三万HIT記念企画「ラジオ『弦月の仮宿』」
2011実施




 ブログにて行われたお客様参加型企画です。



●第1夜

トータ:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。
 DJは願望交換局所長、僕、ことトータ=リーグマンです。どうぞ宜しく。
 さて、この番組では、何の脈絡も統一感もオチもストーリー性もなく、ひたすらグダグダと、プロデューサーの思いつきとやる気のままに、様々な内容の情報をお届けしていくよ。
 ああ、あらかじめ言い訳をしておくけれど、プロデューサーは実はラジオを聞いた経験がほとんどない。ので、雰囲気もノリも用語もよく分からないし、調べる気もさらさらないそうだ。じゃあ何でこんな企画を実行しようと思い立ったのか、全く持って理解不能だね。けれどまぁ、DJを任されたからにはこのままやっていくしかないだろう。阿呆なプロデューサーに雇われた僕自身を恨むしかないさ。大体、音楽をかけるわけでもないのにDJと言っている時点ですでにおかしいということに、あのプロデューサーは気付いているんだろうか?
 ちなみに、DJは僕以外の人物に託されることもあるだろうし、突発的に意味不明なコーナーが始まることもあるかもしれない。そこの辺りもプロデューサーのノリに左右されるので、あらかじめ了解して欲しいね。
 おっと、こんな説明では、番組の趣旨が理解してもらえそうにないね。尤も、趣旨らしい趣旨がそもそもないのだから、説明したところで理解して貰えるとも分からないのだけれど。

 この番組の一つめの目的は、「弦月の仮宿」というサイトの紹介だ。例えばこのサイトには古今東西、みょうちきりんな登場人物が溢れかえっている。そんな彼らをこの場に読んで、自分が登場する話の説明をして貰ったり、また僕から質問を振ったりして、中身の無いトークでもしてやろうということになるね。まぁ、基本的にはショートコントのようなノリになるのかな。

 そして二つ目の目的は、リスナー、つまり今僕の言葉を聞いてくれている、貴方たちとの交流。ブログの横やTOPページにあるweb拍手、もしくはメールフォームなどを利用して、「弦月の仮宿」キャラクターへの質問や、「彼を番組に出演させてほしい」「あの人にこんなことをして貰いたい」などのリクエストを受け付けるよ。作中では会うはずの無いキャラクターのクロスオーバーも実現可能だ。ただしあくまでこの放送室内で出来ることだけだから、「あのキャラとこのキャラのコンビで旅に出てほしい」などと無茶を言われると非常に困る。というか読むだけ読んで次に移ることになる。自分のハガキが読み上げられるだけでも良いというなら、いくらでも無茶ぶりをしてみればいいさ。ああそれと、イラストリクエストではないのでその辺り勘違いしないように。
 それと、これはまだ未知数なので言いきれないのだけれど、リスナーの皆さんが運営するサイトの登場人物をゲストとしてここに招いて、会話を繰り広げて貰うなんてことも出来るかもしれない。
 リクエストには全て応えられるとは限らないけれど、出来そうなことならやれるだけ取り入れてみたいと思っている。その辺りは応相談なので、まずは気楽にリクエストして貰いたい。何もリクエストがなければ、前述したような中身の無いトークが延々と続くだろうね。それはそれで企画のうちかもしれない。
 これだけではいまいち感覚が分からないだろうから、まずは番組がどんな風に進んでいくのか、のんびりと耳を傾けて貰いたいね。

 番組はいつまで続くのかって? そうだね、プロデューサーが連載小説を書くだけの余裕が出てくるまで、もしくはこの企画に飽きるまで、かな。

 それでは、今夜はこの辺りでお別れするとしようか。





●第2夜

トータ:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。DJはトータ=リーグマンです、どうぞ宜しく。どうやらトーク主体のDJのことはパーソナリティーと呼ぶらしいけれど、まあ始まってしまったものは仕方がないのでこのまま進めさせて頂くことにしよう。
 さて、今夜からはいよいよ本格的に番組が始動するわけだけれど、驚いたことに、早速リクエストメッセージが届けられたよ。まさか本当にリクエストが来るとは思っていなかったらしく、いきなりグダグダトークを炸裂させる気満々だったプロデューサーは恐れ多さにへっぴり腰になっているようだね。あの間抜け面を放送出来ないのが非常に残念だ。
 それでは早速メッセージを読み上げるとしよう。ラジオネーム透峰さん。おや、いつもお世話になっている相互サイトの管理人さんだね。ありがとうございます。
「さっそくですが、面白そうな企画を発見したので乗らせて頂きに参りました。というわけで、ラジオ企画のリクエスト。『師匠に歌ってほしい!』でお願いします」……文字のみという表現媒体で歌のリクエストとは、なかなか良い根性をしておいでのようだね、どうも。
 それではリクエストにお応えして、記念すべきゲスト一人目を呼ぶとしようかな。「歪みの伝導師」よりスメルト=ピアニーさん、どうぞ。

ピアニー「む、何だ、私に何か用か?」
トータ「二度手間はリスナーの皆さんをイラつかせるだけだから、現状を把握してから入室して貰いたいものだね。ということでピアニーさん、リスナーさんからのリクエストだ。向こうの収録室でさらっと歌って貰えるかな」
ピアニー「待て待てお主、話がさっぱり見えぬぞ? いきなり歌えなど……というか今生放送中であろう! 嫌だ、そんなこっぱずかしい真似が出来るか!」
トータ「作中で散々こっぱずかしい歌やら台詞やら連発しておいて今更何を躊躇うことがあるのさ。良い大人がダダをこねるのはみっともないよ。さっさと腹を括って、いつものように青臭く中身があるようで全くない歌でも歌ってこればいいじゃないか」
ピアニー「お主、言いたい放題にも程があるであろう。兎に角、嫌なものはいーやーだ!」
トータ「と、そんな風に意固地になることも想定済みだ。というわけで、二人目のゲスト、入ってきて良いよ」
トット「はーい! ししょー、往生際が悪ーい!」
ピアニー「トット!? おい、こらトット何をする、離さぬかお主!」
トータ「宜しいトット君、そのまま収録室へぶち込んでくれるかい」
トット「うん、了解! ししょー、ちゃんとリクエストに答えるまで出してあげないからね」
ピアニー「この裏切り者が! 何だ、何でつられたのだ、菓子か肉か果物か!?」
トット「僕だってししょーの歌聴きたいもーん」
トータ「ほら、放送終了時間が迫ってきたじゃないか。何でもいいから歌ってくれればそれで済むんだよ」
ピアニー「……少しだけだからな!」



 返しの唄を謡いましょう
 虹かかる時計 満ちた月をもちて
 蒼穹の歌 欠けた太陽をもちて
 歪んだ羽で返しましょう
 あまねく想いを返しましょう
 遥かな友へととどけましょう
 それらに喜びの音を そして皆へ福音を運びたまえ



トータ「…………」
トット「お、トータさん、感動した?」
トータ「悔しいけれど、少しね。成程、本業よりこちらの方が儲かりそうと言うのも頷ける。それで、今のは一体何の歌なのかな。正直、歌詞が意味不明なのだけど」
トット「うーん。たぶん、リクエストしてくれたリスナーさんには分かるんじゃないのかなぁ?」
トータ「何だい、それは」
トット「さあ? 僕にも分かんない」
トータ「まあ良いか。さて、そろそろお別れの時間だ。皆さんごきげんよう、良い夜を」
トット「リクエストも待ってるよ〜!」
ピアニー「待てお主ら、私を忘れるでない! ここから出さぬかぁぁぁぁぁ!」


※透峰零様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『白虹太陰』・創作小説『風刻の者』より、作中詩をお借りしました。





●第3夜

トータ:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーはトータ=リーグマンです、どうぞ宜しく。
 昨夜はうっかり音楽番組のような様相を呈したこの番組だけれど、今日は特にリクエストも何もなく、またプロデューサーのネタもないようだね。
 そんな夜には、プロデューサーが適当に選んだゲストを招いての、ぶっつけ本番やぶれかぶれトークをしろとのお達しだ。それでは本日のゲストの方、どうぞ。

♪BGM やたらポップで可愛い感じの曲

むーさん「むー!」
のーさん「のー!」
トータ「…………」
むーさん「むー?」
のーさん「のー?」
トータ「……まさか、第三回目にしてここまでのピンチを迎えるとは思わなかったよ。プロデューサーは一体何を考えているんだい、言語が通じない謎の生命体を相手取って、一体どんなトークをしろと言うんだ」
むーさん「むーぅ?」
のーさん「のーぅ!」
トータ「はぁ……まぁ、今まで全く何の説明もなかったキャラクターだし、この機会に紹介しようと言う腹積もりなのだろうね。改めて、『弦月の仮宿』オリジナルキャラクター、むーさん&のーさんにお越し頂いたよ。登場小説はなし、フレームタイプのイラストページトップにだけ唯一姿を見せているキャラクターだね。ちなみに、口を“むう”と閉じて怒っている方がむーさん、もう一方の笑っていのがのーさんだ」
むーさん「むう!」
のーさん「のぉ!」
トータ「この二人……二匹? が何なのか説明するのは難しいね。プロデューサーが中学生の時に考えたキャラクターで、その母校に棲み付いている精霊だとか、当時の友人の守護霊だとか、よく分からない設定の元生まれたはずだ」
むーさん&のーさん「「むー! のー!」」
トータ「むーさんは怒りっぽくて気難し屋、のーさんはいつも上機嫌で能天気。趣味は罪のないような悪戯。サイト『弦月の仮宿』における管理人の自爆行為や誤字脱字は、全てこの二人の悪戯の所為なんだよとか、プロデューサーは見え見えの嘘設定をでっちあげていたね」
むーさん「むむぅ!」
のーさん「のーぅ!」
トータ「ところで、ここだけの話。君たちは、自分たちの名前の秘密を知っているかい?」
むーさん「む?」
のーさん「の?」
トータ「『無』さんと『NO』さん。つまり……君たちは存在しない、ゼロのキャラクターなのさ」
むーさん&のーさん「「……!?」」
トータ「おや? もうお別れの時間のようだね。それでは皆さん、次の放送をお楽しみに……」
むーさん「むぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
のーさん「のぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

