第十回バレンタイン企画
2015.01.13〜02.10実施




●企画概要&企画結果発表


仲楯「第十回・『弦月の仮宿』バレンタイン企画結果発表〜! この企画は、アンケートを利用して「田中君と山川君」の二人、及びその他創作キャラクターにチョコを贈ろうというものです。投票は一人何票でもOK、総獲得チョコ数は48個でした!」
田中「ふぉっふぉっふぉ、とうとう俺がお前にINDOを渡す日がやって来たようだな山川よ! こちらにおわすこの俺をどなたと心得る! 頭が高い、控えおろう山川ぁぁぁ!」
山川「それ引導じゃなくて印籠な。意味分からずに使ってるだろ、お前。あと、今回仲楯が司会なのはまたどうしてだ?」
仲楯「それはあとからのお楽しみってことで。それでは早速、結果の発表に移ります!」



●結果

 田中チョコレート獲得数:19コ
 山川チョコレート獲得数:11コ


田中「お……おおお……!」
山川「お?」
仲楯「おお?」
田中「おおおおお俺の完全勝利いいいいいぃぃぃぃぃ!」
山川&仲楯「「以上、第十回『弦月の仮宿』バレンタイン企画結果発表でした!」」
田中「え、ちょっと、ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!?」

(その他キャラクター獲得数)

 ピアニー:7個
 アトラス:5個
 ロー:3個
 裏葉:3個

ピアニー「ふふふ、卓也と健悟は別扱いとしても、やはり一番人気は私か!」
アトラス「お、何か知らねぇけど、俺もたくさん貰ってる! みんなありがとなー!」
ロー「何でだ、どうしてこうなった! 一位になるどころか、こいつにまで負けるだなんて、世の中どうかしてる……!」
裏葉「わーい、チョコだチョコだチョコだぁぁぁ! 紅さーん、俺、おやつ休憩に入ってそのまま勤務終了しますね! おつかれさまで〜す!」
仲楯「どうしよう、このまとまらない感じ……」



●メッセージ集(ブログでお借りしたものは除きます)

・ふぁいとおおお、いっぱああああつ!(田中)
・輝いてるよ、田中(田中)
・こんばんは、みーにチョコレートだ(田中)

山川「全部田中宛てじゃねぇか。あと、『みー』って……『ゆー』じゃなくて、あえての『みー』なのか?」
仲楯「ファイト一発は、何かこう、裏葉の同僚さんに宛てたいメッセージだよな」
田中「ゴチャゴチャうっさい! なんでも良いの! 皆シャイニングな俺が大好きだってことだろうが! 俺が大好きなみんなぁぁぁ、俺もみんなが大好きd」
山川「その絶叫、そろそろマンネリだぞ田中」
田中「さ、最後まで叫ばせろよ山川! お前アレだろ、俺に負けたから思いっきり僻んでるんだろ! はっはっはーザマーミロ、俺がモテ男撲滅委員会委員長からモテ男委員会委員長になる日も近い!」
山川「ええい鬱陶しい! 仲楯、結果発表も終わったんだから、こんなコーナー司会者権限でとっとと終わらせろ」
仲楯「悪いな山川、そうは問屋が卸さないんだ今回は。以下、『田中君と山川君』特別短編が始まりまーす! ちなみに俺もしっかり登場してるから(嬉しげ)」
田中&山川「「マジで!?」」





