ? シチューが好きだってこと」
ヤマト「あー……うちの料理人が、んなこと言ってたなぁ、と。で、食うんだろ? ぼーっとしてると冷めちまうぜ」
アルト「あ、ああ。そう、だな。じゃあ俺も」
ヤマト(試食中)「まー、ギルドの味には敵わねぇが、及第点なんじゃねぇの」
アルト(試食中)「ったく、普通に美味いって言えばいいだろ。素直じゃねぇなぁ」
リュー「ちなみにアルトのシチューの代金は、アルトのお給金から引いておくので」
アルト「ぐっ、ちゃっかりしやがって……って、給料出るのかよ!?」
リュー「なお、ヤマトとアルトとシチューの話については、『ものかきギルド・ストーリー』企画作品・『白い僧侶と神様の話』をご覧ください」
アルト「番宣ねじ込むな!」
ヤマト「『白虹太陰』ブログにて好評連載中、『とある剣士』シリーズも宜しく」
アルト「お前も便乗してんじゃねぇ!」

(『白虹太陰』/「ものかきギルド・ストーリー」より、ヤマトくんをお借りしました。太字の台詞は送っていただいたメッセージ(一部変更あり)です)


リュー「さて、これで全二十メニュー案のうち、十九品の紹介が終わりました。残るメニューはあと一品」
ピアニー「む? 主だった面々は、もう全員出揃ったような気がするのだが」
ポルク「少なくとも、ヒーロー・ヒロインポジションのキャラは、全員出てきたよね」
アルト「まだ出てきていなくて、今回エントリーしていそうなキャラって……?」
田中「『田中卓也』『山川健悟』単独メニューとは別に、『田中君と山川君』メニュー枠があったりする?」
山川「あったりしねぇ」
トータ「最後まで残ったメニュー案と言えば、『あれ』だけれど」
レックル「誰のイメージなのか、ピンとこないね?」
リュー「それでは満を持して、採用九品目にして、獲得票数第一位メニュー、オーダー入りまーす」


1位(7票)
・抹茶と和菓子のプレート

◇圭太&撫子の「抹茶と和菓子の春色なごやかプレート」(学園パロディ企画)

圭太「大変長らくお待たせいたしました!」
撫子「『抹茶と和菓子の春色なごやかプレート』、お持ちしました!」
一同「……えええええぇぇぇぇぇ!?」
田中「ま、牧吉に佐倉ぁ!? ちょっと待って、コレどうなってんの、どうもお久しぶりです!?」
圭太「いやぁ、俺たちもびっくりしたよ、なぁ撫子?」
撫子「ね、驚いたよね圭太くん。いきなり話が降って湧いたんだもん」
山川「言っちゃ悪いが、この二人がエントリーされてたことにも驚いたし、その上一位に出てくるとはな」
リュー「ここで補足という名の、オーナーの言い訳をば。メニュー案リストアップに際し、キリ良く二十品にしようと決めたは良いものの最後の一品が思いつかず、急遽白羽の矢が立ったのが、この幼馴染コンビだったそうで」
ポルク「その急ごしらえメニューが、結果的に第一位に?」
リュー「誰よりオーナーが一番意外だったみたいで、圭太と撫子の描き方をすっかり忘れていて相当焦ったらしいよ」
ピアニー「いつものことだが、色々と酷いな」
トータ「やはりオーナーの座を潔く退いて貰った方が」
レックル「でも二人とも、その衣装似合ってるね! それにお菓子もすごく美味しそう」
アルト「確かに、すっげぇ豪華……ってか、それ、プレートじゃなくて重箱だろ!」
圭太「だって、プレートたった一枚きりじゃ、撫子が満足できるはずないだろ?」
撫子「えへへ、考えてるうちにどんどん数が増えちゃって」
田中「詐欺だぁぁぁ、狡いぞお前ら! お前らだけそんなボリューミーなメニュー出してきやがって!」
山川「つーか、提供側である佐倉の腹事情を勘案するなよ」
リュー「あとこのメニュー、一体いくらで提供するつもりなの。利益が出るような価格設定にしやら絶対売れないし、会計として到底看過致しかねます」
アルト「ついに司会から苦言が……」
圭太「まーまー、今回はあくまで試作なんだし。まずはお客様に喜んでもらうことが第一、だろ?」
撫子「このプレートも、他の料理も、お客さんたちに喜んでもらえると良いね!」
山川「綺麗にまとまりそうな流れになったな」
田中「騙されるな皆ぁぁぁぁぁ! こいつらの笑顔は、俺たち不採用メニューキャラの涙の上に成立してるんだぞぉぉぉぉぉ!」
リュー「さて、以上で全てのメニューの紹介と議事が終わりました。なお、今回制作された九枚のコースターについては、宿の室内(サイトweb拍手のお礼画面)に暫く飾られる予定です」
レックル「そうなんだ、すごいすごい!」
ポルク「完全に話をまとめにかかったね」
トータ「議事とは結局なんだったんだ」
ピアニー「これ以上突っ込むでない、あとが怖いぞ」
リュー「以上を持ちまして、『弦月の仮宿』御食事処メニュー開発会議を終わります。参加してくださった皆様、試食会にお越しくださった皆様、はい、せーの?」
一同「ありがとうございましたー!」
リュー「次回、あるかもしれない八万HIT記念企画を、どうぞお楽しみに」



 たくさんのご参加ありがとうございました!








[ IndexAbout ]

inserted by FC2 system