♪BGM 「Night on Bald Mountain」‐はげ山の一夜‐  





●第4夜

エベル「よぉ、今夜も『弦月の仮宿』の時間がやって来たぜ! パーソナリティーは俺、ことエベルだ、宜しくな。それじゃあ早速、本日のリクエスト行ってみようか!」
トータ「もしもし?」
エベル「お便りはRN.月影の魔法使いさんから。何々、『エベルさんの魔法が見たいです』? おっと、これはちょっと張り切っていかないとだな!」
トータ「その耳は飾りか、もしくは風穴かい? いい加減に、正面に居る人物を無視して話を進めるのを止めていただけやしないか」
エベル「あーもう、何だよ、今いいところだったのに! 別に良いだろ、ちょっとの間くらいパーソナリティーが変わったってさ」
トータ「変わること自体に不満はないけれど、突然ノックも挨拶もなく乱入してきた見知らぬ男にいきなりマイクを奪われ勝手に放送を始められることに対しては相当の不快感を覚えているんだけどね」
エベル「ぐちゃぐちゃうるせぇな。そんな細かいこと気にしてると、いつまで経っても大きくなれないぞ!」
トータ「どうやら本気で喧嘩を売りに来たようだね。背が高いことに一体何の優越があると言うんだ。そもそも僕は貴方のことを全くもってこれっぽちも知らないんだけれど、この頭春模様のお調子者は一体全体何処のどちら様なのかな?」
エベル「お、何だ、やるか?」
ユリ「わあぁっ、エベル、何してるんですかあなたは!」
エベル「お、ユリ」
トータ「……どうも、また知らない顔が増えたね」
ユリ「本当に乱入するだなんて思いもしませんでしたよ、もう! 申し訳ありません、とんだご迷惑を。今すぐ引き摺ってでも連れて帰りますので」
エベル「なんでだよ、良いだろ別に! あいつだって『行ってくれば』とか言ってたし、ここのプロデューサーもニヤニヤ顔でGOサイン出してるじゃねぇか!」
トータ「あの阿呆プロデューサーは、すぐに何でも調子に乗って悪ノリしてしまうんだから、下手なことを言ったりやったりしないで欲しいものだね。それで、そろそろ名乗るくらいしても良いんじゃないのかい?」
エベル「最初にちゃんと名乗ってるっつーの」
ユリ「エベル! ……ええと、改めまして。相互サイト『月影草』・創作小説『The Old Magic』より、こちらの彼はエベル、僕の名はユリアーンです」
トータ「最初からそういう態度で臨んでくれれば、僕だって嫌悪感を露わにしたりしなかったんだけどね。まぁしかし、普段からお世話になっているサイト様からのゲストとあっては、荒っぽく追い出すわけにもいかない。というか、いくらさりげなく許可が下りたからと言って、いきなり招待するプロデューサーが悪いに決まっているしね」
エベル「ま、追い出せるもんなら追い出してみろって感じだけどな。俺の魔法を舐めるなよ?」
トータ「貴方達の実力の程はしらないけれど、こちらにも反則に近い用心棒が山ほど揃っているのでね。あまり図に乗らないことが身の為だ」
ユリ「あの、今は生放送中では? 先から二人の睨みあいばかりが流れまくっているようですけれど」
トータ「それは丁度いい、彼が言い返しの一つも出来なくなる様をこれから全国に生中継出来るね」
エベル「俺達がこの番組を完全に乗っ取るまでの軌跡をライブ中継するぞ、ユリ!」
ユリ「しません。それでは終了時間も迫ってきたことですし、今夜はこの辺りでお別れとしましょう。皆さん、素敵な夜をお過ごしください」
二人「「さりげなくまとめられた!?」」


※夢裏徨様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『月影草』・創作小説『The Old Magic』より、エベル&ユリさんお借りしました。





●第5夜

ピアニー「良い晩だな、今宵も『弦月の仮宿』の時間がやって来たぞ。案内は『歪みの伝導師』より私、スメルト=ピアニーだ。一つ宜しく頼む」
トータ「どうも今晩は。さて、今日はパーソナリティーを貴方と共にやれとのプロデューサーからのお達しだ。まだついこの間、ゲストとして招いたばかりなんだけどね」
ピアニー「ふむ、言われてみればそうだな。何か事情があるのやも知れぬぞ。まあ、仲良くやろうではないか」
トータ「そうだね、とにかく始めよう。今日もお便りは特にないけれど、またしても特別ゲストをお迎えすることになったみたいだね。それでは早速、ゲストの皆さん、どうぞ」

♪BGM チャイコフスキー 組曲「くるみ割り人形」より「行進曲」

カイ・テオ・クウリ「「「今晩はー!」」」
トータ「ようこそいらっしゃい。相互サイト『白虹太陰』・創作小説『風刻の者』より、カイさん、テオさん、クウリさんの三人にお越しいただいたよ」
カイ「うわあ、良かったのかなこんなところに来ちゃって? 僕、ラジオ出演なんて初めてだ」
クウリ「はっ、情っけねぇなあカイ。たかだかラジオ出演くらいで舞い上がっちまうなんてな」
テオ「クウリ、偉そうなこと言ってるけど、あんたも足ブルブルしてるわよ? もう、二人揃って恥ずかしいわね」
トータ「今日もまた、阿呆プロデューサーが相互サイト管理人様の甘言に乗ってしまったようだね。まあ折角の出演だ、楽しんでいくと良い」
ピアニー「おお、誰かと思えばテオではないか! 久しいな、息災でおったか?」
テオ「ピアニーさん! わあ久しぶり、私は元気よ! そっちこそ変わりはない?」
ピアニー「うむ。成程、私が呼ばれたのはこういうわけであったか。いつぞやは随分と世話になったな」
テオ「こちらこそ! あの時は楽しかったわね、また是非……」
クウリ「待った待った待った待った! おいテオ、何だよその若白髪は? 何でそんな親しそうなんだよ」
テオ「ちょっと何よ馬鹿クウリ、失礼じゃないの。今ピアニーさんと話してるんだから邪魔しないでよ」
クウリ「何だとこのじゃじゃ馬女! おい、テメェも随分慣れ慣れしいんじゃねぇのか、一体こいつの何だってんだ」
ピアニー「ほほう? ……ああ、成程、そうか。のう、名乗りもせずに済まなかったなお主。何、テオとはちょっとした縁でな。まあ、“親しくさせて”貰っておるぞ。そうであろう、テオ?」
テオ「え? ええ、そうね」
クウリ「……っ!?」
ピアニー「そうだテオ、折角ここまで足を運んだのだから、後でまた“二人で一緒に”、どうだ?」
テオ「あ、それ良いわね! 喜んで!」
クウリ「な、なななななな……!」
テオ「クウリ、先から一体何なのよ。変な顔して?」
クウリ「か、かかか帰る! こんなとこもう良いだろ、もう用なんかないだろ、ほら二人ともさっさと帰るぞ!」
テオ「はあ? ちょっと、まだ何にも話してないんだけど」
ピアニー「そうだそうだ、帰るならば一人で帰れば良いではないかお主(ニヤニヤ)」
クウリ「っ表出やがれぇぇ!」
トータ「…………」
カイ「…………」
トータ「ところでカイさん、『風刻の者』の主人公は、一体誰なのか伺っても?」
カイ「僕、なのかな、たぶん」
トータ「ならば貴方に、この状況を収集させるとっておきの権限と呪文のメモを託すよ。はい、どうぞ」
カイ「あ、どうも。ええと、『どうやらお別れの時間が来たようです。それでは皆さん、良い夜を』」
トータ「またお会いしましょう」

♪BGM ハチャトゥリアン 「剣の舞」


※透峰零様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『白虹太陰』・創作小説『風刻の者』より、カイさん&テオさん&クウリさんをお借りしました。


(第5夜を受けて、透峰零様が描いてくださいました!)






●第6夜

♪BGM N○K「今○の料理」のあのテーマ

オイル:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿・今日の修復』の時間がやって来ました! パーソナリティーは勿論、修復屋のオイル=ギア! どうぞ宜しく〜!
 さてさて、このコーナーでは、日常のちょっとした『修復』についてのお困り事相談に、オイラがアドバイスを送っちゃうよ!
 普段ご家庭や職場で使っている機械や道具、家財が壊れてしまった! でも業者を呼ぶほどでもなさそうだし、自分でなんとか直せないかな? ってこと、ありませんか? ありますよねぇ?
 そこでオイラの出番! 誰にでも出来る修復の方法を、ここで分かりやすく解説しちゃいます!
 それでは早速、一つ目の御相談!

RN.地球(ほし)の玉子様 さん
「幼馴染が牛乳を飲んでいるところを狙って1ボケかまして、思いっきり噴き出させ、それ以来一切口を聞いてくれません。どうやったら関係を修復できますか?」

 今すぐ土下座して謝ってきなさい!
 何コレ、これなんか修復と違うよね? いや確かに日常のちょっとした壊れかもしれないけど、違うよね!
 こういうのはこのコーナーじゃなくて、もっとこう、大人な人がパーソナリティーやってる相談系の番組とかに言ってよね!
 あとRNが全然反省してない! しかも誤字ってる……いやこれワザと? こんなところでまで1ボケしてるの? ねぇ?
 ……はぁはぁ、き、気を取り直して、次の御相談いっくよ〜!

RN.不可抗力 さん
「勤務中に職務遂行を焦るあまり、近隣民家の壁を二枚、約三メートル四方に渡って貫通させてしまいました。家人に発見されないうちに痕跡を残さず修復する方法を教えてください」

 何でじゃあああああぁぁぁぁぁ!
 一体どこをどうすればそんな状態になるの!? RNで言い訳しないでよ、何が不可抗力なのさ!
 こんなラジオ投稿で直そうと思わないでよ、素直に業者さん呼んでよ!
 っていうか、家人に発見されないうちにって、謝る気ゼロだよこの人! 業者の前に警察、警察呼んで!
 次、もう、次の相談!

RN.味噌汁好き さん
「勤務中に職務熱心過ぎたあまり、とある地域におけるライフライン(水道・ガス・電気)を一刀両断してしまいました。今手元にあるのはア○ンアルファ一本です。修復する方法を教えてください」

 直るかあああああぁぁぁぁぁ!
 ああっ、なんかこの投稿者の住所、さっきの投稿者とほとんど同じなんだけど! まさか同じ職場の人物!?
 一体どういう仕事してるのさ、どうすればこんな危険人物ばっかり揃うってゆーの!
 もう知らない、付き合ってらんないよ、オイラそもそもツッコミでもないってのに……ん? もう一枚はがきが……。

RN.一介の漁師 さん
「商売道具の釣り竿の柄に、古くなったのかヒビが入ってしまいました。巧い修復・補修方法はありませんか」

 ……これだよ、こーゆー相談を待ってたの、オイラは!
 何々、昔から大事に使っている愛用品だし、新しいものを買うお金はない。一から作っても良いんだけど、直せるのならもっと使ってやりたい……うんうん、良い心がけだね、修復屋心をくすぐるね!
 それでは教えちゃいましょう、とっておきの修復方法! まずは釣り竿の破損個所に手を当てて、意識を集中して! 直った姿をイメージして一言、『修復』!
 するとどうだ、釣り竿はまるで新品のように綺麗に修復されているはず!
 いかがでしたか、RN.一介の漁師さん? これからもその釣り竿、大事に使ってあげて下さいね!
 それでは、オイルの三秒リペアリングのコーナーでした〜!