●「田中君と山川君」バレンタイン特別短編

*「バレンタイン戦線異常あり」


「こちらフィールドセンター! マウンテンリバーは今だ現れず。どうぞ」
「こちらミドルシールド、同じく異常なし……なぁ田中、恥ずかしいから止めようぜ、この絶対間違ってる感じのコードネーム。どうぞ」
「ばっか仲楯、俺のことはフィールドセンターと呼べって言ったろうが! どうぞ」
「いや、お前も『仲楯』って呼んでるじゃんか。どうぞ」
「は、図ったな!? どうぞ」
「どこらへんが俺の策略なんだよ。あと、スマホをトランシーバー持ちするのも恥ずかしいから止めたいんだけど。ついでに、いちいち『どうぞ』って付けるのが面倒くさくなってきたんだけど。さらに言うなら、すぐ横にいるのに電話越しに喋る必要性が分からないんだけど。どうぞ」
「ノリが悪いぞミドルシールドぉぉぉぉぉ!」
 まだ朝の冷たい空気が暖まり切らない、冬の土曜午前八時半過ぎのことである。
 ほっぺたに大きな絆創膏を貼った焦げ茶色の髪の男が天を仰いで絶叫するものだから、その横に立つ地味な黒髪の男は、人差し指を口の前に当てて「シーッ」とごく常識的に注意を促した。
 ここは某県、七護山市。市の中心こそ都会風であるものの、十数分も電車に乗ればすぐに田畑や山々に囲まれた田舎の風景に出会える。そんな、半端な市の中でもさらに半端な中間地点に、彼らが住む町はあった。
 そしてそんな町の中、ありふれた住宅街の一角。交差点横に立つ民家のブロック塀の陰という場所が、二人の現在地である。
 田中卓也と仲楯正和。共に地元の県立高校2年4組に在籍する男子高校生だ。
 いい加減に図体もデカくなった年頃の二人が、ガラケーとスマホ片手にかれこれ三十分も無線ごっこをしている様は、怪しいと言えばかなり怪しい。が、田中のいかにもアホそうな言動と、仲楯の人畜無害そうな雰囲気故か、幸い近隣住民に通報されてはいないようである。
 ちなみに本来この二人、二人きりの仲良しコンビというわけではなく、小学校からの腐れ縁四人組グループに属している。では、今日は他の二人はどうしたのか、と言えばだが。
「ところでワイドリッチの姿が見えないんだけど、あいつどこで何やってんの?」
「それ、弥富のことだっけ? さぁ、まだ寝てんじゃないのか」
「おいおいおい、何だよそれ、モテ男撲滅委員会副委員長ともあろうものが!」
 仲楯の適当な返事に激昂した田中は、早くも充電残量が厳しくなってきたガラケーのアドレス帳から「弥富司」の番号を呼び出して発信した。二十回に及ぶコールの末、繋がった電話口から聞こえてきたのは友人の寝惚けた声。
『ハイもしもしぃ〜? コンティニューはまだ選んでないはずですが〜?』
「何を寝惚けてんだワイドリッチ、八時に集合って言っただろぉ!」
『それ誰のことだっけ? 無茶言うなよ田中ぁ、俺、寝たのが今朝の四時過ぎなんだぞ? 土曜の午前中くらい丸ごとログアウトさせてくれよ〜』
「俺のことはフィールドセンターと呼べ! 四時過ぎって、何でそんな時間まで起きてたんだよ? っていうかゲームだろ、ゲームなんだな、ゲームに決まってるな?」
『あったり〜。いやぁ、話題の新作RPGをようやく買えたんだけど、これが面白くって止められなくて? ヒロインのテオがすっげぇ可愛くってさぁ〜。クリア後の追加シナリオに出てくるクロスもこれまた超可愛いくて! あー、俺、アッシュになりかわりてぇ〜』
「知ったこっちゃねぇよ、この外人美女好き! 男同士の約束を簡単に違えやがって、お前なんか二次元の女の子にこっぴどく振られちまえ! あと今度そのゲーム貸してください!」
 散々罵詈雑言を吐いたにも関わらず、最後は何故か嘆願系で、田中はブツリと友人との通話を打ち切った。
 本日八時にこの場所へ集合しようと、田中は仲楯・弥富と(一方的な)約束をしていたのだが、己の欲望に忠実なゲーマー・弥富は、参戦前から戦線離脱のようである。田中の横で聞き耳を立てていた仲楯が肩をすくめた。
「弥富のあの様子じゃ、これから二度寝、起床後ゲームコンティニューだな」
「あいつはそれで良いの? このまま睡眠とゲームで一日終わるって、今日が何の日だか、あいつ分かってんの? このままじゃあいつ、ゲームと一緒に、非リア充人生もエンドレスコンティニューだよ?」
「それ、俺たちも人のこと言えないって、お前も分かってんの?」
 仲楯にビシリと指摘され、田中は「ふぉ?」と頭に花を咲かせながら間抜けた声を返した。
 二月の十四日。そう、今日はいわゆる、バレンタインデーだ。
 今年は幸か不幸か土曜日に当たった為、学校は休みである。例年のように、下駄箱や机にチョコが入っていないかと何度も覗き込んでみたり、可愛い女の子から呼び出しがかかるのではないかとソワソワしたりすることはなくて済みそうだ。
 現にここにいる田中と仲楯も、そして恐らく弥富も、非モテの名を返上することもなく、実の母親以外からのチョコは貰っていないし、ましてデートの約束などあろうはずもない。
 だからこそ、二人は朝の八時からこんな場所に居ても平気だし、まただからこそ、仲楯の言う通り、「今日が何の日だか分かってるのか」と自己嫌悪に陥りたくもなるのである。
 ところがどっこい、そうは考えなかったのが田中卓也という男であり。
「仲楯も何言ってんだよ。今日がバレンタインデーだと分かっているからこそ、俺たちはこうしてマウンテンリバーを待ち構えてるんだろうが!」
 疑問の欠片すら持たずに力説するモテ男撲滅委員会委員長様に、仲楯はこっそり、長く深〜い溜息をつくのであった。
 田中・仲楯・弥富が属するグループの最後の一人、マウンテンリバーこと、山川健悟。
 整った容姿で成績優秀、運動神経抜群、そつのない言動と気配り。四人組唯一にして、全国の男子高校生を基準にしたモテピラミッドでも最上位に君臨しかねないほどの、気合の入ったモテ男だ。
 そんな彼が、女の子から贈られたチョコレートで山どころか要塞を築き上げているのは、毎年バレンタインデーに見られる風物詩である。
 そしてまた、そんな山川を妬んだ田中が、『モテ男撲滅委員会』という組織を立ち上げて執拗な嫌がらせを繰り出すのも、この時期ならではの風物詩と言えよう。
「土曜日だろうが何だろうがチョコレートをたんまり貰うのが、モテ男のモテ男たる所以だからな。許すまじ腹黒! 許すまじ男の敵!」
「つーか、俺も今更だけどさぁ。俺たち一体、ここで何のタイミングを計ってるんだ? 山……マウンテンリバーが出てきたら何をするつもりなんだよ?」
 本当に今更な質問をしながら仲楯が視線を送るのは、現在彼らが隠れている場所から二十メートルほど先にある、これまたありふれた一軒家の玄関先。『YAMAKAWA』と表札が出ているとおり、山川健悟の自宅である。