♪BGM N○K「今○の料理」のあのテーマ

 −最後はツッコミ不在でお届けいたしました−





●第7夜

田中:
 グッドイーブニング、エヴリワン! 『弦月の仮宿』の時間がやって参りました! パーソナリティーは『田中君と山川君』より田中卓也、貴方の田中卓也です☆
 いやぁ、実際のところ、皆待ってただろ? いつかは絶対俺が来ると思ってたよな? 俺がここで思う存分語りまくるのを楽しみにしてたよな? お待たせしました、今夜は特別拡大版で、心行くまで俺の名パーソナリティーぶりをお楽しみください!
 それでは本日のリクエスト! ……リクエストは……え、何、何もないの? 質問もリクエストも? あ、マジで?
 ……それではここで、本日のゲストをお招きしましょう! カモ〜ン、スペシャルゲスト! ……ゲスト、も、誰もいないの? え? 俺一人? 一人で進めるの? そういうノリなの?
 あ……そう……うん、良いよ、俺だもんね、俺だからこそだもんね、俺なら出来ると皆が思ったんだもんな、俺頑張るよ?
 
 さて! さてさて! さてさてさて!
 ラジオの前の皆さーん! 今日は何の日か知ってるかな? 3.14、これで何を思い出すかな? ……そう、円周率! 何を隠そう、今日は「数学の日」だ!(※注:本当です) ってわけでこれから、数字の素晴らしさについてみっしり二時間三十分語りに語っちゃうぞ!
 ……まあ、冗談はそのくらいにしておいて。
 はいはい、俺だって知ってるよ、分かってるよ! 今日はホワイトデーだろ? 世の中のモテ男が鼻っ柱を高くしながら、下心見え見えでクソ高ぇ贈り物をする日だよな。
 ん? それって僻みだろって? ちっちっちっ、今年の俺は一味違うぜ。何せ今年のバレンタインは、サイトの企画でたくさ〜んプレゼントを貰ってるんだからな! 俺も晴れてモテ男の仲間入りってわけよぅ! ふっふふ〜ん!
 結局、今年サイトでチョコレートを貰えたのって俺と山川だけだしな。ふはははは、T&Yが世界を獲る日も近いってもんだぜ!
 ……へ? どこぞの企画でちゃっかりチョコレート貰ってる野郎がいる? あ、そう……。リア充空中分解しろ(ぼそり)
 とにかく、今日この番組を任されたからには、俺は皆にお返しをしなけりゃいけないよな! うん、それが俺の仕事ってわけだよな! 俺からの精いっぱいのお返しを、ラジオの電波に乗せて皆に届けるぜ!
 と、いうことで! 
 田中卓也、歌います!
 俺からの熱い愛を! 心をこめて! そう喉が枯れるまで!

〜今日の放送予定・第一部〜

1.あの素晴らしい田中をもう一度
2.田中の賛歌
3.田中は不死鳥
4.田中燦々
5.田中のままで……

田中:
 皆、号泣の準備は良いか!? それでは一曲目、レッツ シンガソーン!



 カレー賭けてと 誓った日から

♪ 

山川:
 曲の途中ですが、そろそろ放送終了時間が近づいて参りました。それでは皆さま御機嫌よう、良い夜をお過ごしください。

(ブツン)

‐強制終了‐





●第8夜

トータ:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーは阿呆二人を経由して、再びトータ=リーグマンです、どうぞ宜しく。
 それでは早速、本日のリクエスト葉書を読ませて頂くとしようか。皆さん、たくさんのリクエスト本当にありがとうございます。
 何々、「なんだか現時点で影の薄い、NAVIGATORシリーズの皆さんを出してあげてください。個人的にはメインの二人、ポルク君とディー君を希望します」……なるほどね。
 では、実は本日の放送開始時点からそこに座っていた影の薄い二人にマイクを回すとしようか。「NAVIGATOR44」より、ポルク君とディー君、どうぞ。

ポルク「影薄いなんて始めて言われたよボクら!? 何で? 一番のメイン小説の主人公のはずなのに、いつの間にこんな立ち位置になっちゃったの!?」
ディー『他の小説の連中に負けるならともかく、最近、ゲンやキリーと比べても薄くなってるからな。それもこれも全部、あのプロデューサーが俺達の関連作品執筆をサボってるせいだ』
ポルク「ねえ、どうしてボクらの話、ちっとも進めて貰えないの? secondから、もうかれこれ五年は経ってるんだよ?」
ディー『設定に無理がありすぎて、一から全部書き直さないと先に進めやしないんだけど、その気力と時間的余裕がないんだとさ。頭悪い設定ばっかり並べやがって、ちゃんと煮詰めてから書き出せよな、中学生時分のプロデューサー』
トータ「公共の電波に乗った堂々たる陰口に花が咲いているところ悪いけれど、まさか放送終了まで愚痴り続けるつもりかい? 僕から言わせてもらえば、そんな風に文句を言ってばかりだから続きも書いて貰えないんじゃないのかな?」
ポルク「わ、分かったよ、悪口やめるよ! やめるけど……それで、ボクら一体何をすれば良いの? フリートークとか自由行動って、ボク凄く苦手なんだけど」
トータ「さあ? リクエストには、二人を出してくれとしか書かれていないからね。一体何を期待して君たちをリクエストしたのか、僕が知るところではないさ」
ポルク「“あの生意気な減らず口のチビちゃんを、同じく生意気で減らず口のディーなら言い負かしてくれるか、とか期待されてるんじゃないか?”……って、さっきゲンが言ってた」
トータ「……あのウドの大木、今後この番組に登場することがあるなら覚えておくと良い」
ディー『俺、今、こいつより遥かにゲンの方を完膚なきまでに言い負かしてやりたいんだけど』
ポルク「でもさディー、確かにそうかもしれないよ? ディーだって口喧嘩は得意でしょ、良い勝負になるかも」
ディー『まあ、勝つ自信はあるな』
トータ「おや、ではそこの謙虚という言葉を知らない球体君に訊こうじゃないか」
ディー『お、何だ? 何でも言ってみろよ』
トータ「西暦2900年代を舞台とする作品、NAVIGATOR44・secondに登場するデジタルタワーは、作中で“420m”“国内最高の高さを誇る”と書かれているけれど、2011年3月現在、東○スカイツリーの高さは625mに達し、最終的には634mに到達する予定だ。この件について意見を聞かせて欲しいね」
ディー『…………』
ポルク「…………」
トータ「…………」
ディー『……secondが書かれた時にはまだそんな話(たぶん)聞かなかったんだよ、東○スカイツリー……!』
トータ「900年も未来の話を書くにあたって、ほんのわずかな進化しか予想しなかったプロデューサーの負けだね」
ポルク「うわぁ、ディーが負けた……しかも釈然としない負け方で」
ディー『今のは卑怯だろ、作品設定に突っ込まれたら何も言い返せないんだよこっちは! っていうかそれは俺じゃなくてプロデューサーが阿呆なのが問題で!』
トータ「でも負けは負けだ。相方も認めているし、正々堂々戦おうなんて前口上もなかった。というわけで、二人とも、ホラ」
ディー『? 何だ、この紙』
ポルク「“契約書 『NAVIGATOR44』よりポルクとディーを、他サイト様が(ある程度)無条件にレンタルすることを認め、また、その際いかなる目に遭わされても文句を言わないことをここに契約します”……って、え?」
トータ「今回リクエストされた方のお宅のお子様が、二人に興味を持っているらしいね。解剖したいだとか解体したいだとかで」
ポルク「へ? ……え!?」
ディー『おおおオイ、認めるかそんな契約! ポルク、間違ってもサインなんか……』
トータ「契約書は最後まで読むことだね。契約者はプロデューサーの名前だろう? すでに契約は成立していて、二人にはただ、確認のために見せただけだよ」
ディー『それ、口喧嘩も勝ち負けも何も関係ないだろ! いいさ構うな、そんなもん破り捨てろポルク!』
ポルク「了解、ディー!」
トータ「ああ、それはコピーだから、記念にとっておくなりどうぞご自由に? それでは皆さん、今夜はこの辺りで……」
二人「『クーリングオフ! クーリングオフ!』」


※リクエストありがとうございました!





●第9夜

山川「今晩は、『弦月の仮宿』の時間になりました。今日のパーソナリティーは俺、こと山川健悟……」
田中「と! 田中卓也でお送りしま〜す!」
山川「ん? 今回司会指名されたのって俺だけだと思ってたけどな。お前、ホワイトデーに一暴れしたばかりだろ。まだ醜態をさらけ出し足りないのか?」
田中「山川ってば目立ちたがりぃ。残念でした、今回はセットでパーソナリティーなんですぅ〜。プロデューサー曰く、『山川一人だけだと堅物すぎて面白くもなんともないから、お前ちょっと行って掻き回して来い』ってさ」
山川「あのプロデューサー、この番組に何を求めてるんだよ……?」
田中「『笑い』? あ、あと、何か今回はペットを連れてこいっていうから、うちのパトラッシュ(猫)を連れて来たぞ」
パトラッシュ「にゃー!」
山川「ふーん、どういう趣向だろうな? ええと、今日は特別ゲストを招いてあるのか。ここのリスナー、無謀と紙一重の勇者ばっかだな」
田中「それではゲストの皆さま、どうぞ〜!」

♪BGM ヴィヴァルディ 「四季」より「春」

義希「おっ邪魔しま〜す!」
蒼「今晩は!」
倫祐「……(ぺこり)」
山川「ようこそ当番組へ。相互サイト『ねこの缶詰』・創作小説『anemone』より、義希さん、蒼さん、倫祐さんにお越しいただきました」
田中「あ、猫だ猫! なあ、その頭の上にいる猫、名前は?」
倫祐「……ハルカ」
田中「だってさパトラッシュ、猫友になれると良いな! ほら、必殺☆肉球握手〜!(←肉球を持って差し出し中)」
倫祐「(応え中)」
義希「お、健悟! 久しぶりだな、今日は呼んでくれてありがとな〜!」
山川「! ああそうか、それで俺が呼ばれたのか。こちらこそ、いつぞやはどうも。あの時お茶出してくれた子は今日は来てないんだな」
義希「海羽か? あいつはラジオ放送だって言ったら恥ずかしがっちゃってさ〜」
山川「そうか。ホワイトデーの余りのお菓子があるから、良かったら土産に持っていって……」
田中「……山川? 山川君? 俺をおいてけぼりでお話しないでほしいな? 田中は寂しいと拗ねちゃうんだぞ? この人たち、俺、知らないんだけど?」
山川「ウサギの亜種かお前は。えーと、以前あちらのサイトにお邪魔させて貰ったことがあるんだよ、俺。だから義希さんと倫祐さんには面識があるんだ」
蒼「それは僕も初耳ですね。そんなことがあったんですか、それは僕の仲間たちがお世話になりました」
山川「ああいや、こちらこそ」
田中「何だよ何だよ、お前だけそんな楽しい思いして、新しい友達まで作ってズリィよ山川! 俺だって行きたかった、他のサイト様で和気あいあいしたかった〜! このぅ、くらえ必殺☆肉球ラッシュ!(もふもふもふもふ)」
倫祐「(さりげなくもふもふ)」
義希「何だよ、だったらお前もうちに遊びに来ればいいんじゃね? 皆で一緒に騒ごーじゃん!」
田中「へ? マジで、良いの!? 俺行っちゃうよ、調子乗っちゃうよ?」
義希「良いって良いって、大歓迎! 何ならいっそ、俺達と一緒に旅に出ちゃうか?」
田中「わわわ、行きたい行きたい! 山川、聞いた? 俺行っちゃうかもよ、憧れの剣と魔法の世界にゴーイングマイウェイしちゃうかもよ!?」
山川「お前はすでにゴーイングマイウェイだろうが……で、こんなこと言ってるけど?」
蒼「そうですね、安全面の問題から、ある程度の戦闘力のほかに、お酒を一樽開けても大丈夫なアルコール免疫・眉間を狙い撃ちされても避けられる瞬発力、その他諸々の能力さえ身につけて貰えれば(にっこり)」
一同「…………」
田中「……剣と魔法の世界ってシビアだな、山川(もふもふもふもふ)」
山川「(……体よく追い払われたな)」
義希「(……俺、眉間狙われたら避けられるかな?)」
倫祐「(もふもふもふもふ)」
蒼「名残は尽きませんが、そろそろお時間のようです。それでは皆さん、良い夜をお過ごしください」
山川「(そして最後も持って行かれたか……)」


※ぁさぎ様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『ねこの缶詰』・創作小説『anemone』より、義希さん、蒼さん、倫祐さんお借りしました。





●第10夜

トータ:
 皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーはトータ=リーグマンです、どうぞ宜しく。
 さて、今夜はリクエストはがきも特別ゲストもいないようだから、面白味のない平凡ゲストでも招くとしようか。
 『夢追人〜DREAMERS〜』より、蛍夕さん、朱紫さん、どうぞ。

蛍夕「今晩は!」
朱紫「……(ムスッ)」
蛍夕「お、おい、朱紫……?」
トータ「ようこそお二人とも。正直、貴方達が出てきて喜ぶお客さんや今回の放送内容を期待するお客さんはゼロに等しいと思うけれど、そこはネタがないから勘弁して貰おうか。それで、そっちの仏頂面は元々そういうキャラなのかな?」
蛍夕「いや、確かに愛想は悪いけど、ここまででは……ええい、何なんだよ朱紫、連星にトドメをとられでもしたか? それとも雪華に術でもぶちかまされたとか?」
朱紫「何でもない」
蛍夕「何でもないやつは“ギロリ”って擬音つけて人を睨んだりしないだろ! さっきからイライラオーラがちくちく刺さってくるんだけど」
トータ「……さて、たまには趣向を変えて、ゲスト二人に場を任せてしまうのもありか。僕はこの辺りで退席するので、あとは頼んだよお二人とも(ガタン)」
蛍夕「ちょ、ちょちょちょ待ったぁっ! それないだろホント!? こんな不機嫌最高潮状態の朱紫と密室で二人きりとか勘弁なんだけど!」
トータ「自分のお仲間だろう、自分でなんとか宥めすかしてごらんよ。僕は久々にハナダとゆっくりお茶でも飲ませて貰うことにしよう」
蛍夕「そこを何とか! もし君が夢魔に憑かれた時には、特別に無料で退治を請け負うから、な!?」
トータ「貴方たちに何とかして貰う必要はないね。頭の中に出てくる怪物くらいなら、口八丁で倒してしまう自信はある。けどまあ、このまま残り時間ピリピリした空気のままダンマリと言うのも番組的に好ましくないか、仕方がないね」
蛍夕「助かります……」
トータ「それで、彼が不機嫌な理由に心当たりはないのかい?」
蛍夕「へ? いやだから、連星か雪華と何かあったか、じゃなかったら大学の講義で教授の小ネタをノートに取り損ねたか、学食のカレーに肉が入ってなかったか……」
トータ「随分愉快な仲間をお持ちのようで何よりだ。ちなみに、僕の方には心当たりがあるよ」
蛍夕「え、マジで?」
トータ「ヒント1、春。ヒント2、桜」
蛍夕「?」
トータ「ヒント3、トップ絵」
蛍夕「……あ」
トータ「気付いたようだね。そう、三年前からこのサイトでは、毎年桜の時期のトップ絵は夢追人の面々が飾っていた。三年前は蛍夕さん、貴方。二年前は雪華さん、昨年は連星さんだ。当然、次のトップは最後の一人のはず……」
蛍夕「けど、今日変わったトップ絵は、夢追人どころか桜とすら関係なかった。勿論、朱紫は出ていない。その上、どうも4月上旬までに入れ替わる様子はなさそう……?」
トータ「御明察」
蛍夕「……え、本当にそれでむくれてるのか、朱紫? トップ絵になれなかったから?」
朱紫「……(そっぽ向く)」
蛍夕「……あ、いや、ほら何だ。管理人もさ、たぶん色々あるんだって。今の時期忙しいらしいし? 苦渋の決断だったんだよ、たぶん」
トータ「まあ、正直そろそろ似た様な構図ばかりで飽きてきたし、朱紫さんは一応美系設定で描くのが厄介だし愛想もないし前髪もどうなってるんだかよく分からないし、動きと言えば拳法だからポーズも描きにくいしで、管理人が意図的に避けたと言う説も否定は出来ないけれど」
蛍夕「ちょ!?」
朱紫「余計な世話だ……!(ピキピキピキ)」
蛍夕「ああああああ! 朱紫待て、押さえろ我慢しろ、ここでキレたら全国生放送……!」
トータ「おっと、向こうでお茶が入ったようだ。それでは僕はこの辺りで。あとの番組と、これから壊れるだろう放送機材の後片付けは宜しく頼むよ、蛍夕さん。それでは!(ぱたん)」
蛍夕「ああああああああああああ!」

(ブツン)

‐強制終了‐





●第11夜

トータ「お久しぶりです、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーはトータ=リーグマンと」
ロー「『ノンフィクション』よりロー=アンバーです。どうぞ宜しく」
トータ「それで、これはまた一体どういう組み合わせなのかな? 正直、僕と貴方は口調が被っている上に、共に胡散臭くて仕方がないのだけれど」
ロー「さあね? 今日はリクエストハガキがきているようだし、僕じゃないと答えられないような内容の質問でもあるんじゃないのかい?」
トータ「それじゃあ、今日のお便りは貴方に読んで貰うとしようかな」
ロー「オーケイ、任されたよ。それではRN.オイラは愛の戦士さんより。夢のあるRNだね。『こんばんはー、いつも楽しくラジオ見てます』これはどうもありがとう。『早速ですが、質問させていただきます。そちらには、ウチのごーちゃんのような、ツンデレさんはいますか? いたら、うちのごーちゃんが『ツンデレ度100』とすると、その子はどのくら――』……ここで唐突に文章が切れているね」
トータ「その『ごーちゃん』とやらを僕らが知っていることが前提の質問だね、これは」
ロー「ツッコミどころはそれだけかい?」
トータ「いや、ぶっ飛び過ぎていて、正直どこからコメントしていけばいいか分からないのさ。ええと、まず何だ。『ツンデレ』?」
ロー「『初めはツンツンしているが、何かのきっかけでデレデレ状態に変化する』、あるいは『普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対しデレデレといちゃつく』、もしくは『好意を持った人物に対し、デレッとした態度を取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼に接する』ような人物、またその性格・様子のことだね」
トータ「解説どうも。随分と詳しいね」
ロー「僕の魔法(ウィキ○ディア)でちょちょっとね。まあこれに関しては諸説あるようだし論争も絶えないみたいだけど、これまた魔法で『ごーちゃん』とやらについて調べてみたところ、どうやら今回の場合は『好意を持った人物に対し天邪鬼な態度をとる』パターンが一番近そうだね。まあ実も蓋もない言い方をするなら、『一般的にツンデレと言われるような言動をする』ならツンデレなのだろうけど。はいこれ資料(魔法で出現)」
トータ「ふうん……(ぱらぱら) と、ここでこれ以上ツンデレ談義をすると、番組の方向性を見失いかねないね。本題は、このサイトにそのツンデレに当てはまるキャラクターが存在するかということだけれど」
ロー「ああ、僕がここに呼ばれた理由が分かったよ。僕も君も、話にヒロインが存在するんだね。一般的には、ツンデレというのは女性キャラクターの特性をさすだろう?」
トータ「ヒロイン、か。まあ、ハナダは当てはまらないと思うね。ツンもないけれどデレもないから」
ロー「レックルも、ツンもないけどデレもないね」
トータ「……」
ロー「……まあ、気を取り直していこうか。他の女性キャラクターを挙げてみようか? ええと、ハーブ、リム=リル、ワカ、雪華……少ないな、女性が」
トータ「誰もツンデレという感じじゃないね、どうも。そもそも恋愛要素がほとんどないからね、このサイトは」
ロー「キリーはどうだい? 割と良い線行っていると僕は思うけれど」
トータ「その人の名前、挙げないで欲しいのだけれど。この局の配線関係を全て切断されかねないよ」
ロー「ヒロインは諦めて、男性キャラクターで探してみようか。例えばホラ、山川なんてのは、田中に冷たい態度をとってるけどそんなに嫌っているわけじゃなさそうだし……」
トータ「会話が酷く気色が悪いものになってきたね、どうも。男同士で好きだ嫌いだってのは止めておかないかい?」
ロー「うーん、何がツンデレで何がそうじゃないんだか分からなくなってきたよ。一体どういうキャラクターがツンデレで……」

(ばたーん!)

ゴウ(乱入)「おい、ここに変なハガキ届いてないか!?」
トータ「おや、いらっしゃい。どちら様?」
ロー「ああ、さっき千里眼で見ていた彼だ。相互サイト『らーぶ・アーンド・でぃーすとらくしょん』創作小説『NO NAME』のゴウ君だね」
ゴウ「? 何で知ってんだ……いやそれよりハガキだよ! あの頭上無法地帯がアホなこと書いてやがったから破り捨てようとしたんだけど、取っ組みあってるうちになくなっちまって……ったく、あんなの送ったら番組が滅茶苦茶になっちまうだろうが!」
トータ「ハガキ、ね……いや、僕らは知らないな」
ロー「それで、君は番組を心配してわざわざ息を切らせて駆けつけてくれたのかい? 僕らが困ってしまうだろうって?」
ゴウ「べっ……別にそんなんじゃねぇよ、身内のアホを公にさらしたくなかっただけだ! 届いてないならどうでも良いんだよ、邪魔したな!」

(ばたーん!)