 山川家はごく普通の中流家庭で、二階建ての家の外観にも特筆するようなところはない。田中や仲楯も何度となく遊びに訪れている為、両親や弟とも顔見知り以上の仲であり、訪問するのに気後れするようなこともない。にも関わらず、二人がこうして隠れて様子を窺っているのは、勿論、山川に存在を気付かせないためだ。
「ふふん、分かり切ったこと訊くなよ仲楯。何も知らない山川がホイホイと外に出てきたところで、俺たちは矢のように突撃して!」
「あ、コードネーム呼び止めたのか。突撃して?」
「この油性ペンで、山川の額に『肉』と書く!」
 きゅぽん、と音をさせながら、ポケットから取り出した油性ペンの蓋を開け、キメ顔で瞳を光らせる田中。
 と。壁に寄りかかったままズルリと脱力する仲楯。こめかみに指を当て、やんわりと尋ねる。
「えーと、それは何の為に?」
「これから山川にチョコを渡そうとする女の子が、そのラクガキを見て、『え〜、山川君ってこういう馬鹿なことする人だったんだ〜、幻滅〜、やっぱチョコあげるのやめよ〜』ってなるだろ! どうよ、俺のこの作戦!」
「どうもこうも、いつになくシンプルかつ無意味な作戦だな、としか。てか、馬鹿なことだって自覚はあったんだな。ちょっと安心した」
 ポケットカイロを両手でわしゃわしゃしながら仲楯は遠い目をしているが、田中は気付いていないようだ。身体をリズミカルに大きく揺らしながら、飽きることなく山川家の監視を続けている。
「♪あるぅー日ー、(あるぅー日ー)、街かぁどぉでー、(街かぁどぉーでー)」
「なぁ、田中」
「♪腹ぐーろーにー、(腹ぐーろーにー)、出会ぁったー、(出会ぁったー)」
「山川を待ち伏せして攻撃を仕掛けるのは、まぁどうせ失敗に終わるだろうから良いんだけどさぁ」
「♪風ふーくーまーちーかーどーでぇぇぇ! 腹ぐーろーにぃーでーあーったぁぁぁ!」
「ええい、聞けよ! 山川が今日、一歩も外に出ないってこともあるんじゃないのか?」
 楽しく『森のくまさん』ならぬ『街の腹黒』を歌いあげた田中は、そこでようやく仲楯を振り返り、いかにも不可思議そうに首を傾げる。
「え、だって、晴れた土曜日だぞ? 一度も外出しないなんてあり得るの?」
「お前はそりゃ、一日一度は外に出て全力疾走しないと気が済まないだろうけど。山川なら一日家で勉強したり本読んでたりしてもおかしくないだろ。今日なんて寒いから余計にさ」
 仲楯としては、ごくごく当たり前のことを述べただけのつもりだったのだが、どうやら田中にはかなりのカルチャーショックだったらしい。背景にベタフラッシュ効果まで入れて、彼は顎が外れんばかりに大口を開けた。
「嘘だぁぁぁ! 一日中家に引きこもってたら、家に根付いちまうよ! そうだよ、弥富だって今頃、ベッドの中で根を張り始めてるんじゃないのか! 家中の壁という壁に根が張って、そのうち神経みたいに触るとビクビク反応し始めるんじゃないのか!」
「何だよ、その気色悪い想像? 何が言いたいって、ここでただ待ってても、山川が現れる保証はないってことなんだよ。逆に、山川がとっくの昔に出掛けてて、夜まで帰って来ない可能性だってあるだろ」
「あ、それは大丈夫! 俺は早朝五時からここで監視してたから、山川がまだ家にいることは間違いない!」
「お前ホントに何やってんの!?」
 思わずボリュームが大になってしまったことにハッと気が付き、仲楯は気まずそうに周囲の人通りへ目配りしながら身体を小さくして仕切り直す。
「じゃあ、山川は今、家の中にいると仮定するぞ? 今日一日外に出ないかもしれないってのは分かってくれたよな?」
「心では納得してないけど、仲楯の手前、分かったことにしておく」
「分かってないんじゃないか。で、それでもお前が油性ペン攻撃を仕掛けたいって言うなら、山川を外に誘い出す作戦を考えた方が良くないか?」
 田中は顎に手を当てて、ふむふむほうほう、と、仲楯の意見に逐一頷き、最後にことさら大きく首肯すると、真剣な眼差しで言った。
「仲楯お前。常識人面しておいて、この作戦に結構乗り気だな?」
「よし、俺帰るわ」
「嘘嘘嘘嘘嘘ごめん仲楯、冗談です行かないでぇぇぇぇぇ!」
 くるりと踵を返してスタスタ歩き始めた仲楯の背中に必死ですがりつく田中は、最早見苦しいを通り越して滑稽である。どうにか立ち止まってくれた仲楯の優しさに心底安堵し、オホン、と咳払い一つ。
「仲楯先生の仰る通り、ここは山川を誘き出す作戦が必要だな! やっぱ天岩戸作戦かな? 家の前で裸で激しく踊れば良い?」
「田中が風邪をひく心配はしないけど、間違いなく通報されるから止めとけ。普通にインターホン押すんじゃ駄目なのか?」
「それじゃ山川のおじさんとかおばさんが出てきちゃうじゃん。『健悟ー、卓也くんと正和くんが来てるわよー』なんて言われたら山川に警戒されるし。何より、おじさんおばさんには世話になってるから、変な迷惑かけたくねぇ」
「門前で裸踊りしようとしてたやつが迷惑云々言うのかよ。じゃあ、山川の弟に連絡取って、連れ出して貰うのは? お前、あいつと仲良いだろ」
「翔悟、昨日から恭輔と一緒にスキーキャンプに参加しちゃってるんだよなぁ。あいつさえいてくれれば、家族の立場を利用して、俺より遥かにえげつない作戦を立ててくれるんだけど」
「山川良かったな、このタイミングで翔悟がキャンプに行ってくれてて。だったらもう、ケータイで本人に直接連絡取っちゃえば良いんじゃないのか?」
「バレンタインの朝っぱらから、俺から『山川、ちょっと表出てこいや☆』なんて電話がかかってきて、素直に出てくる山川だと思う?」
「思わない」
 真顔そのものできっぱりと仲楯が答え、「だよな」と田中も真顔で返す。
 もう一度深い溜息一つ、仲楯はスマホを取り出すと、田中を教え諭すように言った。
「ったく、分かったよ。俺から山川に電話して、今から出て来て貰えないか頼んでみる。それでうまくいかなけりゃ、もう諦めろよ?」
「おおお、神様仏様仲楯様! 仲楯の言うことなら、山川も信用するもんな!」
「あーもう、あとで俺まで山川に睨まれる……」
 渋い表情でスマホのロックを解除したか否かという瞬間、仲楯の手元で発生する小刻みな震動。
 それと数秒違わずして、今度は田中のポケットの中から、サンバ調の着メロが鳴り出した。二人それぞれに「お?」と目を瞬かせる。
「メールだ」
「仲楯も? 俺も何かメール来たっぽい」
「同時受信ってことは、もしかして弥富からかな」
 監視を中断し、二人は小首を傾げながら揃ってメールの受信画面を開く。
 そして、二人揃って硬直した。
「おい、田中」
 画面を凝視したまま、冷や汗ダラダラで仲楯が声をかければ。
「なんだね、仲楯や」
 白目を剥いて、引きつれた声で田中が先を促す。カクカクとしたぎこちない動きで、お互いに画面を見せ合った。
 二人に届いた、全く同じ文面のメールの差出人は、『山川健悟』。