トータ「……ツンデレだ」
ロー「……ツンデレだ」


※寺音様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『らーぶ・アーンド・でぃーすとらくしょん』・創作小説『NO NAME』より、ゴウさんお借りしました。





●第12夜

トータ:
 ご無沙汰しています、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーはトータ=リーグマンです、どうぞ宜しく。
 さて、今日は皆さん知っての通りのエイプリルフールだ。相互サイト様や行きつけのサイト様で楽しいネタを見た管理人が、歯ぎしりをして悔しがっているようだね。
 こんな日記更新もままならないようでは、そりゃあ凝った嘘をつく余裕なんてないだろうし、そもそも遊んでいる場合じゃないとは思うけれどね。
 だけどまぁ、血涙を流して悔しがっている姿があまりにみっともないので、少しくらいはイベントに参加してみるとしようか。
 というわけで、『弦月の仮宿』主人公の皆さんに登場して貰っているよ。
 全員とグダグダ喋っている時間はないから先に説明させて頂こう。ルールは一つ、何らかの嘘を言わなければならない。これだけだ。一番面白い嘘をついた主人公に、次の番組パーソナリティーの座がくるというのでどうだろう。
 それでは、適当な順番で行くとしようか。テンポよくお願いするよ。


太助「母ちゃんが賽銭箱に躊躇なく銭を投じた!」
トータ「それが嘘になりえるってどういう母親だい」
レックル「ナワバリを巡って3メートル越えの人食い熊に戦いを挑んで惜敗しちゃった」
トータ「どこからどこまでが嘘なのさ、それ」
正和「お、俺に可愛い彼女が出来た!」
トータ「はいはい良かったね」
ポルク「ロボットは本当のことしか言わない」
トータ「クレタ人のパラドックスもどきか」
オイル「国からオイラへ正式に、被災地復興支援要請が来た!」
トータ「ホントに行ってきたらどうなんだい……ああ、本気で行きたいのか」
蛍夕「学食のラーメンのチャーシューの厚さが2ミリから2センチになった!」
トータ「それは貴方の希望かな?」
山川「三年のクラス替えで田中と違うクラスになった」
田中「Σぅええっ!?」
トータ「六年以上高校二年生やってるだろう貴方達」
ピアニー「soundコーナーに、新曲“ティリストの酒”と“石工街歌”がUPされておるぞ」
トータ「……そのうち実現しかねないのが怖いところだね」
田中「俺、実はファテキュアオイット星からエグテチョワ号に乗ってやってた来たビュアォォッロ人なんだ!」
トータ「さらっと発言出来たことに拍手しておこうか」


ポルク「ええと、これで全員言ったんじゃない? 誰が一番面白かったか決めてよ」
トータ「そうだね……それじゃあ、一番しょうもない嘘を堂々と言い放った田中君で」
田中「マ〜ジでぇぇっ!? うおっしゃあ、流石俺、流石ビュアォォッロ人だぜヒャッホウ! 次回のパーソナリティーの座GETだぜ! どうしようかな、何やろうかな? 田中君恋愛相談室? 田中君の爆笑メドレー? 田中劇場1時間スペシャル? ラジオの前の皆〜! 俺の第二回名司会っぷりを、どうぞお楽しみにぃぃぃ!」
トータ「まあ、それ嘘だけどね」
田中「!?」





●第13夜

レックル「今晩は、お久しぶりです! 『弦月の仮宿』の時間がやってきました! 今日の司会は『ノンフィクション』よりレックル=ヴァーミリオンと」
ロー「同じく『ノンフィクション』よりロー=アンバーだよ。どうぞ宜しく」
レックル「あれ? ローって二夜前にも出てなかったっけ。なんかちょっとズルいよ?」
ロー「気にしない気にしない。さてそれでは早速、今日のリクエストを紹介しようか。頼んだよ、レックル」
レックル「うん、それじゃあ読むね。ええと、『秋待さん家とうちの魔法使いの夢の共演かっこわらい』、だってさ」
ロー「“(笑)”は読まなくて良いんだよ、レックル。ということで、本日のスペシャルゲストのお二方、どうぞ」

♪BGM ガーシュウィン 「ラプソディー・イン・ブルー」

ゼロ「こーんばーんは〜!」
ルビセル「今晩は……ゼロ、声が大きすぎて音が割れてるぞ」
ゼロ「げげ、やばっ! だって俺、ラジオとかって始めてなんだよ!」
ロー「ようこそいらっしゃい。相互サイト『アサボシ』・創作小説『The legend of nihility』より、ゼロ・ローズフィールドさんとルビセル・アダマスさんにお越しいただいたよ」
レックル「うわぁ、すごいすごい! こんな大きな喋る兎、始めて見た……あ、ごごごめんなさいルビセルさん、すごく失礼なこと言っちゃった!」
ゼロ「あ、いーよいーよ、ホントのことだから」
ルビセル「どうして君が許可を出しているんだ? そちらの彼女よりも先に君が謝るべきだな、ゼロ」
ゼロ「うっせー、ルビセルのウサキツネ〜!」
ルビセル「正式な種族名を言われたところで何の悪口にもなっていないぞ、この役立たず」
ゼロ「なんだとぉっ!」
ロー「仲が良いことは麗しいけれど、今ここでやることじゃあないんじゃないかな?」
ルビセル「おっと、僕としたことが……そもそも、今回呼ばれたのは僕だけなのに、何で君まで一緒に来ているんだ?」
ゼロ「へっへーん、ルビセルだけちやほやされよーったってそうはいくかよ」
レックル「あ、でもさ、ロー。今回のリクエスト、この魔法使いさんを招待してくださいってだけで、何をして欲しいとかは特にないんだよね。どうしよう?」
ロー「そこだよ、レックル。何故今夜の司会が僕たち二人になったのか、彼らとの共通点から考えてみると良い」
レックル「共通点? うーん、二つともファンタジー作品だけど……」
ゼロ「あ、俺分かった! 全員名前にラ行の文字が入ってる!」
ルビセル「女剣士と魔法使いのコンビ、か」
ロー「ルビセルさん、ご名答」
ゼロ&レックル「「(そうなんだ……?)」」
ルビセル「それで、だから何だというんだ? まさかコンビバトルでも始めようなどと言わないだろうな」
ロー「それも楽しそうだけれど、残念ながらそこまでの時間はないし。第一、共に天才と名高い僕とルビセルさんが魔法対決なんて始めてしまったら、このラジオ局が跡形もなくふっとびそうだ」
レックル「だったら、ねぇ、ゼロさん! ちょっとだけで良いから自分と打ち合いしてくれないかなぁ? 強い人と戦える機会なんてそんなにないんだよね」
ルビセル「……何?」
ロー「ああ、それくらいの時間ならあるかもしれないね。あちらの空き部屋でやって貰って、僕たちが実況・解説ということにすれば、新しい趣向になりそうだ」
ゼロ「お、何だよやる気だな? 俺の実力に泣きべそかいても知らねぇぞ?」
レックル「うん分かった、こっちも全力でやるね!」
ルビセル「お、おい、ちょっと待……!」
ロー「それでは両者位置について、始め!」

〜十秒後〜

ゼロ「……ふっ、紙一重……だったぜ……(ばたり)」
レックル「うわあああああ、ゼロさぁぁぁぁん!?」
ロー「いやぁ、まさか二秒で決着がつくとは」
ルビセル「何が紙一重だ、マントル並みの厚さがあっただろう! 自分の実力を考えろ、実力を!」
レックル「ごめんなさいごめんなさい、ホントに手加減なしで打ちこんじゃった、ゼロさんしっかりぃぃぃぃ!」
ロー「いや、確かに彼女の実力にレックルは泣きべそかいてるけどね」
ルビセル「そんな形で有言実行されても困る」
レックル「ロー、ルビセルさん、どうしようどうしよう!?」
ロー「レックル、こういう時こそ魔法の呪文の出番だよ。ねぇルビセルさん」
ルビセル「……ああ、そうだな。というより、それしか仕方がないか」
レックル「何!? 何でもいいから早く!」
ルビセル&ロー「「『そろそろお別れの時間のようです。皆さん、良い夜をお過ごしください』」」
レックル「そういう魔法ーっ!?」


※暁野様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『アサボシ』・創作小説『The legend of nihility』より、ゼロさんとルビセルさんお借りしました。





●第14夜

〜第9夜収録終了後 特別生放送〜

田中「♪はっる〜か〜! 長い長い時を〜こーえて〜! 現代(いま)ここーで〜! は〜じまるSTO〜RY〜!」
義希「♪もういっちど〜! また君に出会えた〜きーせき〜! 今度〜こそ〜! まもりぬいてみせ〜るさ〜! OH〜!」
山川「……何か、良かったのか? 俺達がこんな、カラオケとか混ざっちゃってさ」
蒼「構いませんよ、人数は多い方が楽しいですし。僕たちも服まで貸して頂いてしまって。これ何処から持って来たんですか?」
山川「ああ、うちのサイトの魔法使い、何でもアリだからな。予想外に似合ってて驚いたよ」
倫祐「(ぽりぽりぽり)」(←ポッキー食し中)
田中「♪夢に見ていた〜、不思議な景色〜、今ならー意味がー分かーるよ〜!」
義希「♪剣を立てる〜、荒れた大地に〜、アネモネの花が揺れーてる〜!」
ハルカ「(♪シャンシャン)」(←タンバリン)
山川「あ、俺、機械独占してたな……倫祐さんと蒼さんは? 何か入れようか」
倫祐「(ふるふる)」
蒼「僕もとりあえずは見ていれば楽しいです」
山川「そっか。二人とも巧そうだけどな、声格好良いし」
田中&義希「「♪現代(いま)かがーやーくーんだ! キラリ、こっのつ〜るぎかか〜げて! 伝説み〜たいな〜ほんとーぉの勇者にっなる〜!」」
山川「……」
田中「♪走れ! 守れ! たいせっつなひーとを!」
義希「♪恋敵すーら蹴散らして〜〜〜!」
蒼「……」
田中&義希「「♪勇者っ戦っ隊〜、セイケーンジャ〜ァァァっ!」」
倫祐「……」(←パトラッシュを突き中)

〜間奏〜

山川「……ずっと突っ込みたかったのを堪えてたんだが、田中。何だその歌?」
田中「山川知らねぇの、“勇者戦隊セイケンジャー”。遥か昔、魔法を封印した伝説の勇者が現代に生まれ変わって、封印から蘇った魔王から世界を救おうと、やっぱり生まれ変わった昔の仲間たちと共にセイケンジャーとなって聖なる剣で戦うんだぞ?」
義希「見どころはアレだよな、主人公が昔守ることが出来なかった姫の生まれ変わりが、現代では魔王の支配下に入っちまうんだよ。でもそれは実は……」
田中「おっと義希、それ以上はネタバレだって! 山川がこれから見たくなるかもしれないだろ!」
義希「うわっと、そうだな卓也、ここから先は本編を見てからのお楽しみだな!」
山川「絶対見ないから安心しろよ。っていうか、いつの間にか呼び捨ての仲か……」
田中「あとさ、メンバー全員がヒロインのことが好きで、固い絆で結ばれてるように見えて実は全員、自分以外のメンバーがどさくさに倒されれば良いとか思ってるとことかな!」
義希「分かる分かる、でら燃えるよな!」
田中「な〜!」
山川「何だ、その日曜朝に相応しくない黒さは」
蒼「……“恋敵すら蹴散らして”、ですか」
義希「(どきっ)」
蒼「ふうん……成程、そうですか……蹴散らして、ね……(にっこり)」
田中「お、そろそろ間奏終わるぞ義希! マイク構え……」
義希「(ピッ!)」

〜演奏終了〜

田中「……ええええええ!? 何、何で!? あり得ないくらい長い間奏を今まで何のために待ってたんだよぉぉぉ!?」
義希「……知らないのか卓也、この歌、最後まで歌いきると、“近い将来、恋に走った親友に裏切られる呪い”にかかるんだぞ?」
田中「マ……ママママジでか!? やべぇ、俺これまでに何回も歌いきっちゃってるんだけど山川、お前恋に走って俺を裏切るのかよ大親友ぅぅぅっ!?」
山川「“裏切る”じゃなくて“見捨てる”が正しいだろ」
田中「やーまかわあああああっ!?」
義希「(ビクビクビクビク)」
蒼「もしもしフロントですか? はい、二時間延長お願いします。あと焼きおにぎりと野菜スティック追加で」
山川「(この空気の中延長された……)」
倫祐「……」(←ハルカとパトラッシュでWふにふに中)


※ぁさぎ様、素敵イラストありがとうございました!
 相互サイト『ねこの缶詰』・創作小説『anemone』より、義希さん、蒼さん、倫祐さんお借りしました。





●第15夜

♪BGM N○K「今○の料理」のあのテーマ

ゲン「よっ、皆元気か? 『弦月の仮宿』の時間だ! パーソナリティーは『NAVIGATOR44』より俺、ことゲンと、『田中君と山川君』より山川健悟でお送りするぜ」
山川「また不思議な組み合わせだな……20000HITのTOP絵以来ですね、ゲンさん」
ゲン「うーん、俺もプロデューサーも記憶が定かじゃねぇけど。ま、仲良くやろうぜ。それじゃあ早速、本日のリクエスト! 読み上げ頼むぞ、健悟」
山川「分かりました。RN.大和さん、お便りありがとうございます。『山川君とゲン兄さんでお料理(もしくは山川君が得意なのでお菓子)講座』……だそうです」
ゲン「……ああ、だから今日の放送、こんな特設キッチンからやってて、俺達はこんなエプロン姿だったりするのか……」
山川「察しましょうよ、その指示があった時点で。BGMも『今日○料理』だし」
ゲン「いやー、ラジオのパーソナリティーってんですっかり緊張しちまってさ、悪ぃ悪ぃ。けど料理っていうならかえってありがたいぜ。どうする健悟、お前何が得意?」
山川「俺は菓子はよく作りますけど、料理はほとんどしません」
ゲン「そか、じゃあ菓子にするかな? 俺はメシの方が得意だけど……最近和食のレパートリーばっかり増えてくんだよな、ったく……」
山川「不平のようで顔がちょっと笑ってるのは気の所為ですか? それはともかく、ここのプロデューサー、料理はするけど菓子は全く作らないんですよね。家にオーブンがないとか、チョコのアレルギーがあるとか、レシピの砂糖の量にドン引きするからとか何だかんだ言って」
ゲン「うーん、作ったこともないものを教えるのも気が引けるな……あ、じゃあアレにするか。プロデューサーが唯一作ったことがある菓子」

ゲン兄さんと山川君のお料理講座〜今日のレシピ・ごま蒸しパン〜

ゲン「……というわけで、今日はホットケーキミックスで簡単に作れるごまの蒸しパンを紹介するぜ! ぶっちゃけ、家にオーブンがない人より、家に蒸し器がない人の方が多い気がするんだが、そこは気にしない気にしない!」
山川「蒸しパンが菓子に分類されるのかっていうのも気にするなって話ですね」
ゲン「まずは材料から、直径6pの紙カップ5個分の分量な。ホットケーキミックス100g、L玉玉子1個、卵黄1個、砂糖60g、牛乳大さじ1、黒のすりゴマ大さじ3……うん、流石に都合が良いな、全部用意されてら」
山川「いや、やたら多くないですか? かるく100個分くらいあると思うんですけど」
ゲン「……ま、お互い手土産にしようぜ。なんかやたらデカい蒸し器もあるし。まずはボールに卵・卵黄・砂糖を入れて泡立て器で混ぜる。牛乳、ホットケーキミックスと黒ゴマの順に加えて、粉っぽさがなくなるまでしっかり混ぜる」
山川「ゴマが入ってるから見た目は何だか不思議な感じだけど、匂いはすでに良いですね。最初は混ぜにくいけれど、混ぜているうちにかなりベタっとしてくるから、余計な水分を加えたりはしないように」
ゲン「型に紙のカップを敷いて、生地を八分目まで流し入れる。少し大きめのスプーンを使うと入れやすいかな。型の端がちょっと余るくらいにしておいて表面をならしておけば、蒸し上がった時に丁度綺麗に丸くなって美味そうに見えるぜ」
山川「この作業をする前に、蒸し器の準備をしておくとスムーズかな。蒸し器に並べる時は広めに隙間をとっておくことがポイント。蒸気が上がった蒸し器で約12分蒸し上げる。途中で中の様子を見る時には、蓋からお湯が滴らないように気をつけて」
ゲン「型に入れた分量や、蒸気の加減によっては、蒸し上がるまでに結構時間がかかるんだなコレが。外側が綺麗に出来ていても、中がゲル状ってこともあるから、焦らずじっくりな。中心まで竹串を刺してみて、抜いても何もついてこなければOK!」
山川「蒸し器から外して型から抜く。箸を使えば衛生的だし火傷の危険も少ない、と……よし」
ゲン「ほら、ごま蒸しパンの完成だ! 気をつけるのは最後の蒸し加減くらいのもんだな。どうだ、簡単だったろ?」
山川「簡単すぎて、講座をやるようなものだったのかどうだか……ホットケーキミックスって本当万能ですよね。あと、このラジオ番組がこんなにスムーズに進んだのたぶん始めてですよ」
ゲン「偶にはそーゆーまともな番組も良いだろ、お前もいっつもツッコミ大変そうだし。ほら、茶ぁ入れたから食おうぜ、な!」
山川「そうですね、折角綺麗に出来たし……ん?」
ゲン「お? あれ、蒸しパンどこ行った……って、おい、そこぉっ!」
トット「どきっ(むしゃむしゃむしゃむしゃ)」
ダンプ「びくっ(もりもりもりもりもりもり)」
山川「モリモリ食ってる……」
ゲン「おいダンプ、てめ何食ってやがるんだ! トットもストップ、ストップ! 今すぐその手止めろ、俺達の15分が30秒で消え失せるだろーがあああ!」
ダンプ「ゲン君ゲン君、さっきのリクエスト、何か読み忘れてるところがあるんじゃないかな? 手紙の折り返しのところとか(まぐまぐまぐまぐ)」
ゲン「読み、忘れ?」
山川「……『助手はダンプさんとトット君でお願いします』……ん?」
ゲン「ああ!?」
トット「僕とダンプさんって時点で、これはもう、食べてくださいって言わんばかりだよね。だって助手として手を出す隙なかったし(ぱくぱくぱくぱく)」
ゲン「ああああ、このサイトbP、2位の大食漢をチョイスとか、空気読み過ぎだろうがあああ!」
山川「すげぇ、見る間に消えてく……」
ダンプ「ゴマの風味が良い感じだね〜」
トット「以外ともっさりしてるから飲み物が欲しいねー」
ゲン「出・て・け・お前らっ!」
ダンプ「ゲン君のケーチ!」(退場)
トット「ケーチ♪」(退場)
ゲン「はぁはぁ……どうだ健悟、俺達の分くらい守りきったか?」
山川「あ、ああ、どうにか何個かは……って」
ゲン「あ?」
ヤマト「……お?(もぐもぐ)」
ゲン「盗人二人目ええええぇぇぇぇ! 抱え食いしてんじゃねぇよ、っていうか誰だよ!?」
ヤマト「おいおい、人聞き悪いな。今回あんたたちがメインを張れてるのは、俺が暗躍したおかげなんだぜ?」
ゲン「へ? ……そ、そうなのか? や、それはどうも……?」
ヤマト「ってなわけで、残りは貰ってくぞ。じゃあな、邪魔したぜ」(さらりと退場)
山川「……」
ゲン「……」
山川「……後片付けしましょうか」
ゲン「……ああ、そーだな」


※透峰零様、リクエストありがとうございました!
 企画『ものかきギルド・ストーリー』より、ヤマト君をお借りしました。

※ここから3サイトでまさかの「蒸しパン騒動」リレー企画が巻き起こっています。
 各サイトキャラがあちこち飛び回っているので、このページだけでは何が起こっているか分からないと思います。





●第16夜

トータ「皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーはトータ=リーグマンと」
ピアニー「私ことスメルト=ピアニーで送らせて貰うぞ。この組み合わせも久しいな。のうトータ」
トータ「そうだね、この“三人”で集まるのは、第七回人気投票祝いTOP絵以来か。ねえ、アルトさん」
アルト「……あのな、いくつか訊かせて貰うけど」
ピアニー「何だ?」
トータ「何か?」
アルト「質問一、俺ってこのサイト、出入り禁止になってなかった?」
トータ「ああ、プロデューサーのそんな意地もあったっけね。けれど曰く、『ネタになりそうなら前言なんてしったことか』だそうだよ」
アルト「あっ、そ……じゃあ質問二。何で俺、こんな椅子に縛り付けられた上にスタンドライトを突きつけられた尋問状態になってんだよ!?」
トータ「別に構わないと思うけどね、なかなかお似合いで良いザマじゃないか。今の状況に不満でも?」
アルト「あるにきまってんだろうがぁぁぁ! 無意味に俺をからかいたいだけなら今すぐ解放してくれ頼むから!」
ピアニー「仕方ないではないか、お主を決して逃がすなと強く頼まれておるのだからな」
アルト「へ? 頼まれたって、誰に……」