『三分以内にそこから消え失せろ。さもなくば不審者として通報する。』

「バレてんじゃないか、思いっきり!」
「なんでぇぇぇ、どうして分かったんだよ山川ぁ! 俺たち、ちょっと五月蠅かったり挙動不審だったりしただけだぞ! コードネームまで使ってたってのに!」
「今考えると、あれだけ騒いでいながらバレてない方がおかしいよな。ああもう、これヤバイだろ、山川すっげぇ怒ってるよ!」
 完全に静かなるお怒りモードらしい山川からの通告に、二人はお互いの肩を掴んで揺すり合っての半狂乱である。
 本気で怒らせた山川の怖さは、付き合いの長さゆえに二人も熟知している。この調子では本当に110番にコールして警察に突き出しかねないし、例えそれは免れても、次回登校日に(主に精神的に)どんな仕打ちに合うか分かったものではない。
「今すぐここから消え失せるぞ、田中! いや、むしろ全力で謝りに行くべきか?」
「そんなぁ、まだ『肉』とも何とも書いてないのに! 四時間も監視し続けた俺の労力が水の泡になっちまう!」
「むしろなかったことにして忘れた方がお前の為だと思う、その労力」
「やだぁぁぁ、義希と雨野と約束したんだぁぁぁ! 今年こそ山川と沢也と太田をギャフンと言わせてやるってぇぇぇ!」
「それはお前らの方が逆にギャフンと言わされる顔ぶれだよ、もう諦めろよ!」
 手近な電柱に両手両足を駆使してしがみつき、同志たち及び憎きモテ男たちの名を挙げながら抵抗する田中を、仲楯は後ろから引っ張っては引き剥がそうと試みる。
 通りがかりの親子連れに「ままー、あのお兄ちゃんたちヘンー」「シッ、見ちゃだめよ!」と露骨に遠巻きにされているうちに、またしても二人のスマホとガラケーがメールを同時受信した。
「え? まさか、もう三分経った?」
「ま、まだ地球を守れてないぞ! あと五分、五分追加で!」
「何分追加したところで、電柱にしがみついて駄々をこねるヒーローには地球を守れないと思う」
 表情だけは大真面目に、内容は果てしなく呑気な会話を繰り広げながら慌ててメールを確認すれば、届いていたのは山川からの二通目のメール。