SE:バイクエンジン音

ゲン「ただいま、二人とも連絡サンキュー! ちゃんと捕まえててくれただろーな?」
トータ「お帰りなさい。ご覧の通りがんじがらめに縛りつけた上、部屋の外には『弦月の仮宿』が誇る戦闘メンバーを揃えて万一に備えておいたよ。まあ、サポートタイプの魔法使いにそこまでする必要もないと思うけれどね」
ゲン「よっし、流石頼りになるな。ようやく尻尾を掴んだぜ、ナビゲーターの目の前で窃盗だなんて舐めやがって!」
アルト「え、ちょ、何? 何の話をしてるんだよ? 俺、盗みなんて何も」
ゲン「誤魔化すんじゃねぇよ、俺と健悟の蒸しパンを食い尽くした罪は重いぞ……食ったのは八割方身内だけど」
アルト「だから話が見えねぇって……蒸しパン?」
ピアニー「実は先ほど、以前この番組に出演してくれたこともあるカイが、蒸し麺麭一つばかりを持って慇懃に挨拶を寄越してな」
トータ「カイさんの話と、そちらの彼の話を聞くと、どうやら先日、このラジオ番組で作った蒸しパンを強奪していった男がいるようでね。そしてどうもその男は、アルトさん、貴方の仲間らしいというところまで見当が付いた」
アルト「俺の仲間って、うちのギルドに盗み食いするようなやつは!」
ピアニー「黒髪黒眼黒服の、身も態度も軽そうな男だそうだが?」
アルト「……いるかもしんない」
ゲン「いるのかよ!」
アルト「だって俺もよく食われてるし……いや、食い意地が悪いとか手癖が悪いとかじゃなくて、悪いのはタチなんだけど……いやいやいやいや、何だその、えーと……ああああ!」
ピアニー「何やら、お主も苦労しておるらしいというのは分かったが。ゲン、どうやら当たりのようだぞ」
ゲン「なら話は早い、そいつの居所を教えて貰おうじゃねぇか。今更返せとも金払えとも言わねぇけど、“ごちそうさま”の一言くらいは口にさせてやるぜ!」
トータ「意外と生ヌルいね。ってことで、どうするアルトさん。件の彼の居所さえ吐けば、無罪放免だよ」
アルト「うう、あいつもどうかとは思うけど。でももしあっさり引き渡したら、何されるか分かったもんじゃないだろ、精神的に。特にそっちのパーソナリティー二人」
トータ「おや、実感がこもってるね。結論としては、仲間を売る気はない、と」
アルト「ない!」
ピアニー「……ならば仕方あるまい」
ゲン「ああ、仕方ねぇな……おやっさん!」

BGM:ダー○ベーダーのアレ
SE:ズゴゴゴゴゴゴ……(地響き的な)

ラブ「おう、ワシを呼んだか、ゲン?」(背景に閻魔大王)
アルト「!?」
ゲン「おやっさん、腕の見せ所だぜ。こいつ、窃盗罪の容疑者の仲間なんだけど、なかなか居場所をはかねぇんだ」
ラブ「てめぇの取り調べが甘っちょろいんだろうが。だが、よしきた、ワシに任せとけ」
アルト「な、なななな、なな……!」
トータ「餅は餅屋、尋問は尋問官だよね。ではラブさん、あとは宜しく」
ピアニー「そうだな、部外者はこの辺りでお暇しておくか。これからの内容を電波に乗せるわけにもいかぬしな」
アルト「こ、ここ強面なんてマスターで見慣れてるんだからな、ちょっとやそっと睨まれたくらいじゃ……!」
ラブ「(ギン!)」
アルト「……っ!」
トータ「それでは今夜はこの辺りで。皆さん、良い夜をお過ごしください」





●第17夜

田中「良い大人の皆ー? こーんばーんはー! ラジオ『弦月の仮宿』の時間がやってきたぞー! パーソナリティーは『田中君と山川君』より田中卓也とー!」
山川「同じく山川健悟でお送りします」
田中「あれ、山川、そのクッキーどうしたんだよ、作ったのか? 食って良い? 食って良いよな? わーい、いっただっきま〜す!」
山川「ああ、食い損ねた分、何か無性に菓子が食いたくなってな……っていうか、田中」
アルト「…………」
山川「……何この状況? この人なんで、椅子に縛り付けられて今にも死にそうな顔してんだよ。俺がクッキー焼いてる間に何があった?」
田中「山川当事者のくせに知らねぇの?(もぐもぐ) こないだ、お前がゲンにーちゃんと作った蒸しパンを盗んでったふてぇ野郎がいただろ? なんかこの人、そいつの仲間だとか何だとかで、さっきまでその居場所を吐かせようと尋問されてたらしーぞ?」
山川「おいおい、このサイト何時の間にそんな非人道的な内容になったんだよ、たかが蒸しパンで尋問とか……おい、大丈夫か? 生きてるよな?」
田中「AEDいる? 久々に田中エレクトリカルスペシャルサンダーを発動しようか山川?」
山川「トドメ刺す気か」
アルト「うう、ひ、酷い目に遭った……」
山川「あ、我に返ったみたいだな。一体何をされたんだよ、場合によってはプロデューサーを訴える考えもあるぞ」
アルト「……俺がこれまでに作中で吐いたセリフを感情たっぷりに朗読されたりとか、俺の絶叫シーンばかり集めた動画を延々流されたりとか……」
田中「うわぁ、恥っずかすぃ〜」
山川「というかたぶん、趣旨変わってるぞそれ。嫌がらせが主目的になってるだろ」
アルト「俺もそう思う……あれ、さっきまでいた連中はどこに行ったんだよ? それになんか、外騒がしくねぇ?」
田中「なんかな、その蒸しパン泥棒がさっき、手作り菓子を引っ提げて謝りに来たらしいんだ。それで皆出てったんだけど、俺はその間の見張りを頼まれてるんだよな、実は」
アルト「謝りにって、あいつが?」
山川「あんたが捕まってるって知って、わざわざ来たのかもな。良い仲間じゃないか」
アルト「俺が捕まったくらいであいつが素直に謝りに来るわけがねぇ」
山川「信用ないな」
田中「駄目だぞ、友達はちゃんと信じてあげないと」
リア「そうですよ、そんなに仲間のことが信用できないのですか? ご自分では俺を信じろ信じろとしつこく口にするくせに」

(沈黙)

山川「!?」
田中「うおぁ!?」
アルト「……リ、リア!? なんでお前ここに……!」
リア「あら、随分お言葉ですねアルトさん。貴方がこちらに掴まっているから救出に協力しろとヤマトさんに頼まれたんですよ。あとはこちらの管理人がなにやらブツクサ呟いた所為もあるみたいですけれど」
アルト「きゅ、救出って」
リア「『俺が外で連中をちょっとからかって引きつけるから、その隙にオカンを連れ出せ』だそうですよ」
アルト「何やってんだよアイツ、何で火に油注いでるんだよ!? あとオカン言うな!」
山川「どうもお迎えみたいだな。ここにいても碌なことにならないみたいだし、この辺りで解放してあげようぜ」
田中「……なぁ山川よ」
山川「何だよ?」
田中「今プロデューサーが渡してきたカンペによると、どうもこの白い人、今年のバレンタインにチョコレート貰ってたとかいう野郎らしいな? 今も何か、可愛い女の子が助けにきてくれてるし?」
山川「……嫌な予感がするが、それで?」
田中「モテ男撲滅委員会名誉会長のすべきことは一つ!」
アルト「ちょ、おい、何す……!」
田中「(アルトの首に手を回しつつ)そこのおじょーさん、武器を下ろして投降しなさい! さもなくばこの男に、一生カッコよく活躍できない呪いが降りかかるぞ!」
アルト「えええ!?」
山川「いや、何だよそのノリ」
リア「一向に構いませんけれど、そんな呪いがかかろうと」
田中&アルト「「えええええ!?」」
リア「それと、そもそも私に武器など必要ありません。目標固定化します(魔法発動)」
田中「!?(強制行動不能)」
リア「ほら、さっさと帰りますよアルトさん。いい歳をして手間をかけさせないでください」
アルト「あ、ああ……って、何か俺が悪いみたいになってるんだけど、そもそもヤマトが……」
リア「あっさり捕まったのは貴方でしょう、責任転嫁するおつもりですか?」
アルト「いや、そうじゃなくてだな……」

(アルト・リア 退場)

山川「そもそも、ただの男子高校生二人に見張りを頼むってのが間違ってたな。おい、田中、無事か?」
田中「(しーん)」
山川「あの田中を黙らせるとは、あの魔法良いな……って、あ」
田中「(しーん)」
山川「……クッキー持っていかれた……」


※企画『ものかきギルド・ストーリー』より、リアちゃんをお借りしました。





●第18夜

ピアニー「皆の者、今宵も『弦月の仮宿』の時刻がやってきたぞ。司会は『歪みの伝導師』よりスメルト=ピアニーと」
トット「同じくチタ=トットでお送りします! えへへ、僕らで番組独占って始めてだね、ししょー!」
ピアニー「言われてみればそうだな。何やら外では件の蒸し麺麭の話をずるずるしつこく引き摺っておるが、今宵は完全に忘れたことにして番組を放送するからな、トット。分かったな?」
トット「はーい! って、二夜前はししょーも結構乗り気だった癖に」
ピアニー「そもそもだな、お主が三夜前にあんな意地汚い真似をせねば、こんな相互様を巻き込んだ騒動には……ええい、今日は考えぬ!」
トット「それじゃあ前置きはこの辺りにして、今夜のお客様、どうぞ〜!」

BGM 宮城道雄 「春の海」

緋津耶&沙綺耶「「今晩は〜!」」
ピアニー「よくぞ来てくれたな。相互様『西色綺譚』・創作小説『百鬼一記』より、紅水緋津耶・沙綺耶の兄妹にお越しいただいた」
沙綺耶「わわ、兄様すごいよ、へんてこりんな絡繰がいっぱいある! 螺旋も来れば良かったのに……あ、でも、あいつが来ると五月蠅いから嫌だな」
緋津耶「あ〜ゴホン……この『らぢお』って、オレたちの声が国中に届くような仕掛けなんだろ? うわ、きき緊張するなぁ」
トット「おー、兄妹ってだけあって、そっくりだねししょー」
ピアニー「此処のところ物騒な夜が続いておったからな、妙に和むよ」
緋津耶「お招きに預かり光栄です、ってことで……えーと、それでオレたち、何を話せば良いのかな。沙綺耶ちゃんの可愛さについて延々語ろうか?」
ピアニー「いやそれは止めて貰おう。そうだな、そちらの管理人様には、この場で何をするかはこちらに任せるとのお言葉を頂いておる」
沙綺耶「ふーん。他のげすとの人たちはどんなことをやってたんだ?」
トット「うーんとね、大抵は好き勝手にお喋りするだけで放送時間が終わっちゃうんだけど。あ、でも、剣士さんが来た時には、打ち合いとかやったりもしてたね」
沙綺耶「お、そういうのもアリなのか? だったらおれ、良いとこ見せる自信あるぞ!」
トット「僕も自信あるよ、ししょー。やっていい?」
緋津耶「だめだめ沙綺耶ちゃん、余所様のお宅で大暴れなんて、お兄ちゃん許さないぞー」
ピアニー「トット、お主もだ。此処の部屋にある機器という機器を破壊しつくして、トータに散々嫌味を言われるのが関の山だぞ」
沙綺耶&トット「「ぶー」」
緋津耶&ピアニー「「ぶー、じゃない」」
沙綺耶「ところでさ、ここって美味いものとかあるかな? 珍しい菓子とかあるなら、おれ食ってみたいな!」
トット「うん、色々あるよ! ね、ししょー、何か食べながらお喋りしようよ」
ピアニー「あのな、お主は軽く言うが、ここに食物など用意したら、客人も何も無視してお主が全て喰らい尽くすであろう? お主の腹を満たすだけの菓子を買う余裕はないぞ」
緋津耶「いや、うちの沙綺耶ちゃんの食べっぷりには及ばないと思うな。たぶんその前に全部食べつくすよ」
ピアニー「いやいや、トットに敵う大喰らいなどそうはおるまい」
緋津耶「いやいやいや、沙綺耶ちゃんのが凄いって」
ピアニー「…………」
緋津耶「…………」