『ただし、条件を呑めば見逃してやる。』



「お前ら知らなかったのか? バレンタインが土曜日にかかった年は、製菓会社が『バレンタインイブ』ってのを持ち出してくるんだよ」
「そ、そんな習慣が……」
 あれから数分後。他ならぬ山川自身の御墨付きで迎え入れられた山川の自室で、淹れて貰ったコーヒーを飲みながら、田中と仲楯は見慣れたはずの室内の変貌ぶりに呆然としていた。
 いつもなら綺麗に整頓されている山川の部屋を現在埋め尽くしているのは、綺麗にラッピングされた箱や袋の山、山、山である。それは勉強机やローテーブルの上だけではとても置き切れず、急場しのぎで床に設置されたらしい複数の段ボール箱の中にまで溢れんばかりに詰め込まれている。
 バレンタインイブ。二月十三日をバレンタインの代日とみなす造語である。近年、バレンタインが土曜日で、学校や職場で配布するチョコレートの需要が激減すると見込まれた場合、関連企業や店舗はこの言葉をアピールして売り上げ確保に繋げているらしい。
 つまり。山川にチョコレートを贈りたい女子の大多数は、昨日のうちにすでに山川へチョコレートテロを仕掛けていた、というわけなのだ。
「確かに、彼女でもないのに自宅に押し掛けるのは抵抗あるだろうし、ポストの容量には限度があるし、郵送ってのも気が引けるだろうしな」
「家の前で待ち伏せしてでも、当日山川に会おうって根性がある女子はいねぇの? この俺みたいな」
「田中、お前はどうしてそう、女子以上に山川にご執心なんだよ」
「気色悪いこと言うなよ、仲楯。男からストーカー被害に遭ってるなんて説明はさすがにしたくない」
「つ、通報は勘弁してください!」
 絶対零度の視線で静かにコーヒーをすする山川に、田中と仲楯は床に這いつくばって土下座に近い懇願をした。
 全く、と呆れ顔で呟くと、山川はカップを持ったまま二人に目を据える。
「警察の世話になるのも嫌だから今回は見逃してやるけどな。その代わり、約束はきっちり守れよ」
 田中と仲楯は顔を見合わせ、それからぐるりと室内を見回して、何とも言えない複雑な表情を浮かべた。
 山川が二人に持ち出した条件は、至極単純で簡単なもの。
 それは、部屋中に溢れるこのチョコレートの山を、可能な限り二人に持ち帰って貰うということだった。
「いっそ板チョコだの業務用チョコだのが貰えるなら、そのままホワイトデーのお返しの材料に流用出来るんだがな。どれも何かと加工されてるもんだから、食うか捨てるかの二択しかないんだよ」
 額に手をやって眉間に皺を寄せる山川の表情は、自慢げでも冗談を言っている風でもなく、全くの真剣そのもの。そう、彼は毎年、この大量のチョコレートの処理に本気で頭を悩ませているのである。
 しかし、タダで大量のチョコレートを貰えるからと言って、田中と仲楯が純粋に喜べるわけでもない。
「高級チョコを食えるのは良いかもしれないけどさぁ。山川これ、全部お前宛のチョコだろ。お前にチョコをくれた女の子たちの気持ちはどうなるんだよ?」
「んなこと言っても、一人でこれ全部を食えるわけがないだろ。捨てるよりマシだと思って貰うしかないんだよ。差出人が分かってる分は名前を控えてあるし、俺から全員にちゃんとホワイトデーのお返しはする」
「他の野郎が貰ったチョコのおこぼれに預かる俺たちの気持ちはどうなるんだよ?」
「その気持ちと、警察に厄介になる気持ちを天秤にかけてみることだな」
 仲楯なりの尤もな意見には、山川なりの理論で丁寧に応じ、田中なりの尤もな意見には、山川なりの理論で簡潔に応じる。「でもぉぉぉ」と、諦め悪く口を曲げる二人を横目に、山川はスイとベッドから立ち上がって窓際へ寄ると、スマホを取り出して電話をかけ始めた。
 田中と仲楯の耳にも聞こえてきたのは、三十分ほど前にも聴いた覚えのある男の声。
『ハイもしもーし! 司くんは現在電話に出ることが出来ませぇぇぇん!』
「その返答はゲーム真っ最中か、弥富。ってことは暇だな。良かった、今すぐウチまで来い」
『え、え、何事だよ山川? 俺は今、HPギリギリの紅に回復アイテム(リポD)を連打投入する作業でメチャクチャ忙しいんだけど! ヤベーよこのゲーム、難易度設定厳し過ぎだろ、仲間が過労でバッタバタ倒れてくんだけど!』
「お前がこないだノートに書いてた『俺が考えた必殺技』の画像データをクラス中に拡散されたくなければ、十五分以内に来ることだな。あと、そのゲーム今度貸してくれ」
『いぎゃあああああぁぁぁぁぁ!?』
 弥富の悲痛な絶叫がまだ続いている中、山川はブツリと一方的に電話を切って、「もう一人確保」と冷静に呟く。田中と仲楯を振り返ると、手短に訊いた。
「で、お前らはどうするんだ?」
 床に正座している二人を悠然と見下ろす山川の、答えを選ばせてくれそうにないプレッシャーに、田中と仲楯はただただ無言である。
 やがて、徐にガラケーを取り出してトランシーバーのように持った田中は、死んだ魚のような目のままで淡々と喋り始めた。
「こちらフィールドセンター。マウンテンリバーはやはり強かった。無念だ、だがこれは終わりではない。来年のバレンタイン戦争に向けた、これは新たな始まりなのだ……!」

 バレンタイン戦線異常あり。
 故に、この街は今日も平和だ。



 Fin.





●企画関連文書(ブログ掲載)


〜田中君のイチャモンバレンタイン vol.1〜

田中「ハイハイハイ、来ると思ってましたよモテ師匠! どうせ貰えるんだろうと思ってましたよ! 流石にお強うございますね、銀髪オッドアイで女子ウケ要素をふんだんに盛り込んで貰ってるだけありますよねぇぇぇ!」
ピアニー「ええい、卓也お主、この企画の間中、その勢いを維持するつもりでおるのか!?」
田中「この世にモテ男がいる限り、俺の迸る怒りの感情はエネルギー切れ知らず! 止める方法はただ一つ、そのチョコレートを俺へと譲り渡すことだぁぁぁぁ!」
ピアニー「これは私が貰ったものだ、お主にはやーらーぬ! 少々痛々しいぞ卓也。そこまで妬ましければ、お主も銀髪に染めて左右の眼の色を変えるよう取り計らって貰ったらどうだ?」
田中「じゃー、ついでに一枚羽根と呪われた痣をつけて貰って、実は古の神の生まれ変わりで悲しい過去を背負っているって設定も付けて貰う」
ピアニー「痛々しいと言っておるだろうに」



〜田中君のイチャモンバレンタイン vol.2〜

ロー「で、今日はこの完全無欠の僕を妬みに来たというわけだな? やれやれ、完璧過ぎるというのも罪なものだね」
田中「……あー、何か、ローはまぁ、怒る必要ないかなって気がしてる」
ロー「けれど『弦月の仮宿』の中でも僕の輝かしさは群を抜いているからね。男の醜い嫉妬を受けるのも、こんな風に生まれてきたことに対する義務と思って……は、何だって?」
田中「っていうか最近俺、なんつーの? ローに対しては仲間意識が芽生え始めてる、っていうか。俺とおんなじ三枚目キャラポジの地位を固めに入ってる気がするっていうか」
ロー「い、いやいやいやそんなわけがあるか! 僕と君が同類? 自分の顔を鏡で見て、僕と見比べても同じことが言えるのか!?」
田中「この場合、顔とか能力とかあんまり関係ないっていうか」
ロー「あ り え な い !」



〜田中君のイチャモンバレンタイン vol.3〜

アトラス「何かよく分からないけど、この時期になると美味い菓子がいっぱい食わせて貰えるから良いよなぁ。この菓子の原料の収穫時期かとかなのか?(ぱくぱくもぐもぐ)」
田中「こ、この期に及んで! どんなイベントかも知らずにいるやつが! ちゃっかりチョコレート貰って貪り食ってやがるぅぅぅ!」
アトラス「うん? どんなイベントなんだ?」
田中「え、どんなって……(Σハッ!)……ここで田中君が教えちゃうぞのコ〜ナ〜! 今の時期にその菓子を貰って食ったやつは、それだけで人の恨みを買いに買いまくって、今後一年間は昼夜を問わず刺客からつけ狙われることになるんだヨ☆」
アトラス「へえ、それはそれは」
田中「そう、そっれはもう大変なことになる! だからその危険な菓子は俺に預けて……」
アトラス「強い奴と戦うチャンスが増えそうで良いなぁ!(がつがつむしゃむしゃ)」
田中「うごあああああ作戦失敗ぃぃぃぃぃ!」



〜田中君のイチャモンバレンタイン vol.4〜

裏葉「ぃやったぁぁぁ、チョコもーらったぁぁぁ! 誰かな誰かな、ミントさんかなノワールさんかな、それともやっぱり紅さんかな、お返しはやっぱりリポDにするべきかな〜♪」
田中「ふおお、ポッと出の余所様便乗キャラまでちゃっかり貰ってやがる!」
裏葉「あっ、卓也さん! 見て見て、見てくださいよ、い〜でしょ〜! 俺、このチョコで脳にエネルギー補給して、全力で仕事をサボるつもりなんです!」
田中「うわああ、無邪気に見せびらかしやがってぇ! 俺だってチョコレートいっぱい貰ったら、そりゃもう全力で勉強を頑張るつもり……あれ、ひょっとして俺、さりげない問題発言をスルーしてた?」
裏葉、「いえ、大丈夫です! 俺の問題発言はすでに問題視すらして貰えないレベルに達してますから!」
田中「こいつにチョコ贈った人ぉぉぉぉ! 考え直しませんかぁぁぁぁぁ!?」