(間)

ピアニー「……というわけで、第一回・蒸し麺麭大食い対決〜。トット、沙綺耶、準備は良いな?」
沙綺耶&トット「「良いで〜す!」」
ゲン「良くねえええぇぇぇ! 何でだ、何でまたここで蒸しパンを大量発注されてんだオレは!? 今日は蒸しパンの話は忘れるって言ってたじゃねぇかよ!?」
ピアニー「ゲン、世の中には己の発言を撤回してでも譲ることが出来ぬものがあるのだ。具体的には、意地と財布の中身であるとかな」
ゲン「真顔で言うなよ! ……ったく、とにかく作ったからな! 今回は健悟だけじゃなくて、ハナダやハーブにも手伝って貰ったぜ。あと、ゴマだけじゃ詰まらねぇから、そっちのはアプリコットだし、これは抹茶とヨーグルトのマーブルで……」
ピアニー「何だかんだ言いつつ凝ってしまったところ悪いが、恐らく、全て碌に味わって貰えぬまま腹に消えて行く運命だ」
ゲン「!?」
緋津耶「それじゃあ行くよー、二人とも位置に着いてー、よーい、ド」
螺旋「邪魔するぞ。おい沙綺耶、ここで何してるんだ」
沙綺耶「ふごわ!? げ、螺旋!」
螺旋「何が“げ”だ、両手で菓子を持つな。緋津耶も、何を余所でまで馬鹿を曝け出しているんだ。依頼が入った、さっさと行くぞ」
沙綺耶「ちょ、おい、襟掴むなよ! せめてあの菓子食べてから……あ〜、螺旋のばかああぁぁぁ……」(引き摺られて退場)
緋津耶「ああおい、待て、オレを置いていかないでくれよ! なあ、螺旋、沙綺耶ちゃーん!」(慌てて退場)
ピアニー「…………」
トット「…………」
ゲン「……どうすんだよ、この蒸しパン」
トット「あ、じゃあ僕食べ」
ピアニー&ゲン「「黙れ」」


※双たいら様、リクエストありがとうございました!
 相互サイト『西色綺譚』・創作小説『百鬼一記』より、紅水緋津耶・沙綺耶さんをお借りしました。





●第19夜

トータ「皆さん今晩は、『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーは僕、ことトータ=リーグマン……なんだけれど。何だろうね、この異様な人口密集度は?」
ディー『はい、全員注目! 今日こそは3サイト撒きこんで延々と引っ張られた一連の“蒸しパン騒動”に決着をつけるぞ!』
田中「はーい、せんせぇ質問〜! どうしてディー先生が仕切ってるんですかぁ〜?」
ゲン「確かに、一連の騒動には全く関わってなかったよな。ポルクの次に年下だし」
ディー『弦月の仮宿主要メンバーの中で、俺が一番賢いから(きっぱり)』
トット「だってさ、一番年上主人公のししょー」
ピアニー「まぁ、言わせておくが良い……急に老けた様な気がするから止めぬか、その言い方!」
トータ「現在の状況を説明すると、騒動の元となったゲンさん・山川君作の蒸しパン100個はすでに食べつくされている。が、その蒸しパンの一部を相互サイト『白虹太陰』のキャラクターさんがかっぱらっていった為に、その謝罪をするだのさせるだので事態がややこしくなってしまった」
山川「更に、そのキャラクターの居場所を突き止めるために企画『ものかきギルド・ストーリー』を引っ張ってきたことが元で、話は相互サイト『月影草』のブログにまで及んでいる」
ゲン「そんでもって、今ここには菓子が山ほど積まれている。一つ目、1夜前にオレたちが作って、食べられる機会を失った新たな蒸しパン。二つ目、『白虹太陰』の人たちが、お詫びに持って来てくれた手作り菓子。三つめ、『月影草』の人たちが、やはりパクられたクッキーの代わりに作ってきてくれたカラフルマカロン」
ピアニー「何と言う話の混沌具合だ……」
ディー『俺がここを仕切ってる理由二つ目。頼むからこの大量の食物をさっさと片付けてくれよ!』
ポルク「ああ、ディー食べ物見るの苦手だもんね。もう吐くような身体もないのに……」
田中「じゃあ見なけりゃ良いのにな」
ディー『そこ五月蠅い! そういうことで、提案するぞ。2サイトから貰ったお菓子は、ありがたくこのサイトで頂くことにする。その際、きちんと人数通り配分し、特にダンプとトットの動向に注意すること。それでこの大量の新しい蒸しパンは、二つに分けて各サイトにお詫びとして持っていく』
ダンプ&トット「ええええええ〜……?」
ラブ「二人とも、これ以上駄駄ぁこねるとワシがぶっ飛ばすぞ」
ダンプ&トット「Σ(びくっ)」
ディー『持っていく際のメンバーは、ルート・ハナダ・ビクス・仲楯に頼む。このメンツならトラブル起こすことも、喧嘩売ることもないだろ』
山川「なんつう地味なメンバー……確かに、話の発展しようがないな。仲楯、いつも通り一般男子高校生で通してくれよ」
仲楯「わ、分かった。って、何を期待されてるんだよ俺は」
ピアニー「全く、これ以上事態を発展させてたまるものか。ビクス、変に腹黒な部分を出したりするでないぞ」
ビクス「それ、引っ張らないで下さい……。大丈夫ですよ、任せてください」
トータ「まぁハナダならば、喧嘩を売られても問答無用で収集させられるだろうしね。気をつけて行って来ると良い」
ハナダ「そうね。トータ、私がいない間に揉め事を大きくしたら駄目よ」
ポルク「じゃあルート、向こうに顔を出す必要はないから、穏便に済ませて来てね! いってらっしゃい!」
ルート「扱いが随分と酷いのが気になりますが、了解しました。それでは、行って参ります」

(四人退出)

山川「……本当にこれで収集付くと思うか?」
トータ「さあね。他のサイトさん次第だけれど、まぁ、そろそろ潮時だろう」
田中「でも、楽しかったよな! こんな風にブログでリレーなんてしたの初めてだし、何かすげぇ交流できた気分!」
ポルク「アルトさん、いいなぁ。僕らもあっちこっち遊びに行きたかったよね」
ピアニー「そうだな……成り行きと悪乗りとは言え、確かに少し、楽しかったやもしれぬ」
ゲン「付き合ってくれた2サイトの管理人さんに感謝、だな!」
ディー『……良い話で締めようとしてるところ悪いけどな』
全員「?」
ディー『食われてるぞ、菓子』

(空になった皿と、こっそり出て行くダンプ&トット)

ピアニー「……トットぉぉぉぉぉ!」
ゲン「ダンプてめぇこの野郎ぉぉぉぉぉ!」
ダンプ「おっと、見つかっちゃった。逃げるよトット君!」
トット「はーい!」

(メンバー、一人を残し全員退出)

トータ「……それでは、5夜に跨って展開されたこの蒸しパン騒動、『弦月の仮宿』サイドはこれにて終幕だ。お付き合い頂いた皆さん、ありがとうございました。それでは今夜はこの辺りで、御機嫌よう」





●第20夜

トータ:
 皆さん今晩は、ラジオ『弦月の仮宿』の時間がやって参りました。パーソナリティーは僕、ことトータ=リーグマンです。どうぞ宜しく。
 さて突然だけれど、二か月以上もの長きに渡って続けてきたこのラジオ企画も、今夜で終わりということになったよ。
 別に何が悪いじゃあない。すでにサイトのカウンターは31000を回っているにも関わらず、30000HIT記念企画が未だに続いていること自体がそもそもおかしいのだからね。
 今夜で20夜目ということで切りも良いことだし、この辺りで企画を締めるか、と言う、プロデューサーののんびりすぎる区切りなわけだ。
 二か月以上やって20話というのは少なすぎる気もするけれど、そこはプロデューサーの仕事の繁忙期でもあったわけで、まあ勘弁してあげてほしい。

 そもそもこの企画、ラジオという名の元に、「弦月の仮宿」のキャラクターを適当に登場させてグダグダ喋らせるだけのつもりで始まった。企画らしい企画をやる余裕がなかったからだろうけれど。
 リクエストなんて一つ二つあれば良いところだろうと。増してコラボ願いなんで余程酔狂な客からしかないだろうと思っていたのだけれど、正直、驚いたよ。
 最終的には6サイト、総勢15名もの余所のオリジナルキャラクターさんに出演して貰って、挙句の果てにはコラボイラストを頂いたり、余所のブログとリレーまでしてしまったのだからね。
 あの考えなしなプロデューサー、本当にやりたい放題好き放題やりまくってくれて、いつ相互サイトの皆さまから絶縁状を叩きつけられるかと冷や冷やしたものだ。
 けれど素敵なキャラクターのおかげで、プロデューサーはとても楽しくこの企画を進められたようだね。ありがたいことだ。
 ラジオへのリクエストをして下さった皆さん、コラボの許可を下さった皆さん、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 そして遅まきながら、30000HIT、皆さん本当にありがとうございます。こうして馬鹿なサイトを続けていられるのも、こんなにカウントが伸びたのも、いつもサイトとプロデューサーを支えてくれるお客様が他のお陰に他ならない。
 このサイトはこれからも、今のような調子でグダグダダラダラと続いていく予定だ。皆さんの愛想が尽きない限り、気が向く限り、またここに遊びに来て貰えれば幸いだね。
 感想も交流も企画も大歓迎だし、イベント等の際には積極的に参加してもらえたらばなお嬉しい。
 なかなか更新もままならない、しょうもないプロデューサーによるこんなサイトだけれど、これからもどうぞ、宜しくお願いします。
 またいつかの機会に、皆様に少しでも楽しんでもらえるような内容をお送りできることを願って。
 それでは。


‐放送終了‐


トータ「やれやれ、ようやくこの番組も終わりか。自他サイト問わず、散々妙な連中とばかり顔を合わせて疲れたよ……」
ハナダ「トータ」
トータ「ん? ハナダ、どうしたんだい。もうラジオは終わったから、そろそろ店に帰ろうと思っていたところだよ」
ハナダ「(お茶を差し出す)」
トータ「?」
ハナダ「パーソナリティー、お疲れ様」
トータ「……ありがとう、ハナダ」
ハナダ「ラジオはもうこりごり?」
トータ「そうだね。いや……そうでもないさ」
ハナダ「そう」


♪BGM ショパン 24の前奏曲より「雨だれ」





 たくさんのご参加ありがとうございました!








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