〜チョコレートもらった!〜

田中「俺にもある、俺にも絶対ある、俺にも絶対アルカディア絶対アルバトロス絶対アルキルフェノールぅぅぅぅぅ!」
山川「何の呪詛だよ。つーか、よくサラッと出てきたな、アルキルフェノールとか」
田中「そ、そ、そんな余裕ヅラしてられるのも今のうちだけなんだからな山川! 俺だって貰ってるはずだもん、投チョコされてるはずだもん、折り返しまで来てゼロ個なんてことないはずだもぉぉぉん!」
山川「企画的にはかなりオイシイけどな、その展開」
田中「黙れ腹黒! くああああ、チョコ欲しいいい! この際本命でなくても良いから、義理チョコでも義務チョコでも友チョコでも良いから欲しいいいいいい!」
山川「あのな、お客様だって暇じゃないんだぞ。お前みたいな騒々しいのにホイホイとチョコを配るような人間は……」
義希「友チョコー、友チョコはいらんかねー?
山川「……いたよ」
田中「……よ、よよ、よよよよよ……!」
義希「ってことで持って来てみたぞハート型☆ 卓也、今年もこれで頑張れよー!
田中「義希ぃぃぃぃぃ! ありがとうありがとうありがとうマイフレンドぉぉぉぉぉ! お前の友チョコさえあれば0.3人力だ、俺頑張るよぉぉぉぉぉ!」
義希「おう、今年こそは健悟をこてんぱんにしてやれよ……って、0.3人とかさりげに酷い!」
山川「これで田中は1個獲得確定か。勝敗はどうでも良いが、このまま調子に乗らせとくのも癪だな」
沢也「同感だ。馬鹿はのさばらせないに越したことねぇよ」
義希&田中「Σ……うおっ!?」
山川「沢也。お前も来たのか? お目付役お疲れさん」
沢也「ああ、そこの馬鹿片割れはさっさと連れて帰るから安心しろ。友チョコとか良くわからんが、毎年大変だな……お前も。まあ、頑張れ
山川「お、柿の種。これは俺宛ってことか? サンキューな」
義希「……え、ちょ、あれチョコレートとしてカウントして良いん?」
田中「良くない! ノーカン! 柿の種は柿の種であって断じてチョコレートではなぁぁぁい!」

(ねこの缶づめ/ぁさぎ様 義希くん&沢也くんからいただきました。太字はいただいたメッセージです)



〜チョコレートもらった!2〜

テオ「ハッピーバレンタイン、ピアニ―さん!
ピアニー「おお、テオではないか! 寒かったであろうに、よく来てくれたな」
テオ「えへへ、来ちゃいました。いつもお世話になってるので、ささやかながら!(ウイスキーボンボン)
ピアニー「いつも気遣い痛み入るよ。お主は本当に良い女だな、テオ」
テオ「やだピアニーさん、そんなことありますよ〜、なんちゃって!」
ピアニー「ははは、お主もなかなか言うではないか! ……ところで、だな(キョロキョロ)」
テオ「? どうしました?」
ピアニー「いや、いつもの流れならば、そろそろあ奴が飛んでくる頃合いかと思ったのだが」
テオ「あ奴、って、もしかしてクウリのことですか? 置いてきましたよ」
ピアニー「……置いてきた、とな?」
テオ「はい。だって、あいつがここに来ると、すぐにピアニーさんに喧嘩売るんですもん。だから今日は黙って出て来ちゃいました」
ピアニー「そうであったか……それはからかい甲斐がないな(ぼそり)」
テオ「何か言いました?」
ピアニー「いや、空耳ではないのか?」

(白虹太陰/透峰零様 テオさんからいただきました。太字はいただいたメッセージです)



〜チョコレートもらった!3〜

田中「長かったこの戦いも、いよいよ終わりが近づいてきたな、山川よ」
山川「ああ。とっとと終わらないかな」
田中「ハイすぐまたそういうこと言う! この駄目ライバル! この駄目少年漫画! 最後まで全力で戦い抜こうって気概はないのか、この熱量なさ過ぎ男ぉぉぉぉぉ!」
山川「うるせぇな、この熱量余り過ぎ男。余分な熱量があるんなら、こんな季節、全部ありがたく保温に回してるっての」
田中「こんな季節だからこそだな、男は熱く……おお、噂をすれば来たな、熱く拳を交えられる完璧な親友、略してアッ友が!」
山川「略語言いにくいぞ……来たって、ああ」
雫「田中ああああああ! 来たぜ! 来てやったぜ! 俺からの投チョコを受け取れえええええ!(チョコ投擲)
田中「雨野おおおおおあ! 来たな! 来てくれたな! お前ならきっと来てくれるって俺は信じてたアイッタアアアァァァッ!?」
山川「お、ナイスピッチーング(パチパチ)」
雫「うおお、田中あああ!? すまん、ちょっと溢れる情熱をスピードに上乗せし過ぎたぁぁぁ!」
田中「ぐ、案ずるな雨野! お前の熱い友情を思えば、こんなもん痛くも痒くもぉぉ!(頭さすさす)」
雫「耐えろ、耐えてくれ田中! その痛みを糧にして、そこの腹黒を打ち倒すんだ!」
田中「分かった任せろ、合言葉はリメンバーチョコアタックぅぅぅぅ!」
山川「場の気温が急上昇はしたが、全く嬉しくないな」
陽「そりゃそうだろうな。悪いな、毎度騒がしくして」
山川「太田。お前も来たのか? ……なんか、ついこの間も似たようなこと言った気がするが」
陽「ああ、馬鹿が馬鹿しないか見張りに来たんだが……遅かったようだな(溜息)。迷惑かける
山川「お、差し入れか。迷惑はお互い様だ、わざわざありがとな」
陽「どういたしまして。とりあえず、あの馬鹿共がこれ以上調子に乗って、これ以上暑苦しい空気が充満するのだけは阻止してくれよ」
山川「分かった、善処する」
田中「ハイ山川、その疲れたリーマンみたいな日本人的返答がアウトぉぉぉ!」
雫「おい太陽、太陽であるお前が温度を上げなくてどうするんだよ? もっとこう、グアッとメラッとだなぁ!」
陽&山川「黙れダブル迷惑熱源」

(白虹太陰/透峰零様 雫くん&陽くんからいただきました。太字はいただいたメッセージです)



〜チョコレートもらった!4〜

紅「どうもお邪魔します、いつもうちの裏葉がお世話になって」
裏葉「いらっしゃい紅さぁぁぁんっでりゃあああああ!(ロケット頭突き)」
紅「ノータイムで来やがったぁぁぁっ!(ひらり) おい裏葉、来客にいきなり直接攻撃加えるなって、こないだのOJTでも口が酸っぱくなるくらい教えただろうが!」
裏葉「また避けられちゃった。やだなぁ、俺がこんな出迎え方するの、相手が紅さんの時だけですよ〜。愛される先輩は辛いですね?」
紅「俺のことも普通に出迎えろよ! 愛され過ぎて胃がキリッキリするわ」
裏葉「それはリポDの飲み過ぎです」
紅「断言すんな! まぁ、お前みたいなのでも後輩は後輩だからな、差し入れはしておくぞ。ほら」
裏葉「わぁぁい、ありがとうございます! やっぱり紅さんは優しいなぁ〜」
紅「お前は甘いもの食っても書類がはかどりそうにないが……とりあえず、頑張れ
裏葉「はい、仕事は頑張りませんが、こっちは全力で頑張ります!(チョコもりもり)」
紅「仕事こそ頑張れよ!」

(白虹太陰/透峰零様 紅さんからいただきました。太字はいただいたメッセージです)



〜チョコレートもらった!5〜

ロー「…………」
アトラス「なんだなんだ、ロー、機嫌悪いな? 腹でも下したのか?」
ロー「いきなり話題が汚いな! いきなりこんなコンビで呼びつけられたら、機嫌も悪くなるってものだろう」
アトラス「今回は何か美味いもんにありつけるらしいけど、ローの腹具合が悪いなら、全部俺が貰っちゃっても良いよなぁ」
ロー「僕に腹を下していて欲しかっただけか! で、美味い物っていうと、あの企画の続きだな? 一体誰が…………」
アッシュ「邪魔してるぞ」
アトラス「お、久しぶりだなぁ、アッシュ!」
ロー「またこの男か……」
アッシュ「そう露骨に顔を歪めなくても良いだろ。これは俺からあんたにだ」
ロー「今日は僕への嫌がらせ強化デーなのか? 野郎からチョコレートを貰って誰が嬉しいもんか!」
アトラス「俺は嬉しいけどなぁ?」
アッシュ「まぁ、普通は嫌だろうな。ちなみに協議の結果、うちから来てる女子キャラがテオだけってのも華がないかなってことでもう一人連れてきた
クロス「ああ、協議の結果、うちから来た女子キャラがテオだけということで、私も持ってきた。私からはアトラスにだ、受け取ってくれ
アトラス「おお、勿論受け取るぜ! クロス、それにアッシュもありがとなぁ!」
ロー「というか、何だ協議って?」
クロス「そこはほら、突っ込まないお約束と言うやつだぞ」
アトラス「そーそー、貰えるもんは素直に貰っとこうぜ? それともやっぱ、腹痛いのか?」
アッシュ「ん? 腹具合が良くないのか。それは悪いことしたな」
クロス「チョコレートではなくて正●丸の方が良かったか?」
ロー「腹から離れろ! そして世界観を考えろ!」

(白虹太陰/透峰零様 アッシュさん&クロスマリアさんからいただきました。太字はいただいたメッセージです)





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